はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

マイクロソフト、海賊版対策にイーサリアムブロックチェーン利用を検討

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

海賊版防止に報償金

米IT最大手マイクロソフトの研究部門が、違法コピーなどの海賊行為防止対策として、ブロックチェーン基盤の報償金システム「Argus」を提案した。

「Argus:著作権侵害対策のための完全な透明性を持ったインセンティブシステム」と題された論文は、マイクロソフト・アジア研究所が執筆したが、中国アリババグループとカーネギーメロン大学の研究者からの意見も取り入れているという。

著作権侵害を報告することで報償金が得られるシステムだが、イーサリアムブロックチェーンを使用することで、透明性と実用性、安全性を確保すると同時に、システムの悪用やエラーを制限する仕組みが組み込まれている。

関連イーサリアム(ETH)、バーン量は1週間で117億円相当に

透明性の欠如が問題

論文では、効果的な著作権侵害対策の中核は「信頼性の高い報告」だが、現在、ソフトウェア産業団体や企業が行っている防止キャンペーンの手法は「透明性に欠けるため、効果が疑問視されている」と指摘した。

実際、マイクロソフトが設立に貢献し、所属している業界団体BSA(ソフトウェア・アライアンス)が著作権侵害対策の一環として行っているソフトウェア監査には、対象となった数々の企業側から苦情が寄せられ、訴訟に発展したものもある。また、不満を持つ従業員に、所属企業の著作権侵害を告発するよう勧める手法なども批判されている。

論文の執筆者らは、「偽りのない動機付けをしたいならば、防止活動には完全な透明性が必要だ」と主張している。

BSAとは

ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(Business Software Alliance)として、1988年に米国で設立されたソフトウェア業界団体。ソフトウェアの著作権の保護支援および啓発活動を行う。ワシントンDCに拠点を置き、30か国以上で活動を展開。2012年にソフトウェア・アライアンスに改名。

▶️仮想通貨用語集

Argusの取り組み

Argusプロジェクトで、研究者がまず取り組んだのは、著作権侵害を摘発する関係者の利害関係や、関連企業の目的を明確に規定すること。現在、海賊版防止システムの設計や評価の枠組みは存在しないと指摘し、次のように述べた。

我々の研究が生んだ最も重要な価値は、Argusシステムそのものよりも、その設計と実装に至るまでのアプローチだ。

まず、様々な役割の利益を提示し、「信頼される役割」を設定することなく、いずれの役割にも完全な透明性を確保するという目標を明確に設定。すると、全ての設計要件が自ずと明らかになったという。これらの設計要件に基づき、一般的に有効なソリューション形式を「発明する」のではなく、論理的に推論することができたとという。

技術的な問題には、暗号方式の適応や契約コードの構築、パフォーマンスの最適化で対処し、克服したと説明している。

匿名で報告可能

Argusシステムでは、人々が匿名で著作権侵害行為を報告し、報償金を得ることができるようになっている。海賊版のコンテンツは、シークレットコードに対応した固有の電子「透かし」によって、そのソースまで追跡される。海賊版が報告されるとソース(ライセンス保持者)のステータスが「容疑者」に変更される。「容疑者」は不服申し立ても可能だが、申し立てが却下された場合、ステータスは「有罪」となる。

また、Argusシステムには、著作権侵害コンテンツの報告には「リークの証明」という仕組みが導入され、情報が保護されるようになっている。システムの悪用を防ぐため、同一の海賊版については、一人の報告者から一度限り報告できるセーフガードが導入されている。

イーサリアムブロックチェーンを利用するため、通報にかかるコストが気になるところだが、暗号操作を効果的に最適化することで、約14の簡単なトランザクションと同等のコストまで削減できたと研究者は説明した。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/16 土曜日
13:45
トランプ一族支援のアメリカンビットコイン、日本・香港企業買収を検討
ドナルドJrとエリック・トランプ氏が支援する米仮想通貨マイニング企業アメリカンビットコインが、日本と香港の上場企業買収を検討中。マイケル・セイラー氏の戦略に倣い企業財務でビットコイントレジャリー企業を目指す。
13:18
仮想通貨取引所ジェミナイがIPO届出書公開 リップル社からの信用枠も設定
米仮想通貨取引所ジェミナイがナスダックへの上場申請書類を公開した。2025年上半期は純損失が拡大も、リップル社から信用枠も確保している。
11:20
ニューヨーク州議員、仮想通貨取引に0.2%課税法案を提出
ニューヨーク州議会のフィル・ステック議員が仮想通貨取引に0.2%の物品税を課す法案を提出。ビットコインやNFT取引が対象で年間1億5,800万ドルの税収を見込む。
10:15
米司法省、ランサムウェア攻撃容疑者から約4億円の仮想通貨を押収
米司法省がランサムウェア攻撃容疑者から280万ドル超の仮想通貨を押収した。トランプ大統領のビットコイン・仮想通貨準備金政策により、政府が備蓄資産に加える可能性もある。
09:50
ヒューマファイナンス、Eコマース販売者向け当日決済ソリューションを発表
ソラナ基盤のPayFiネットワークを運営するヒューマファイナンスがArf、Geoswift、PolyFlowと提携し、世界大手Eコマースプラットフォーム販売者向けの即時決済サービスを開始。
08:10
ETH財務企業ビットデジタル、25年2Qに黒字転換
ビットデジタルは2025年2Qの決算を発表。仮想通貨イーサリアムの保有量やステーキング量も報告し、今後もイーサリアムの買い増しを継続すると説明した。
07:30
DeFiデベロップメント、ソラナ保有量387億円相当に拡大
ソラナ特化型財務戦略企業DeFiデベロップメントが2200万ドルで11万SOL追加取得。総保有量142万SOLで1株あたり0.0675SOLに増加。
06:30
ビットマイン、186億円相当イーサリアムを追加取得
ETHトレジャリー企業ビットマインが過去2時間でギャラクシー・デジタルのOTCアドレスから大口ETH移転を受領。総保有量120万ETHから拡大継続。
06:00
イーサリアムトレジャリー企業シャープリンク、四半期決算で大幅赤字
仮想通貨イーサリアム財務戦略企業シャープリンク・ゲーミングが第2四半期決算で大幅赤字。ETHステーキングに関する8780万ドルの非現金減損が損失の大部分を占める。
05:35
米FRB、仮想通貨監督の特別プログラムを終了 トランプ政権の規制緩和受け
米連邦準備制度理事会が2023年開始の仮想通貨・フィンテック特別監督プログラムを終了し、通常監督へ統合。トランプ政権の規制緩和方針が牽引。
08/15 金曜日
19:30
スイ(SUI)2025年の価格予想と成長の鍵|リスク・注目点は?
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の2025年価格予想や将来性を徹底解説。VanEckの16ドル予測、現物ETF申請、技術的特徴、投資リスクまで網羅。国内取引所比較や最新エコシステム情報も掲載。
17:21
Base Appとは?コインベースのWeb3アプリの使い方を徹底解説
CoinbaseのBase Appの特徴、始め方、エアドロップの可能性を詳しく解説。Web3スーパーアプリとして進化するBase Appで、ソーシャル・決済・DeFi機能を一つのアプリで体験。国内取引所からの送金方法も完全ガイド。
16:00
TRON創設者ジャスティン・サンが語るWeb3の未来|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、TRONのジャスティン・サン(Justin Sun)独占インタビュー。80億人の金融自由実現に向けたビジョンと、日本のWeb3市場への期待、WebX 2025参画について聞く。
16:00
xStocksとは?仕組みと活用例をわかりやすく解説
xStocks(エックスストックス)はAppleやTeslaなど米国株をブロックチェーン上でトークン化し、24時間365日取引可能にした革新的サービス。DEXでの購入方法、リスク、税務上の注意点まで初心者向けに詳しく解説します。
14:20
コインベース、メタマスクユーザーのUSDC手数料をBase上で半額に 
米大手取引所コインベースは、決済プラットフォームMercuryoと提携し、MetaMaskユーザーのUSDC購入手数料を50%削減する。また、USDCを発行するCircle社はステーブルコインに特化したL1ブロックチェーンの開発計画を発表。USDCのエコシステム拡大につながると期待されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧