CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨プロジェクトEnjin(エンジン)、エイベックス・テクノロジーズと提携 デジタルコンテンツ流通にNFTを活用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Enjinと国内大手エンタメグループ企業が提携

NFT(非代替性トークン)を中心としたプラットフォーム開発で知られるEnjin(エンジン)が、日本最大級のエンターテイメント・グループ「エイベックス」傘下のグループ会社、「エイベックス・テクノロジーズ(以下ATS)」と提携したことを5月12日に発表。ATSが提供する、デジタルコンテンツを対象としたNFT事業基盤「A trust(エートラスト)」と、Enjin開発の資産発行プラットフォーム「Enjin Platform」の連携に取り組むという。

この提携により、A trustで管理されているNFTを、Enjin Platformを通じてEnjinのエコシステム内へ移行させることにより、同NFTをEnjin Wallet(Enjin開発のウォレット)で管理し、Enjin Marketplace(Enjin開発のデジタル資産取引市場)にて販売できるようになる。

Enjinは今後、ATSの支援を受けながら、ATSおよび同社パートナー企業が管理するIP(知的財産)をEnjin Marketplaceで展開することや、CGキャラクターや楽曲を、Enjinが提携しているゲーム内で利用できるようにすることも検討しているそうだ。

NFTに特化したEnjinエコシステム

Enjinは、誰もが簡単にNFTを活用できるエコシステムを開発している企業だ。

Enjinのエコシステムでは、 NFT(ノンファンジブルトークン)を手軽に発行できるEnjin Platform、NFTや仮想通貨(暗号通貨)のシームレスな管理を可能にするEnjin Wallet、NFTの取引が可能なEnjin Marketplace、そしてQRコードを用いたNFTの配布が可能な「Enjin Beam」といった製品が展開されており、その取引の際にEthereumベースのネイティブトークン、エンジンコイン(ENJ)が利用されている。

関連:初心者でもわかるエンジンコイン(ENJ)とは|NFTゲーム業界との連携と将来性

Enjinの取り組み

Enjinは、NFTがより多くの人に利用される上での障壁の一つとして、ブロックチェーン間の相互運用性の改善を視野に入れている。この課題解決のため、NFTに特化した専用チェーン「Efinity」の開発や、韓国最大のゲーム特化型SNSとの提携などを通じ、NFTの一般層への普及を目指している。

関連:EnjinがNFT特化型のスケーリングソリューションを発表、ガス代削減に尽力

関連:Enjin(エンジン)が韓国最大のゲーム特化型SNSと提携、環境に配慮したNFT発行へ

また、Enijnはプラットフォーム開発や、他社がNFT発行をスムーズに実施するためのサポートに限らず、RPGの「The Six Dragons」や、SFアクションゲームの「AlterVerse」など、複数のブロックチェーンゲームタイトルも公開している。

今回の提携は、NFTの相互運用性をより促進するためのマイルストーンのひとつと捉えているという。

エイベックス・テクノロジーズとは

ATSとは、誰もがクリエイターになりうる現代において、「IPを生み出し、共創し、守り、届けるためのテクノロジーを開発し提供」することを目的としたエイベックスの子会社だ。最新のクラウド技術やブロックチェーン技術をエンタメ分野で活用することにより、新規事業の開発に取り組んでいる。

同社は21年4月に、NFT事業に本格参入することを発表した。

関連:「エイベックス」がエンタメにおけるクラウドとブロックチェーン活用の子会社を設立

関連:エイベックス・テクノロジーズ、デジタルコンテンツの「NFT」事業参入を発表

今回Enjin Platformとの統合が発表されたATSのプロダクト、「A trust(エートラスト)」とは、改ざん不可能なブロックチェーン技術を活用することにより、デジタルコンテンツに証明書を付与し、そのコンテンツの所有権を証明するサービスだ。

これにより、デジタルコンテンツ購入者は、証明書付きのデジタルコンテンツを所有できるようになり、新たな市場の創出が可能になる。所有権と同時に著作権も証明できるため、性質上コピーが容易なデジタルコンテンツの著作権保護にも役立つと考えられている。

A trustは、以下のような場面で有用になると見込まれている。

  • 確かな価値を持つデジタルコンテンツを創出:コピーが簡単なデジタルコンテンツでも証明書を付与することにより、数量を限定した販売が可能に
  • デジタルコンテンツの二次流通:所有者が明確なため、A trustと連携しているマーケットプレイスで二次売買が可能に
  • 音楽の版権管理、など

デジタルアセットの流通を促す契約システム

ATSは21年4月に、知的財産保有者が保有する権利を守りながら、デジタルコンテンツの流通を可能にするソリューション、「AssetBank」を、JCBI(ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ)のブロックチェーン上にプレローンチした。JCBIとは、日本のメディア・コンテンツ業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進のための企業連合コンソーシアムであり、現在、電通や朝日新聞など、15社が加入している。ATSは20年9月から加盟している。

関連:「コンテンツ業界のブロックチェーンコンソーシアム」電通やエイベックスなど4社が新加入

AssetBankとは、デジタルコンテンツの著作権等を一元的に管理するシステム。知的財産保有者は、楽曲・画像・イラスト・テキスト・3Dモデル・モーションデータなどのデジタルアセットを「AssetBank」に登録することにより、デジタルコンテンツの権利の所在を明確化し、その権利を活用してライセンスビジネスを行うことが可能だ。

また、AsssetBankに登録されたキャラクターのデジタルフィギュアをECショップ運営企業が販売したり、スマートフォンアプリ開発会社がそのデジタルフィギュアを使ったゲームを販売するなど、AssetBankに登録された正規のデジタルコンテンツを活用した商品販売も、将来的には可能になるという。

関連:エイベックス・テクノロジーズ、ブロックチェーン基盤の著作権管理システム「AssetBank」をプレローンチ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア