はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム大型アップグレード「ロンドン」、最新状況とマーケットの焦点を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アップグレードの中核はEIP-1559

7月下旬を目処に控えるイーサリアム(ETH)の大型アップグレード「ロンドン」では、5つのネットワーク改善提案(EIP)が実装されるが、中でも最も注目されているのが、手数料モデルの抜本的な変更提案であるEIP-1559だろう。

EIP-1559は、ネットワークの混雑や取引コストの高騰が問題となっていたイーサリアムの取引料金システムを改善する提案だ。現行のオークション方式から、ネットワーク全体で標準化された手数料が、アルゴリズムで設定される方式に変更される。手数料はプロトコルレベルで設定される基本手数料と、優先的なトランザクション承認のためにマイナーへ支払うチップの役割を果たす優先手数料の二つに分割される。

基本手数料は、焼却(バーン)される。

バーン(焼却)

バーンとは、仮想通貨の発行枚数を減らす行為。仮想通貨のバーンは、株式の「自社株買い」に近い供給量を減らす仕組み。バーンをすることで、流通する通貨の一枚あたりの価値が高まることになる。

▶️仮想通貨用語集

手数料体系が変更されることによって、イーサリアムユーザーも取引手数料の予測が容易になると考えられ、ネットワーク利用者の増加も期待されている。

マイナーは現在、ブロック報酬と同一ブロック内のトランザクションに対する手数料を受け取っているが、変更後はブロック報酬とチップという構成になる。マイナー報酬が大幅に減ることになるため、EIP-1559に反対するマイニングプールもあったが、来年にもプルーフオブステーク(PoS)へ完全移行するイーサリアムでは、マイニングの役割が終了するため、マイナーとしても変更を受け入れざるを得ない状況のようだ。

バーンがもたらす影響

基本手数料をバーンすることは、イーサリアムの供給量を減らし希少性を高めるため、その価格に好影響をもたらすと期待されている。現在、イーサリアムには発行上限が設定されていないが、2100万枚の発行上限を持つビットコイン(BTC)は、その希少性から価値の保存手段として広く認知されている。

イーサリアム開発企業コンセンシス(ConsenSys)のコミュニケーション担当ディレクターは、理論的には、取引件数が増加すればするほど、基本手数料のバーンがイーサリアム供給量全体に与えるデフレ圧力が大きくなると指摘している。

その結果、イーサリアムの供給量が減り、希少性が高まることが価値の上昇につながると考えられており、マイニング報酬が減るマイナーにとっても、最終的には、ある程度の損失分が補えるのではないかと予想されている。

テストネットの開始

ロンドンアップグレードは、すでに動き出している。最初のテストネットであるRopstenは6月24日に実施された。テストネットではバーンも実施されており、Ropstenテストネット始動後、1日で88,400ETHがバーンされたという。

その後、次の段階となるGoerliテストネットも、7月1日に開始された。

3番目となるRinkebyテストネットは、7月7日にブロック番号8,897,988で開始される予定だ。これらのネットワークでアップグレードの成功が確認された後、メインネットで起動するためのブロックが設定される。

関連:イーサリアム「ロンドン」アップグレード、今週テストネットで実装へ

「難易度爆弾」発動の延期

ロンドンアップグレードは、次世代チェーンのイーサリアム2.0へ完全移行するための重要なステップであり、EIP-1559以外にも、マイナーにPoSチェーンへの移動を促すため、「難易度爆弾(ディフィカルティボム)」の発動を、2021年12月1日まで延期する改善提案、EIP3554も含まれている。

イーサリアムにプログラムされている難易度爆弾は、マイニングをより困難にするもので、新たなブロックの採掘に時間がかかり、マイナーの収益性が下がる。難易度爆弾発動を遅らせ、ETH2.0のローンチにタイミングを合わせることで、マイナーがETH1.0のマイニングを止め、2.0の経済圏へと移動するインセンティブとする意図がある。

ETH2.0始動後もマイナーがETH1.0のマイニングを続けると、イーサリアムとイーサリアムクラシックのように、チェーンが分岐する可能性があるという。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/27 木曜日
17:20
モブキャストHD、ソラナ財団認定バリデータに選定 ステーキング運用規模を拡大
モブキャストHDがSolana財団の公式バリデータプログラムに採択。累計3億円・約1.1万SOLの取得実績が評価され、将来的には50万SOL規模の運用を目指す。
17:00
韓国大手取引所アップビット、約48億円の不正流出 全額を自社資産で補償へ
韓国最大の仮想通貨取引所アップビットがソラナネットワークで約48億円の不正流出を発表。24銘柄が流出も全額補償へ。ホットウォレットから未承認送金、入出金サービスは一時停止中。
15:07
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」、アブダビADGMが正式認定
中東での企業利用が加速へ リップル社は27日、同社の米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」が、アブダビ金融サービス規制庁(FSRA)により「法定通貨参照トークン」として正式…
14:02
Xapo Bank、ビットコイン信用ファンドの提供範囲を拡大
ジブラルタルのXapo Bankがビットコイン建て信用ファンドを全会員に拡大。初期段階で1億ドル調達。2022年の業界崩壊後、厳格なリスク管理で市場回復。長期BTC保有者向けに安定利回りを提供。
14:00
ビットコイン需要の低迷続く 市場は横ばいか=Glassnode分析
Glassnodeが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインの需要低迷を指摘した。新たな資金流入が回復するまで市場は狭いレンジで推移する可能性が高いと分析している。
13:55
タイ当局、サム・アルトマンのワールドコインに120万件の虹彩データ削除を命令
タイ個人情報保護委員会が、生体認証プロジェクトWorldに対し、仮想通貨と引き換えに虹彩スキャンデータを収集した行為が個人情報保護法違反として、120万件のデータ削除と業務停止を命令。世界各国でも同様の規制措置が相次いでいる。
13:35
世界取引所連合が米SECに書簡、仮想通貨企業への免除措置見直しを要請 トークン化株式に懸念
世界取引所連合が米証券取引委員会にトークン化株式を提供する仮想通貨企業への包括的な免除措置の見直しを求める書簡を送付した。ナスダックやCMEグループなどが加盟する同連合は、適切な規制遵守なしに仮想通貨プラットフォームが証券取引所の役割を果たすことへの懸念を表明。
11:10
「BTCが74000ドルまで下落しても転換社債に対する価値は5.9倍」ストラテジー
ストラテジー社は、仮想通貨ビットコインの価格が同社の平均購入価格である74,000ドルまで下落しても、転換社債に対して5.9倍の資産を保有していることになると投稿。債務の安全性を強調した。
10:30
韓国最大級仮想通貨取引所Upbit、ネイバーと合併 約1.5兆円規模の株式交換で傘下に
韓国IT大手ネイバーが仮想通貨取引所Upbit運営のドゥナムを1.5兆円規模で買収。韓国国内シェア7割超のUpbitとネイバーペイを統合し総合デジタル金融エコシステムを構築。2025年6月の合併発効を目指す。
10:15
BTCマイナーのクリーンスパーク決算発表、売上高が過去最高に AIインフラを拡大中
ナスダック上場のビットコインマイナー、クリーンスパークが決算報告。過去最高の売上高を記録した。AIとビットコインの両ワークロード対応の包括的プラットフォームへ進化中だ。
09:55
ソラナ特化型ウペクシが最大35億円調達、SOL財務戦略などに利用
ナスダック上場のウペクシが普通株式とワラントの私募により最大2300万ドルを調達すると発表した。調達資金は仮想通貨ソラナ財務戦略と運転資本に充てられる予定だ。
08:45
セキュリタイズがEU取引決済システム認可を取得、アバランチで展開へ
セキュリタイズがスペイン国家証券市場委員会からEU全域での取引決済システム運営認可を取得した。同社は米国とEUの両方でライセンスを持つ唯一の企業となり、欧州システムはアバランチ上に展開される。
08:00
S&P、USDTのドルペッグ能力を最低評価に引き下げ
S&Pは、テザー社の米ドルステーブルコインUSDTに対する評価を最も低い「5」に引き下げた。仮想通貨ビットコインを準備資産として保有する割合などに触れ、判断の根拠を説明している。
07:02
大口投資家の売りが加速、ビットコイン平均入金額が1年ぶりの高水準に=クリプトクアント
クリプトクアントが報告したデータによると、ビットコイン価格が8万ドルまで下落した後、大口トレーダーによる取引所への送金が増加している。最近では9000BTCが送金され、その45%が100BTC以上の大口入金だった。
06:25
ビットワイズのドージコインETFも取引開始、グレースケールに続く
ビットワイズがドージコインETFの取引を米ニューヨーク証券取引所で開始した。管理手数料は0.34%で最初の1カ月間は資産5億ドルまで免除され、グレースケールとREX-オスプレイに続く3番目のドージコインETFとなる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧