はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨狙う北朝鮮のサイバー攻撃が急増=米マイクロソフトレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシアが最多

米マイクロソフトは7日、サイバー攻撃の記録をまとめた年次報告書「Digital Defense Report」を公表した。

報告書によると、北朝鮮による、暗号資産(仮想通貨)を狙ったサイバー攻撃が2020年から急増している。

サイバー攻撃の手口

2020年7月から2021年6月までの期間にマイクロソフトが観測し、出所を特定したサイバー攻撃の内訳では、最多がロシアで58%、北朝鮮が23%、イランが11%、中国が8%と続く。マイクロソフトは報告書の中でこれら4つの国を「サイバー攻撃犯罪ビッグ4」と位置付けている。

また、昨年10~12月の期間のみに絞ると、同社のサイバー攻撃監視システムのアラームが鳴ったのは半分以上が北朝鮮からの攻撃によるものだったという。

報告書は、北朝鮮は国連による経済制裁に苦しむ中、新型コロナウィルスの感染拡大によりさらに窮地に陥っており、何としても資金を確保しなければならない状況にあると指摘。仮想通貨・ブロックチェーンのスタートアップを装い、仮想通貨関連の企業にフィッシングメールを送りつける手口を使った攻撃を多用していたという。

また、セキュリティ会社を装って虚偽のIDを長期間使用し、世界のセキュリティ専門家に接近を試みていたこともわかった。これは以前には見られなかった新たな手口だという。

北朝鮮には複数のハッカー集団が存在しているが、同社はそれぞれに元素記号をつけて管理している。「タリウム」の主な標的は外交官や研究者、「ジンク」は公共企業体、一般企業、民間のシンクタンクを標的としている。また、「ジンク」や「セリウム」は各国の製薬会社やワクチン研究機関への攻撃を狙っている。

標的

サイバー攻撃の対象として、最多は米国(46%)、続いてウクライナ(19%)、英国(9%)と続き、日本は3%となっている。

2位にウクライナが入っているのは、最もサイバー攻撃を行っているとされるロシアによるクリミア侵攻が背景にあるようだ。

また、サイバー攻撃の対象となった業界を見ると、小売り(13%)、保険/金融(12%)、製造業/農業(12%)、政府/政府間組織(11%)、ヘルスケア(9%)、教育(7%)と、多岐に渡っていることがわかる。

報告書は次のように締めくくっている。

国家は、スパイ、混乱、破壊など政治的目的が何であれ、益々サイバー攻撃を使い続けるだろう。より多くの国が攻撃的なサイバー作戦に従事するリストに加わらない限り、サイバー犯罪を行う国々はより勇敢に永続的に損害を与えるようになる。

サイバー犯罪は、私たち全員がそれらを阻止するために仕事を進化させない限り、より洗練され、より専門的になり続ける。

これらの懸念に対抗するために今後数年間、国内および国際的な議題のトップに挙げ続けなければならない。

ロシアと北朝鮮

ロシアや北朝鮮によるサイバー攻撃はこれまでも再三問題視されてきた。

最近の事例で言うと5月、アメリカ最大規模の石油パイプラインを運営するコロニアル・パイプライン社はランサムウェア攻撃を受け、パイプラインの稼働を一時的に停止した。この攻撃は 「DarkSide」というチームが提供するサービスを使って行われたが、これについてはロシア語圏のエンジニアが開発およびサービス提供を行っているとみられる。

7月にはロシア系と見られる犯罪集団「REvil」は、米IT企業カセヤが法人向けに提供しているソフトウェアにランサムウェア攻撃を行い、7,000万ドル(約77億円)の身代金をビットコイン(BTC)で支払うように求めていることが分かった。

関連:77億円の身代金をビットコインで要求 ロシア系犯罪集団、米IT企業へのサイバー攻撃で

こうした問題を受け、6月に開催された主要7か国首脳会議(G7サミット)の共同宣言に、ランサムウェア攻撃や身代金のマネーロンダリングについて、ロシアに対応を求めることが明記された。暗号資産(仮想通貨)の利用についても要項で記載された。

関連:G7、サイバー犯罪でロシアに対応求める

また、バイデン米大統領はG7閉幕後、米露首脳会談でサイバーセキュリティや一部仮想通貨を用いるランサムウェア攻撃について議論を交わした。

北朝鮮の事例で言えば、今年2月、国連安全保障理事会に送られた報告書によると、北朝鮮が2019年から2020年11月までに、推定約3億1640万ドル(約330億円)の仮想通貨を不正取得していたことが判明。北朝鮮と関連するサイバー攻撃者が、大量破壊兵器と弾道ミサイルプログラムの資金を調達するために、2020年も金融機関や仮想通貨取引所に対して攻撃を続けていることがわかったと述べた。

関連:北朝鮮、約2年間で330億円相当の仮想通貨を不正取得か 国連専門家が言及

2020年には北朝鮮政府が支援するとみられるハッカー集団、「ラザルス(Lazarus)」が、日本を含む6カ国に大規模なフィッシング詐欺を計画していることがわかった。500万人以上を標的に、新型コロナウィルス感染症の経済支援を行う政府機関を装い、フィッシングメールを送付する手口だったという。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
03/31 月曜日
17:51
SBI VCトレード、gumi株主向けにビットコイン1,600万円分を抽選配布キャンペーン
SBI VCトレードがgumi株主向けに総額1,600万円相当のビットコインを抽選配布する。口座開設とエントリーで参加可能な注目の株主優待キャンペーン。
15:07
イーロン・マスク、連邦政府DOGE省と仮想通貨ドージコインの関連性を否定
イーロン・マスク氏が米ウィスコンシン州のタウンホールミーティングで、トランプ政権の連邦政府効率化局(D.O.G.E)と暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)の間に関連性はないと明言した。今年2月のドージコインのマスコット表示で生じた市場の思惑は誤りだったことが改めて確認された。
14:10
メタプラネットがビットコイン購入へ 総額20億円の第10回普通社債を発行
株式会社メタプラネットは総額20億円の第10回普通社債を発行し、調達資金をビットコイン追加購入に充当。24日時点の保有量は3,350BTCとなり、積極的な買い増しを継続する方針だ。
13:03
米バンカメ「貿易戦争の資産逃避先ではゴールドが圧倒的優位」
バンク・オブ・アメリカのファンドマネージャー調査で、トランプ関税を背景とした貿易戦争時の避難資産として、金(ゴールド)が仮想通貨ビットコインより圧倒的に好まれていた。投資家の避難先として注目されているのが、パクソス社が発行するPAXG(Pax Gold)やテザー社が発行するXAUT(Tether Gold)、国内では三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行するジパングコイン(ZPG)がある。
11:16
仮想通貨市場など全面安 命運を左右するトランプ関税発表が4月2日に迫る
4月2日に迫るトランプ米大統領の関税発表が株やビットコイン(BTC)市場に大きな不確実性をもたらしている。著名投資家は今年最大の市場イベントと位置づけ3つのシナリオを提示した。一方、ピーター・ブラントはビットコイン(BTC)の65,600ドルへの下落リスクを警告している。
09:51
金融庁、仮想通貨のインサイダー取引規制導入か 「金融商品」に分類する法改正案提出へ=報道
日本経済新聞の報道によれば、金融庁が2026年を目途にビットコインなど仮想通貨を金融商品とする金商法改正案を提出予定。暗号資産(仮想通貨)のインサイダー取引規制も新設する見込み。
03/30 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米州政府や企業のBTC投資動向やリップル社のSECへの追加上訴撤回など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次市況:1300万円台で揉み合う展開と今後の見通し|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏による週次分析。トランプ政権の相互関税懸念と米経済指標の動向を背景に、1300万円台で揉み合うビットコイン相場。現物ETFへの資金流入が続く中、今後の展望を詳細に解説
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ関税の影響分析に高い関心
今週はSBI VCトレードによるステーブルコインUSDCの取引開始、トランプ関税の影響分析、世界最大級のオンライン証券会社によるトランプ氏言及の仮想通貨4銘柄追加に関するニュースが最も関心を集めた。
03/29 土曜日
13:45
イーサリアム創設者ヴィタリック、L2セキュリティの進化と「2-of-3」証明システムを提案
ヴィタリック・ブテリン氏が新たなブログで、L2セキュリティの現状と将来展望を公開。ブロブスペース拡張、ZK・OP・TEEを組み合わせた「2-of-3」証明システム、証明集約レイヤーの必要性について詳細に解説。
12:55
南カロライナ州で新たにビットコイン準備金法案提出 対コインベース訴訟取り下げも
米国サウスカロライナ州が、コインベースへのステーキング関連訴訟を取り下げた。また同日には州がビットコインなど仮想通貨の準備金を持てるようにする法案が提出されている。
10:45
ブラックロックのビットコインETFを保有、トランプ大統領の息子が顧問の米上場企業
米ドミナリ・ホールディングス社がビットコイン保有戦略を開始し、ブラックロックのETFを購入。機関投資家の仮想通貨投資最新動向は。
10:00
欧州保険・年金機構(EIOPA)、保険会社が仮想通貨を100%裏付ける義務提案
EIOPAが保険会社の仮想通貨保有に100%の資本要件を提案。高リスクに対応するためとしている。欧州では特にルクセンブルクで保険会社の仮想通貨エクスポージャーが確認されている。 。
09:30
SEC、イーロン率いる政府効率化省(DOGE)と連携開始
米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)との連携を開始。トランプ政権下での規制機関改革と仮想通貨政策転換の最新動向を解説。
08:30
ビットコイン80万円下落、BTCメジャーSQ通過で需給悪化|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは前日比で一時80万円の下落となった。アルトコイン市場も、ビットコインの急落に連動するかたちでほぼ全面安の展開となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧