はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインの先行きと展望について、各分野有識者らの見解は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

有識者の見解は

消費者向けの英比較サイト「Finder」は15日、ビットコイン(BTC)価格の現状と今後の展開について、暗号資産(仮想通貨)業界の有識者42人の意見をまとめたレポートを発表した。

「2021年ビットコイン価格予想」と題したレポートでは、現在の市場についての考えや中長期的な価格予想、またビットコインが法定通貨に代わる可能性などについて、仮想通貨企業の経営者をはじめ、投資アナリスト/ストラテジスト、データサイト責任者、学者など多彩な背景を持つ、各分野の専門家パネルのアンケート結果をまとめた。

BTC価格について

まず、現在のビットコイン価格については、61%が過小評価されていると回答。15%は妥当、24%は割高と評価した。専門家パネルの2021年末の価格予想平均は、1BTC=66,284ドル(約729万円)という結果となったが、同パネルにおける昨年12月時点の予測平均より28%高く、今年4月時点の予測平均よりも30%低い。

価格予想は、2万ドル(約220万円)という最も弱気なものから、16万ドル(約1,760万円)という非常に強気なものまで大きな幅がある。弱気予想を示した豪キャンベラ大学のJohn Hawkins上級講師は、ビットコインを法定通貨として採用したエルサルバドルの動きが、価格にマイナスの影響を与えると分析した。

一方、強気予想をリードしたのは、取引プラットフォームMorpherのCEO、Martin Fröhler氏だ。企業や機関投資家の参入、そして「無責任な金融政策」と資産インフレが相まって、ビットコインはドル建てで6桁(10万ドル、1000万円台)に達すると予想した。

なお、現在のビットコイン市場が「弱気相場であると判断したのは17%に留まり、62%は「弱気相場とは言い切れない」と回答した。一方で、21%は「不確実な状況にある」と見ている。

テクニカルとは

テクニカルとは、チャートの値動きを分析することでトレンドを判定、投資判断に活かす分析方法

▶️仮想通貨用語集

ビットコインの底値予想

レポートでは、年内のビットコイン底値についての予想にも触れている。関係者23人の予想平均は25,112ドル(約276万円)で、最低予想価格は15,000ドル(約165万円)だった。

最も悲観的な予想をしたのは、西オーストラリア大学のLee Smales准教授とMarketOrdersのCOO、Sukhi Jutla氏の2名だった。

Jutla氏は、英FCA(金融行動監視機構)が大手取引所バイナンスの英国での事業禁止を発表するなど、仮想通貨を取り巻くネガティブなニュースが、投資家センチメントにマイナスの影響を及ぼすと述べている。Smales氏は、規制強化や中央銀行デジタル通貨(CBDC)の進展などをその理由とした。

関連:仮想通貨取引所バイナンス、イタリアも警告

平均値よりも高い3万ドル(約330万円)を底値と予想した、Trade the Chain のリサーチアナリストであるNicholas Mancini氏は、中国からのマイナー流出は機関投資家にとってもネガティブだったと分析。一方、中国情勢が悪材料出尽くしとなれば「ビットコイン市場が改善に向かう可能性がある」と述べた。

一方米著名投資家David Tice氏は、現段階で株式や暗号資産(仮想通貨)ビットコインに投資するのは「非常に危険な局面」だと主張している。米メディアCNBCのインタビューで見解を述べた。

Tice氏は、1996年にPrudent Bear Fund(BEARX)を設立し、2008年に売却した。強気市場でも慎重な投資をすることで知られており、現在は米国株式市場の下落から利益を得るように運用されるAdvisor Shares Ranger Equity Bear ETFのアドバイザーも務めている。

現時点でS&P500などの株式、ビットコインに投資することに対して警告を発したTice氏によると「金融市場は、将来の収益性の点から極めて過大評価されており、正確な時期は予測できないものの、今後市場が大きく後退することは避けられない」。

同氏はビットコインが1マンドルの時点でポジションを保有していたが、6万ドル以降は強い過熱感を感じたという。各国の中央銀行や、国際決済銀行などが規制面で声を上げていることもあり、現在、ビットコインを保有することは危険だと考えている。

関連英中銀総裁「デジタルマネーは公益に合致するかどうか評価すべき」

将来的な価格予測

レポートでは、2025年と2030年の価格予想も掲載している。

専門家パネルは、中期的な価格下落はあるものの、2025年末にはBTC価格が31万8,417ドル(約3,500万円)になるとして、概ね楽観的な見通しを示している。この数字は昨年12月の予測よりも61%高く、今年4月時点の予測より12%低い。

2030年末の価格予想の平均価格は、極端なアウトライヤー(外れ値)により約428万ドル(約4.7億円)となったが、中央値は47万ドル(約5,170万円)という結果になった。回答者の多くは、ビットコインの半減期とインフレがビットコイン価格の大幅な上昇の要因となると考えており、ビットコインの普及率が上がることで、実用性や需要にも大きく影響してくるとしている。

BTCは法定通貨に代わり得るか

エルサルバドルを例に、「将来的にビットコインが法定通貨に代わる役割を果たすようになるか」という質問に対する回答は、大きく分かれている。

決してそうならないと答えたのは44%。一方、(実現時期は異なるものの)いずれビットコインが世界金融の中心となると考えているのは、合計54%とにも上った。内訳は以下の通り。

  • 2101年以降:2%
  • 2050年まで:5%
  • 2040年まで:20%
  • 2035年まで:15%
  • 2030年まで:10%
  • 2025年まで:5%

一方、発展途上国におけるビットコイン普及に限定すると、専門家の55%はビットコインが法定通貨となると考えており、33%は今後10年以内に実現するだろうと回答。実現しないと回答したのは33%で、12%はわからないと答えている。

すでにビットコインを法定通貨として採用することを決定した中米エルサルバドルに注目が集まっているが、Coinmama社CEOのSagi Bakshi氏は、同国のユースケースが「イノベーションと急速な普及の貴重な例となることを確信している」と言及。また、他の専門家も新興国がビットコインを採用するトレンドは、今後、ますます勢いづいていくと予測した。

関連:エルサルバドル、全国民に30ドル相当のビットコインを無料配布へ

しかし、エルサルバドルの決断には、国際通貨基金(IMF)が懐疑的な態度を示し、世界銀行がビットコイン導入に向けた技術支援を拒否するなど、その前途は決して平坦なものではない。

直近では、国連のラテンアメリカ・カリブ経済委員会の事務局長が、同国はビットコインのもたらすリスクについての理解が不十分であるとの見解を示し、特にマネーロンダリングやテロ資金供与問題で、金融活動作業部会(FATF)から、何らかの介入を受ける可能性が高いとした。

関連:国連の地域委員会、エルサルバドルのビットコイン採用を懸念

日本政府は、ビットコインを資産決済方上の外貨としてではなく、暗号資産に該当するとの見解を示している。

関連:日本政府、ビットコインを外国通貨と認めず エルサルバドルの法定通貨化受け

CoinPost App DL
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:15
DeFiトレード最適化のDEXアグリゲーター、Odosが果たす重要な役割を解説
DEX取引における価格影響やスリッページなどの課題に対し、DEXアグリゲーターはどのようなソリューションを提供しているのか。Odosを例に、高度なルーティングアルゴリズムと900以上の流動性ソースを活用した最適化の仕組みや、DeFi取引の効率化における重要性を解説。
17:00
米パンテラキャピタル「トランプ大統領の就任は仮想通貨相場の事実売りにはならない」
米仮想通貨VCパンテラがトランプ氏大統領再選の市場への影響はこれからだと分析している。2025年の市場予測も公開した。
12:38
米運用大手キャピタル、メタプラネットの株を5%取得
仮想通貨ビットコインに投資するメタプラネットのトップは、米資産運用大手キャピタルがメタプラネットの株を5%取得したと発表。金融の未来の構築において支援を受けるとした。
12:30
大統領令の思惑でビットコイン反発、XRPは前週比12%の逆行高
ビットコイン市場は米長期金利上昇で一時9万ドル割れも、トランプ新政権の暗号資産関連大統領令への期待感から反発した。一方XRPは主要通貨が軒並み下落する中で前週比約12%上昇している。1月15日のSEC控訴審陳述書提出にも注目が集まる。
11:15
Astar、Soneiumと連携で仮想通貨ASTRの活用拡大へ
StartaleグループのAstarが、Sony BSLが開発したレイヤー2ブロックチェーン「Soneium」のローンチパートナーとして参画。イーサリアムエコシステムへの本格進出を開始し、ASTRトークンの活用範囲拡大を通じてweb3の大規模普及を目指す。
11:10
Soneiumメインネットが正式始動 ソニーのWeb3エコシステム展開へ
ソニーがSoneiumメインネットを公開し、Web3技術でクリエイター支援とファンエンゲージメントを強化。SNFTやS.BLOXが展開する新たなエコシステムの可能性を探る。
11:06
トランプ新政権、初日に仮想通貨関連の大統領令を発令か=報道
米国のトランプ次期大統領が就任初日に仮想通貨関連の大統領令を発令する方針と伝えられる。SEC会計公報SAB121の廃止などを検討しているとされる。
10:45
「仮想通貨のトランプ相場は終了の可能性」CoinShares分析
仮想通貨投資企業CoinSharesは、現在の仮想通貨市場はマクロ経済の影響を受けやすくなっていると指摘。米大統領選トランプ氏勝利による強気相場は終了した可能性があると述べている。
09:45
自民党WG、暗号資産規制の見直し議論 法的論点を整理
自民党デジタル社会推進本部のweb3WGが暗号資産規制の見直しを検討。資金決済法と金商法の関係性など法的論点を整理。投資家保護と国際的な規制整合性を踏まえた制度設計について、河合健氏、白石陽介氏らJCBAメンバーが意見を交換。規制改革の方向性に関心が集まる。
09:28
米長期金利上昇でビットコイン一時9万ドル割れ、新政権の政策がカギに|仮想NISHI
ビットコイン(BTC)相場は、ロシア政府の売却報道と米長期金利上昇で一時9万ドル割れも、トランプ政権のビットコイン関連大統領令報道で急回復した。デリバティブ市場主導の展開でボラティリティ拡大する中、20日のトランプ大統領就任後の政策が注目される。
01/13 月曜日
23:13
米マイニング企業CleanSpark、ビットコイン保有量1万BTCを突破 
米マイニング企業CleanSparkのビットコイン保有量が1万BTCを超え、前年比236%増を達成。米国内の施設拡大と効率的なマイニング運営により、創業4年で2万BTCのマイニング成功という節目にも到達するとともに、さらなる戦略的目標の実行に向けて、1,000億円規模のゼロクーポン転換社債発行も完了した。
13:00
ビットコイン現物ETFの上場承認から1周年 累計取引高は100兆円規模に
米国ビットコイン現物ETFが運用開始1年で累計取引高が約104兆円を超えた。専門家が今後の見通しなどを語っている。
12:27
シンガポール政府、予測市場ポリマーケットへのアクセス制限
シンガポール政府が仮想通貨を入金して取引できる予測市場ポリマーケットへのアクセスを制限した。違反者には罰金などの可能性もある。
01/12 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコイン急落やAIエージェントの新規上場
時価総額上位の仮想通貨ビットコイン、イーサリアム、XRPなどの価格変動と関連ニュースをまとめている。ビットコインの米司法省とロシア政府による売却懸念、イーサリアムのフィデリティによる2025年展望分析、XRPのChainlink提携、新興銘柄SEIの国内上場、AIエージェント関連銘柄の上場など。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米司法省へのBTC売却許可に高い関心
今週は、米司法省に与えられた1兆円相当のビットコイン売却許可、フィデリティの仮想通貨相場分析、リップル社幹部とドナルド・トランプ次期大統領との会談に関するニュースが最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧