TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

重要データからみる仮想通貨市場、DeFi総預入額は一時5兆円超に|CoinPost週次レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

4月の仮想通貨市場

4月第1週の暗号資産(仮想通貨)市場。

一時55,000ドルまで下落したビットコイン(BTC)だが、3月29日にはVisa社のステーブルコイン「USDC」の決済導入開始の報道が材料視され、再び上昇基調に。

関連:決済大手Visa、米ドルペッグのステーブルコイン「USDC」の決済導入開始へ

2日には一時60,000ドル台を回復したものの、急ピッチな上昇の反動から、4日にかけて57,000ドルまで反落した。

出典:CoinMarketCap

先週は、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが機関投資家向けのビットコイン関連の仮想通貨の投資商品の提供することがわかった。CMEのマイクロビットコイン先物の提供や、Bakktのビットコイン支払いを可能にする消費者向けアプリローンチするなど、仮想通貨サービスの発表も相次いだ。

関連:ビットコイン関連サービスに続々参入、注目の「機関投資家」動向まとめ

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は、2日に過去最高値を更新した。決済大手のVISA社がイーサリアム・ブロックチェーン基盤のUSDCの決済導入を発表したことなどが思惑となった。ステーブルコインが大手決済企業により採用されるのは初の事例だった。

出典:CoinMarketCap

7月に大型アップデート「ロンドンハードフォーク」を控えるイーサリアムだが、仮想通貨アナリストのCantering Clark氏は、「オプション市場では、6月25日に期限を迎えるOI(未決済建玉)で3,520ドル(約39万円)を予想する取引が多い」と指摘。オプション市場の見立てを示唆した。

時価総額2兆ドル目前に

仮想通貨市場の全体時価総額は、一時2兆ドル(約220兆円)目前まで膨らんだ。2月20日には、時価総額1兆ドル(約110兆円)を到達したばかりだった。

出典:CoinMarketCap

1月1日時点での仮想通貨市場の時価総額は約77兆円だったため、約3ヶ月で200%近く増加した形となる。仮想通貨市場全体の市場規模は2018年以降、長らく4,000億円以下を推移していた。

関連:ビットコインが最高値更新、時価総額1兆ドル超え

好調なビットコインとイーサリアム

アルトコインの循環物色に伴い、ビットコインのドミナンス(市場占有率)は、59%から56%まで低下している。

21年1Q(1〜3月)期に大幅上昇した銘柄は先週の週次レポートでもお伝えしたが、ビットコインやイーサリアムも堅調な推移を見せる。

ビットコインは、2013年以来となる6ヵ月連続の続伸。月末の終値は、20年9月から継続して上昇してきた。

また4日時点では、ビットコインの時価総額は、代替資産性から比較されやすい「金(ゴールド)市場」の約10%に達している。

イーサリアムの年初来騰落率は約150%となっており、DeFiやNFTなどの市場規模拡大に乗じてさらなる関心を集めている。今年2月頃から、NFT(非代替性トークン)への関心は急速に高まっている

上位アルトでは、カルダノ(ADA)やシータ(THETA)の1Qにおける騰落率の伸びも顕著だった。

時価総額TOP20

出典:CoinMarketCap

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

イーサリアムは2日に一時2,100ドル台を超えるなど好調で、週間騰落率は25%を記録。バイナンスコイン(BNB)やポルカドット(DOT)も高騰した。

ファイルコインは週後半で反落したものの、一時は時価総額8位に達する騰勢を見せた。

仮想通貨トロン(TRX)も一時20位にランクイン。NFTアートに特化した「JUST NFTファンド」設立を3月31日に発表したほか、1億円相当の約850万TRXを焼却(バーン)するトークンバーン(市場供給量減少)イベントも3月30日に行なっている。

関連:日本に上場した仮想通貨トロン(TRX)が急騰、背景は?

DeFi上位銘柄:前週比

  1. ユニスワップ(UNI):+8.5%
  2. チェーンリンク(LINK):+5.9%
  3. テラ(LUNA):-0.4%
  4. cETH(CETH):4.9%
  5. Aave(AAVE):3.5%

NFT上位銘柄:前週比

  1. シータネットワーク(THETA):-0.3%
  2. チリーズ(CHZ):-5.3%
  3. エンジンコイン(ENJ):+8.2%
  4. ECOMI(OMI):-12.0%
  5. Decentraland(MANA):+13.1%

ビットコインのオンチェーンデータ

ビットコインのオンチェーンデータ分析は以下の通り。

BTCハッシュレート推移とチャート

今週は2021年3月26日から2021年4月2日の期間を対象に、BTCのハッシュレート(採掘速度)および価格について分析を行なった。

BTCハッシュレート(採掘速度)について

最低値:約164.1TH/s(前週比 104.1%)2021年3月31日

最高値:約166.7TH/s(前週比 100%)2021年3月26日

BTCハッシュレート

BTC価格について

最低値:約555万円(前週比 115.3%)2021年3月26日

最高値:約663万円(前週比 107.8%)2021年3月31日

BTC価格

今週はハッシュレートに大きな動きはなかったものの、ビットコイン価格は堅調な動きをみせ、過去最高値である約666万円付近に近づいた。

ビットコインの採掘難易度と次回の調整予測日

ビットコインのマイニング(採掘)難易度の調整は、2021年4月2日に行われた。前回の調整と同様に、難易度および採掘速度はいずれも過去最高値を更新する結果となった。

関連:ビットコインの採掘難易度が過去最高に、最新機器の投入が影響か

難易度調整

採掘難易度の調整日時:2021年4月2日11時

ブロック番号:677,376

変動率:+5.82%

Difficulty(難易度):23.14 T(前回比 105.8%)

平均ハッシュレート(採掘速度):165.44 EH/s(前回比 105.7%)

平均ブロック生成時間:9分28秒(前回 9分49秒)

次回の採掘難易度調整日:2021年4月16日

ハッシュレートの増加は、ビットコインマイニングに参加する事業者が増加していることを意味する。

ビットコインのブロックは約10分に1度生成されるように難易度の調整が行われる仕組みとなっており、参入事業者が増加すると、ハッシュパワーの総量が増えるため、難易度はハッシュレートに相関する形で上昇していく。

関連記事:マイニングとは?仕組みや方法について解説

BTCマイナーの収益、2ヶ月連続で過去最高を更新

またCoinPost提携メディアのThe Blockの統計によれば、3月におけるビットコインマイナー(採掘事業者)の月間収益は17.5億ドル(約1,900億円)を記録。2月に続き、2ヶ月連続でBTCマイナーの月次収益が過去最高値を更新する形となった。

グレースケールの仮想通貨投信

今週の購入枚数

BTC:-256BTC(累計約65.4万BTC)

ETH:-1523ETH(累計約317万ETH)

ビットコイン・イーサリアム共に運用枚数がやや減少する結果となった。

出典:bybt

出典:Qryptoquant

仮想通貨取引所の出来高が2ヶ月連続で1兆ドル突破

また大手仮想通貨取引所における現物の総取引量が1兆ドル(110兆円)を超えた。2月の総取引量(136兆円)からは6%程減ったものの(129兆円)、2ヶ月連続で出来高が1兆ドルを突破した。

イーサリアムのオンチェーンデータ

ETH2.0 ステーキング額

今週もステーキング額は増加している。ETH2.0へのステーキング額は3週連続で上昇している。

ステーキング額:365万ETH(前週比:+2.8% [355万ETH])

出典:CryptoQuant

ガス代

ガス代とは手数料の一種で、送金を行った場合、マイナーがデータ計算処理をした報酬として、その手数料を受けとる。

イーサリアムが2,000ドルに復帰したこともあり、平均ガス代は先週から約17%と高騰した。

平均ガス代:186.23 Gwei(前週比:+17%[158.80 Gwei])

出典:etherscan.io

DeFi(分散型金融)

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

今週のTVLは前週を大幅に上回り、過去最高となる469億ドル(約5.1兆円)まで増加した。昨年4月時点のTVLは800億円だったため、DeFiプロトコルへの総預入額は、1年間で63.7倍成長したこととなる。

TVL:469.0億ドル(約5.1兆円)

Makerドミナンス:16.07%

出典:Defi Pulse

関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説

クリプト指標

          
日程 指標
4/6 Enjin「JumpNet」のリリースへ
4/7 XRP販売を巡る証拠開示手続き審議

Enjin「JumpNet」のリリースへ

2021年4月6日

2021年4月6日、イーサリアムのスケーリング技術であるJumpNetのリリースを予定している。

イーサリアムのスケーリング技術であるJumpNetは、2つのフェーズに分けてリリースが予定されている。

最初のフェーズでは、ユーザーはEnjin Coin(ENJ)をイーサリアムブロックチェーン上からJumpNetに移行することができる。

次のフェーズでは、Enjin Coin(ENJ)とすべてのERC-1155トークンをイーサリアムブロックチェーンとJumpNetの間でシームレスに取引することができるようになる。

XRP販売を巡る証拠開示手続き審議

2021年4月6日

米リップル社やCEOのBrad Garlinghouse氏や共同創設者のChris Larsen氏が仮想通貨XRP(リップル)を未登録証券として販売したとして米SEC(証券取引委員会)から提訴されていた件で、米時間4月6日に有価証券に関連する証拠開示手続き(ディスカバリ)を進める審議を開催する予定。

なお、これまでの進捗や今後の日程は以下の記事で随時更新している。

関連:米SECが提訴したリップル社裁判の進展と今後のスケジュールまとめ

前週の週次レポート:ビットコイン価格、今後どうなる? 17年バブル崩壊時の類似ポイントと専門家の見解まとめ

重要ファンダ情報などのクリプト指標カレンダーは、CoinPostアプリ(iOS)、TAOTAOアプリ(iOS/Andorid版)で好評配信中。

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/23 土曜日
11:30
XRP・SOLOなど高騰、トランプ新政権でリップル技術採用への期待高まる
米SECのゲンスラー委員長が2025年1月に退任することが発表され、過去4年間の厳格な仮想通貨規制からの転換期待からXRPの価格が高騰している。
10:50
米仮想通貨業界団体、トランプ新政権に5つの優先事項を提案
米ブロックチェーン協会が次期トランプ政権に仮想通貨の取り組みにおける優先事項を提案した。SEC新体制など5つの項目を掲げている。
10:20
トランプ次期米大統領、仮想通貨支持派のベセント氏を財務長官に起用する方向
ドナルド・トランプ次期米大統領が、親仮想通貨のヘッジファンド経営者のスコット・ベセント氏を財務長官に起用する方向で最終調整に入っていることが、ブルームバーグなど複数のメディアの23日の報道で明らかになった。
08:40
独保険最大手アリアンツ、マイクロストラテジー転換社債の25%取得
ドイツ最大の保険会社アリアンツが、米マイクロストラテジーが発行した26億ドル規模の2031年満期転換社債の約25%を取得した。ビットコインを間接的に保有することになった。
07:55
L1アルトコイン、米大統領選後に価格が急上昇
仮想通貨を分析するCryptoQuantは、L1アルトコインの価格が米大統領選後に上昇していると報告。この価格上昇は、現物取引の出来高を伴っていると指摘している。
06:45
米マラソン、転換社債販売で1500億円を調達 5771BTCのビットコインを取得
ビットコインをさらに買い増し 米マイニング大手のMARA Holdings(マラソン)は23日、2030年満期のゼロクーポン転換社債10億ドル(1500億円)の発行を完了し、そ…
11/22 金曜日
20:30
XRPのETF承認はどうなる?市場価格への影響を分析
トランプ次期政権下でのXRP現物ETF承認の可能性を詳しく解説。SEC委員長交代や規制緩和への期待、市場への影響を専門家の見解とともに分析。ビットコイン、イーサリアムに続く承認タイミングと価格への影響を予測します。2025年のXRP市場展望を徹底解説。
15:00
仮想通貨XDC(XDC Network)の買い方と将来性は?
ハイブリッド型ブロックチェーンを採用する仮想通貨XDCの特徴や将来性を解説。SBIとの提携や買い方、リスクについても詳しく紹介します。
13:50
米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」
米連邦地裁がSECのディーラー規則を無効と判断し、SECの敗訴が確定した。原告の米ブロックチェーン協会CEOは、この判決は仮想通貨業界全体の勝利であると表現。ディーラー規則は分散型金融に重大な影響を与える可能性が危惧されていた。
13:10
トレードの機会損失を最小限に、メタマスクがイーサリアムガス代込みスワップを新たに導入
仮想通貨イーサリアムの主要ウォレットMetaMaskは新機能「Gas Station」の導入を発表した。ガス代不足によってスワップが中断されることを防ぐものである。
11:26
チャールズ・シュワブ次期CEO、規制緩和で仮想通貨現物取引への参入示唆
米大手ブローカー、チャールズ・シュワブの次期CEOが、規制環境の変化があれば仮想通貨現物取引へ参入すると述べた。トランプ新政権に期待する格好だ。
10:10
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」、板野友美がアンバサダー就任
タレントの板野友美氏がWeb3ゲーム「コインムスメ」のアンバサダーに就任。板野氏プロデュースのアイドルグループとのコラボユニットも結成する。
09:55
Suiブロックチェーン、稼働停止の原因や対策を公表
約2.5時間稼働を停止していた仮想通貨SUIのブロックチェーンが復旧。その後、原因や今後の対策を公表している。
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧