CoinPostで今最も読まれています

日米欧30カ国、ランサムウェア対策で共同声明 中露を念頭

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

30カ国が共同声明

米ホワイハウスは14日、日本を含む欧州など30カ国・地域が参加したランサムウェア攻撃対策のための会合において、各国が協力していくことを柱とした共同声明を発表した。

ランサムウェア攻撃を仕掛ける中国とロシアを念頭に、是正を目指していく方針だ。この共同声明に両国は含まれていない。

米国はロシアの不参加について質問されると、バイデン米大統領とプーチン露大統領が2021年に設立した米露専門家グループを通じて、すでに同国と直接コミュニケーションを取っていると回答したという。

ランサムウェア攻撃とは

企業などのコンピュータを強制的にロックしたり、中にあるファイルを暗号化したりして、元の状態に戻すことと引き換えに身代金を要求する攻撃。身代金の支払いにおいてBTCなどの仮想通貨が利用される事例が多発しており、各国政府はサイバー対策を迫られている。

▶️仮想通貨用語集

「ランサムウェアのビジネスモデルを撲滅」

会議には米国からサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、日本からは高橋憲一官房副長官補が出席。その他、欧州連合(EU)や英国、カナダ、オーストラリア、ブラジル、韓国などの閣僚らも参加した。

共同声明では、ランサムウェア攻撃に対処するためには各国の連携が必要であるとの認識を示している。

ランサムウェアの脅威を発見し、防いでいくためにはグローバルパートナーやプライベートセクター、民間組織、一般市民のレジリエンス(回復力)にかかっている。インシデントを防ぐにはネットワークのレジリエンスを高める必要があり、インシデントが発生してしまった際には効果的に対処しなければならない。

法執行当局がランサムウェア攻撃者の調査、起訴で協力し、ランサムウェアのエコシステムを破壊する。ランサムウェア犯罪者の隠れ場所に対処するほか、外交的な取り組みも継続する。

ランサムウェアのビジネスモデルを撲滅するには、身代金の支払いとその後のマネーロンダリングで使用される主要な手段である仮想通貨の犯罪利用によってもたらされる違法な金融リスクに協調して対処していくことが必要だ。

各国が協力してランサムウェアのビジネスモデルを撲滅していくことで一致。具体策としては、各国の規制当局、「金融インテリジェンス部門」や法執行当局などが仮想資産の悪用を規制、監視、調査していくための当局の能力を強化することを挙げた。

また、上記で言及されている「ランサムウェア犯罪者の隠れ場所」とされているのは中国やロシアなどの国であり、これらの国々に対して外交的な圧力をかける方針を示した。

米国、ランサムウェア対策に本腰か

最近、米国でランサムウェアを巡る動きが活発化している。

米バイデン大統領が1日、サイバー攻撃に立ち向かうための大規模な取り組みの一環として、『サイバーセキュリティ月間』を開催し、30か国を招集する計画を明かした背景がある。仮想通貨の不正使用の阻止についても項目の一つに挙げている。

関連:非代替性トークンNFTとは|主な特徴と将来性を解説

また、8日には米ホワイトハウスがランサムウエアなどのサイバー攻撃に対処するために、仮想通貨市場の幅広い監視を検討していると、米国家安全保障会議(NSC)の報道官が明かしていた。

5日には仮想通貨懐疑派として知られる米民主党のエリザベス・ウォーレン議員が、ランサムウェア攻撃に関する情報提供を義務付ける法案を提出。法案には、仮想通貨がサイバー攻撃をどのように助長しているかを調査する項目も含まれている。

関連:米議員、ランサムウェア攻撃の情報提供を義務付ける法案を提出

さらに、先月には米財務省の外国資産管理局(OFAC)が、ロシアを拠点とする仮想通貨取引所「SUEX OTC S.R.O.(以下、SUEX)」を、特定国籍業者(SDN)に指定し『制裁対象』に加えたと発表。SUEXはランサムウェア攻撃に加担しており、少なくとも8度の攻撃で違法な利益を得たとOFACは指摘。米国が特定国籍業者に仮想通貨取引所を指定したのは初と報じられた。

関連:米初の仮想通貨取引所制裁、ランサムウェア攻撃に加担と指摘

ロシアや北朝鮮などによるサイバー攻撃はこれまでに再三問題となっており、米最大規模の石油パイプラインを運営するコロニアル・パイプライン社がロシア語圏のエンジニアが関与したとみられるランサムウェア攻撃を受けた事例や、2020年に北朝鮮政府が支援するとみられるハッカー集団、「ラザルス(Lazarus)」が、日本を含む6カ国に大規模なフィッシング詐欺を計画していたことが判明したなどの事例が挙げられる。

7日に米マイクソフトが発表した年次報告書「Digital Defense Report」によると、2020年7月から2021年6月までの期間にマイクロソフトが観測し、出所を特定したサイバー攻撃の内訳では、最多がロシアで58%、北朝鮮が23%、イランが11%、中国が8%と続く。

サイバー攻撃の対象として、最多は米国(46%)、続いてウクライナ(19%)、英国(9%)と続き、日本は3%となっている。

関連:仮想通貨狙う北朝鮮のサイバー攻撃が急増=米マイクロソフトレポート

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/19 火曜日
16:29
世界最大の機関投資家GPIF、ビットコインや金対象の運用資産多様化について情報提供求める=報道
株式市場のクジラとして知られる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、仮想通貨ビットコインや金を含む「低流動性資産」等に関する情報やアイデア募集を開始した。将来的に分散投資・資産運用の一環でポートフォリオにBTCを組み入れる可能性を示唆した。
13:02
ビットコイン1000万円台割り込む、高騰していたアルト急反落にも警戒感
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが続落。日本円建て価格で1000万円台を割り込んだ。イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)などアルトコイン相場の方が下げが顕著で警戒感が強まりつつある。
11:35
CZ氏、世界の子どもに向けた「Giggleアカデミー」を立ち上げ
仮想通貨取引所バイナンスのCZ前CEOは、世界の子どもに基礎教育を無料で提供するプログラム「Giggle Academy」を立ち上げると発表した。
11:00
アバランチ財団、ミームコイン5種の保有を発表 
アバランチ財団が暗号資産(仮想通貨)AVAXのエコシステム支援のため、Coq InuやTechなど5種類のミームコイン保有を公表。コミュニティ活性化の一環として選ばれた。
10:20
今後ビットコイン現物ETFにさらなる資金流入可能性 CoinShares分析
仮想通貨投資企業CoinSharesのアナリストは、ビットコインには今後数か月の間に需要急増が起こる可能性があるとの見解を述べた。
08:20
ミームコイン熱狂でソラナのGoogle検索数急増、2018年ICOブームに類似との懸念も
次にヒットするミームコインを探すトレーダーや投資家は「BOME」プレセール型ローンチをはじめ、さまざまなプレセール型ミームコインに資金を流入させ、その多くが「出口詐欺」であることが確認されている。
07:15
SCB銀、イーサリアム現物ETF承認の今後の影響を分析
仮想通貨イーサリアムの現物ETF承認なら最初の1年で6兆円超の資金が流入する可能性があると、英大手銀行のスタンダードチャータード銀行が分析。今後のイーサリアムやビットコインの価格予想もしている。
06:20
OKX、欧州でUSDT通貨ペアを廃止 MiCA法準拠で
USDTはOKXやバイナンス、Bybitなど集権型取引所の出来高の根幹となっているためUSDTペアの廃止は取引所の収益に打撃を与えることになる。
05:50
AI・DePIN関連銘柄「Akash」、コインベースに新規上場
半導体大手エヌビディアが今週「NVIDIA GTC AI 2024」を開催することから、思惑買いで先週末にAKTやRender、ワールドコインなどのAI仮想通貨銘柄は一時的に値上がりしたが、その後反落。
03/18 月曜日
19:46
プライバシー保護と相互運用性に特化した「Partisia Blockchain」の魅力とは 専門家が動画解説|WebX STUDIO
企業や自治体からも注目される、秘匿マルチパーティ計算(MPC)を用いてプライバシー保護と相互運用性に特化したPartisia Blockchainとは。コミュニティサポーター「ぐぬぐぬたい」氏がCoinPost YouTube番組「WebX STUDIO」に出演し動画解説を行なった。
15:25
「Web3の未来をリードするのはアジアの国々」Parity Asia製品工学トップが見解示す
ブロックチェーンインフラ企業Parity Technologies Asiaは、日本で昨年開催されたWebX2023実績などを踏まえ、アジア太平洋地域の国々がWeb3の未来を形作る上で主導権を握るとの考えを明らかにした。
12:47
米検察、FTXのサム前CEOに懲役40年以上を求刑
米検察当局は、22年11月に破綻した仮想通貨取引所FTXの前サム・バンクマン=フリードCEOに懲役40年から50年の判決をくだすよう裁判所に要請した。弁護側は緩和を求めている。
12:35
イーサリアム現物ETFが5月までに承認される確率は? 海外アナリスト6名が見解述べる
米各社のアナリストら6名は、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム現物ETFが今年5月までに承認される見通しについて議論し見解を述べた。承認の上でのハードルなどについても意見している。
12:31
ビットコイン一時65000ドル割れも反発、ソラナは時価総額4位に浮上
暗号資産(仮想通貨)市場では週末にかけて急落していたビットコインが反発。前週比30%高のソラナ(SOL)はBNBを超え、時価総額4位に浮上した。
03/17 日曜日
11:00
週刊仮想通貨ニュース|ETHのDencunやBTCの7万ドル割れに高い関心
今週は仮想通貨イーサリアムの大型アップグレードDencunの完了、ビットコイン価格の急反落、米金融大手JPモルガンのビットコイン現物ETF分析に関する記事が最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/03/22 18:30 ~ 21:00
東京 東京都江東区
2024/03/28 15:00 ~ 18:00
東京 東京日本橋タワーB2階
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
重要指標
一覧
新着指標
一覧