はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ソラナ(SOL)とは|注目ポイントと今後の将来性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Solana Blockchainについて

Solana Blockchainについて

現在イーサリアム(ETH)を筆頭としてブロックチェーンの様々な産業への導入が進んでいますが、ユーザーの増加に伴うネットワークの巨大化により、顕在化してきたのがスケーラビリティ(処理速度)問題です。

ビットコイン(BTC)など初期のブロックチェーンは1ブロック10分、つまり1秒間におよそ5個前後のトランザクションしか処理することができません。イーサリアムも毎秒15ほどに限られるため、処理速度に課題がありますが、DeFi(分散型金融)などの発展とともに取引の数は増えるばかりです。

ビットコインやイーサリアムのチェーンでは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)というコンセンサスアルゴリズムが採用されていますが(イーサリアムは後にPoSに移行予定)、PoWではトランザクションの承認速度はネットワークに参加するノードのマシンパワーに左右され、ノードが増えるほど処理速度が遅くなるという欠点があります。

Solanaは独自のコンセンサスアルゴリズム「PoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)」を採用することにより、トランザクションの高速化を実現。その処理速度の速さから「世界で初めてのウェブスケール・ブロックチェーン」を謳っています。

Solanaの特徴

Solanaは標準的なビザンチン将軍問題の解決を目指すProof of Stakeブロックチェーンですが、特筆すべきトランザクション処理能力を持っており、およそ200のノードで一秒あたり5万のトランザクションを行えるとしています。これは現CEOのAnatoly Yakovenko氏が2017年に提唱したProof of Historyという、信頼なきノード同士で時間を同期する手法の採用など、8つのイノベーションにより実現したものです。

8つのイノベーション

  • Proof of History (POH) — コンセンサスにおける時間同期。
  • Tower BFT — POHに最適化されたビザンチン将軍問題解決
  • Turbine — ブロックの伝搬プロトコル
  • Gulf Stream — Mempoolレスなトランザクションフォワードプロトコル
  • Sealevel — スマートコントラクトを並列で実行
  • Pipelining — 認証最適化のためのトランザクション処理ユニット
  • Cloudbreak — パラレルスケーリングのアカウントデータベース
  • Archivers — 分散型台帳保管

独自のコンセンサスアルゴリズム

Yakovenko氏によるとSolanaの最大の目標は「ネットワークが個々のノードのパフォーマンスに並ぶこと」であり、このためにはネットワーク内の通信を最適化することが必要不可欠です。

PoHはSolana独自の特徴で、通信の省略に大きく貢献します。時間をバリデータ間で同期させることにより、ネットワークの通信状態に関係なく、ネットワーク全体としては処理が進むことになるのです。これによって、Solanaのバリデータは通信を省略しながらもステーキングに参加することが可能になります。

Solanaのユースケース

Solanaはレイヤー1のブロックチェーンであり、イーサリアムのERC-20などの規格と同様に、SPLという規格を公開しています。相互運用性も確保されており、ERC-20とSPLトークンの交換も可能とするシステムも提供されています。イーサリアムの高騰しているガス代と比較するとSolanaの手数料は1トランザクションあたり0.00001ドルと低く抑えられており、様々なプロジェクトがSPLの採用を発表しています。SOLの高騰はこのような発表が背景にあるといえます。

USDT・USDC

Solanaの極めて高速な処理速度を利用するため、テザー社は20年9月、Solana上でのUSDTトークンローンチを発表しました。現在USDTの時価総額は4兆円を超えており、ステーブルコインとしては市場最大です。

関連:Solana、テザー(USDT)に対応開始

20年10月には、Circle社などが、米ドルペッグのステーブルコインUSDCがSolanaに対応することを発表。USDCにはイーサリアム、アルゴランド(ALGO)、ステラ(XLM)も対応しています。

関連:米ドルステーブルコインUSDC、高速ブロックチェーンSolanaを採用

DEX

イーサリアムより高速で、手数料が安いことに注目し、Solana上にDEX(分散型取引所)を構築する動きもあります。Serum(セラム)は暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが2020年7月に発表したDEX(分散型取引所)で、現在のDeFiの問題点の解消を目指しています。同じくSolana基盤のDEXであるRaydiumは、イーサリアム基盤の大手DEX、SushiSwapと統合することが発表されています。dApps開発においてもイーサリアムからSolanaに移行するケースが散見されるため、いずれイーサリアムに匹敵する、または取って代わるdApps開発プラットフォームになるとの見方も一部あります。

関連:FTX、分散型取引所Serumをローンチへ 採用した「Solanaブロックチェーン」の利点とは

イーサリアムとの相互ブリッジ「Wormhole」

20年10月、Solanaは、イーサリアムとSolanaを相互に接続するブリッジ「Wormhole」を発表しました。Wormholeは、イーサリアム(ETH)やERC20トークンをSolanaブロックチェーンのトークン規格であるSPLトークンへと接続。これによってイーサリアムネットワーク上のトークンはSolanaの処理の速さや低コスト性といった恩恵を受けられますが、いつでもイーサリアムネットワーク上に価値を戻すことも可能となっています。

関連:Solanaプロジェクト、イーサリアムのネットワークへ双方向に接続する「Wormhole」を発表

音楽ストリーミングサービス「Audius」

AudiusはSpotifyやLINE MUSICなどと似た、音楽ストリーミングサービスです。ユーザー数の増加に伴い、イーサリアムからSolanaへの一部移行を決定したと発表しています。ステーキングやガバナンスはイーサリアム上で行われますが、実際のストリーミングなどはSolanaで実行されます。また、Audiusは4月より、NFT(非代替性トークン)の展示が行えるサービス「Audius Collectibles」を開始しています。新サービスでは、画廊やギャラリーのように自分の所有するNFTを展示することが可能で、既に一部のアーティストが展示を行っています。

仮想通貨取引所AscendExで活用

関投資家を含む仮想通貨トレーダーに仮想通貨サービスを提供するAscendExが3月、USDTやUSDCなどの仮想通貨の入出金でSolana Program Library(SPL)に対応したことを発表しました。取引所のユーザーが、低コストかつ高速に送・受信できる仕組みを導入しており、対応銘柄はSRM、USDT、USDC、FIDA、MAPS、OXYの6銘柄です。

コインベースで新規上場

21年5月には、米大手取引所Coinbaseにて、Solana(SOL)が新規上場しました。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/02 土曜日
13:30
OpenAI、1.2兆円を資金調達完了 汎用人工知能に関する協議も
OpenAIが新たに1.2兆円の資金調達を完了。経常収益が急成長する中、汎用人工知能(AGI)達成後のマイクロソフトとの技術利用権について協議を進めていると伝えられる。
12:00
ジーニアス法成立、サークル株に対する影響と今後の展望は
ステーブルコインUSDCの発行元サークルが米国で上場し、株価は急騰後に一時300ドル近くまで上昇。GENIUS法案の追い風もあり注目を集めたが、その後は調整局面へ。本記事では株価動向、成長の可能性、リスク、そしてUSDCの仕組みやDeFiでの活用方法を総合的に解説する。
11:15
米シャープリンク、約1.5万イーサリアム追加購入
イーサリアムトレジャリー企業シャープリンクが7時間で14933ETH購入。6月以降46万4000ETH蓄積し未実現利益2億ドル以上を記録。
10:30
DeFi教育基金が米上院に提案、クラリティ法案の4つの原則とは?
仮想通貨業界団体DeFi教育基金が、米上院の「責任ある金融イノベーション法」に4つの重要原則を提案した。分散型金融と従来型仲介業者の区別などを求めている。
09:50
メタプラネット、最大5550億円相当の優先株発行を検討へ
メタプラネットは仮想通貨ビットコインの追加取得のために、発行可能株式総数の増加や永久優先株式の発行を臨時株主総会に付議することを決議。永久優先株式の発行額は最大5550億円である。
08:43
ビットコイン一時11万3000ドル割れ、トランプ新関税発表などで仮想通貨市場に売り圧力=CNBC
トランプ大統領の関税発表などを受けビットコインが3%下落し一時11万3000ドルを下回った。イーサリアムやXRP、ソラナなども下落。専門家は健全な調整と分析。
07:15
ベッセント財務長官、「仮想通貨黄金時代」宣言 
ベッセント財務長官が仮想通貨黄金時代の到来を宣言。トランプ政権が168ページの包括的報告書を公開し、ビットコイン戦略的準備金やDeFi規制緩和を明記。
06:45
英金融当局、10月から仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を解禁
英金融行為監督機構が2021年から禁止していた仮想通貨ETNの個人投資家向け販売を10月8日に解禁。FCA承認取引所での取引が条件、デリバティブ禁止は継続。
06:25
米SECの仮想通貨タスクフォース、全米10都市で巡回ラウンドテーブル開催へ
米SECのヘスター・パース委員率いる仮想通貨タスクフォースが8月から12月にかけて全米10都市を巡回。従業員10人以下の小規模仮想通貨プロジェクトとの対話を重視。
06:00
ストラテジーの「iPhoneモーメント」か、アナリストが目標株価を大幅引き上げ
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーの第2四半期決算を受け、ベンチマークとキャンター・フィッツジェラルドが目標株価を上方修正。新優先株STRCを「iPhoneモーメント」と評価し長期成長を予想。
08/01 金曜日
17:45
予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望
仮想通貨市場の未来について、現在もポリマーケットなどで予測が活発に行われている。本記事では、2024年に精度で注目を集めた予測市場が示す2025年後半の仮想通貨相場展望をまとめた。
16:30
韓国Four Pillars、Circle・a16z・S&P参加のTACにアジア初のリサーチ企業として加盟
韓国のFour Pillarsがアジアのリサーチ企業として初めてTACに参加。Circle、a16z、S&P Globalなど大手機関と共にトークン化資産の発展に貢献。仮想通貨市場の国際協力体制が強化。
13:45
9割の北米大企業CFOが仮想通貨利用を想定=デロイトQ2調査
デロイトの最新調査により、北米大企業の最高財務責任者の99%が、長期的に仮想通貨の業務活用を想定していることが明らかになった。投資や決済での利用をはじめ、サプライチェーン管理での利用が高く評価され、2年以内の導入に意欲を見せる企業も多い。
13:00
新構想「リーン・イーサリアム」とは? 今後10年の開発目標=ETH財団
イーサリアム財団リサーチャーが、今後10年の開発構想「リーン・イーサリアム」を発表した。特にトランザクション処理能力について野心的な目標を掲げている。
12:15
初心者・女性・大口が選ぶ|仮想通貨取引所のクチコミ人気ランキング
ユーザー基盤の大きい、ビットバンク・ビットフライヤー・GMOコイン・コインチェックのクチコミ500件を分析。初心者や上級者別に、おすすめの暗号資産(仮想通貨)取引所を比較しました。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧