はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン市場「極度の恐怖(総悲観)」状態に、今年5月の暴落時と同水準

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

週明け6日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比-0.6%の554万円(49,063ドル)で推移する。

BTC/USD日足

5万ドル水準の底割れで大規模な投げ売りの入った4日には、高値53,876ドルから一時42,333ドルまで暴落するなどオーバーシュート。その後、49,783ドルまで反発する局面があった。

現時点で、11月10日に記録した過去最高値69,000ドルから-40%近くまで下落しており、米コインベースのナスダック株式上場をピークに、テスラ社のBTC決済導入停止や中国政府によるマイナー(採掘業者)含む仮想通貨全面禁止令などの影響で急落した今年5月(-55%)に次ぐ、2021年で2番目に大きな下落幅となった。

関連:仮想通貨暴落で大規模ロスカット発生 ビットコイン400万円を割り込む

42,000〜43,000ドルは、2021年最も意識されるサポートライン(下値支持線)で相応に堅い価格帯であるが、長い下髭を回収してサポレジ転換するようであれば、もはや調整の範疇には留まらず、2018〜2019年相場のような中・長期下落トレンドも悲観シナリオの一つとして見込む必要がありそうだ。

後述する大規模ロスカットで下げの燃料は消化したものの、今回の地合い悪化は暗号資産(仮想通貨)市場だけの話に留まらず、不確定要素の多さ(相場の不確実性)から極めて予測困難な”難局”にある。20年3月のコロナショックや21年5月の相場同様、二番底を探りにいく展開も想定されるだろう。

関連:ビットコイン暴落、エルサルバドル政府は「押し目買い」

Will Clemente(@WClementeIII)氏は、「週末の薄商いの中、仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)市場で蓄積されていたOI(未決済建玉)や積極的なFundingRate(資金調達率)が、急落時にロスカットの連鎖を引き起こした」との見立てを示した。

Matthew Hyland(@Parabolic_Matt)氏は、Crypto Fear & Greed Indexにて、マーケットのセンチメントが「極度の恐怖状態(Extreme Fear)」に傾いていると指摘。「16」まで低下している現状は、今年5月の底値水準と同等の総悲観に近いことを示した。

Fear & Greed Indexは、ボラティリティ、市場のモメンタム、SNSの感情分析、ドミナンス、Googleトレンドから算出する指標。

出典:Matthew Hyland

同指数は、米SEC(証券取引委員会)のビットコイン先物ETF(上場投資信託)初承認などの影響で相場が高騰していた1ヶ月前は「楽観(Greed)」を示す「71」まで上昇していたが、180度転換したことになる。

相場の格言で「総悲観は買い」というセオリーがある。これまでの傾向からも、底値(底打ち反転)が近いを示す反転シグナルの一つと言えるが、いかんせん昨年来金融緩和バブルの様相を呈してきた、伝統金融市場が崩壊気味あることは気がかりだ。

その点において、ナーバスな市況でボラティリティ(価格変動性)が急拡大している現状、堅実にいくのであれば米株市場の下げ止まりを確認してからの方が無難ではあるか。

地合い悪化の要因は

現在の金融市場において、主なヘッドラインは3つある。

  • 新型コロナウイルス変異種オミクロンの感染拡大
  • テーパリング(量的緩和縮小)
  • 恒大グループのデフォルト懸念

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、インフレ懸念でテーパリング(量的緩和縮小)の前倒しに言及し、早期利上げ観測を示唆する中、13日〜14日に今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えており、金融緩和マネーによって実体経済と乖離したバブルの恩恵を享受してきた株式市場も様子見基調にある。

また、資金繰りが急速に悪化する中国不動産開発大手「恒大グループ」について中国広東省政府は3日、債務返済の保証はないと言及。特に米ドル建ての私募債で利払い履行遅延が目立ち始めており、30日以内に支払いを履行できなければ、デフォルト(債務不履行)とみなされる。

同社の負債は、銀行融資や債務発行などで多額を資金調達、不動産業以外の多角化経営を推進してきた反動や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気減速などの影響を受け、負債総額3000億ドル(約33兆円)規模まで膨れ上がったとされる。

一民間企業とはいえ、その影響の大きさから当初静観していた中国人民銀行(中央銀行)など中国政府が介入し始め抑え込みを図っており、動向が注視される。

そのほか、米連邦政府の財政資金(債務上限)問題が燻るほか、「米インフラ法案成立」に伴う富裕層向けの増税懸念や年末の確定申告(及び納税売り)を踏まえた利益確定行動なども相場の重石となっているものと考えられる。

暗号資産(仮想通貨)に留まらず、金融マーケット全体に逆風が吹いていると言えそうだ。

アルト市場と個別銘柄

過去1週間で暗号資産(仮想通貨)全面安の中、テラ(LUNA)が、前週比+24.8%(前日比-11%)と逆行高した。

前週比でビットコイン(BTC)が-15.9%、イーサリアム(ETH)が-6.9%、XRP(リップル)が-20.4%と大幅下落となるなか、ポリゴン(MATIC)と共に異彩を放っている。

Messari

コスモスネットワークに対応したテラは、ステーブルコインおよび合成資産の発行ができるブロックチェーン。そのネイティブトークンがLUNAとなる。

DeFi Llamaのデータによれば、テラのDeFiプロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は、過去1週間で+42.9%となり新高値を記録。 アバランチ(AVAX)とソラナ(SOL)を上回り、3位に浮上した。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/05 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、BTC20万ドル到達分析や米国でXRPなどのETF個別申請が不要になど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1700万円台後半に回復、米政府機関閉鎖で逃避資金流入|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン円相場は1775万円周辺まで反発。米政府機関閉鎖による逃避資金流入と利下げ期待の復活が支援材料に。ドル建て12万ドル回復で史上最高値更新の可能性を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|自称「IQ276」投資家のBTCへの全財産転換に高い関心
今週は、自称IQ276の投資家によるビットコインへの全財産転換、米政府閉鎖による仮想通貨ETF承認手続き停滞、バイナンスによるビッグトレンド分析に関する記事が最も関心を集めた。
10/04 土曜日
13:30
仮想通貨強気相場を加速か? トランプ米大統領が最大2000ドルの給付金を検討
米国のトランプ大統領が関税収入を基に最大2,000ドルの国民給付金を検討している。コロナ禍では給付金がビットコイン上昇を後押ししており仮想通貨市場への影響が注目される。
11:40
ビットコインマイニング大手MARA、BTC保有量が1兆円に迫る
Maraが発表した9月の生産実績によると、218ブロックを獲得し前月比5%増を記録した。ビットコイン保有量は52,850BTCに達し、上場企業の中でストラテジーに次ぐ第2位の保有額。
11:05
ウォルマート傘下のワンペイ、仮想通貨取引機能を年内追加へ
ウォルマートが過半数を所有するフィンテック企業ワンペイが年内にモバイルアプリで仮想通貨取引とカストディサービスを開始すると報じられた。
10:15
ビットコイン現物ETFへの週間流入が3300億円到達、「アップトーバー」の兆しか
米国の仮想通貨ビットコイン現物ETFへの週間流入額が3,300億円に到達した。過去データから10月の上昇傾向「アップトーバー」が注目されている。
09:50
テザーなど、金トークントレジャリー設立で2億ドル調達へ=報道
テザーとアンタルファがトークン化ゴールドを蓄積するトレジャリー会社設立のため2億ドル以上の資金調達を協議中とブルームバーグが報じた。
08:30
ビットコイン円建て史上最高値更新、米政府閉鎖で逃避資金が集中|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは4日、円建てで史上最高値を記録。米政府の閉鎖によって「無国籍資産」としてのビットコインの存在感が強まり、投資家心理は極めて強気である。
07:50
コインベースが連邦信託認可を申請、決済サービス拡大の狙いで
仮想通貨取引所大手コインベースが3日に通貨監督庁に国家信託会社認可を申請したと発表した。カストディ事業を拡大し決済関連サービスを提供する計画で、銀行になる意図はないと明言。
07:42
コインベースとSamsung、Galaxyスマホユーザーに仮想通貨体験を提供へ
コインベースとSamsungがパートナーシップを締結。まずは米国のGalaxyスマホユーザーがCoinbase Oneを試験利用できるようにして、仮想通貨の利用機会を提供する。
06:40
24銘柄以上の仮想通貨関連ETFが新規申請、米政府閉鎖で承認手続きに遅延
様々な投資運用会社が3日に24銘柄以上の仮想通貨ETFを新規申請したと報じられた。しかし米国政府閉鎖によりSECの審査プロセスが停止し、承認時期が不透明になっている。
06:10
BNBが1100ドル突破でBNBチェーン銘柄大幅高、CAKEが40%高騰
仮想通貨BNBが3日に1,100ドルを突破したことでBNBチェーンのネイティブプロトコルへの投資家関心が再び高まった。パンケーキスワップのCAKEトークンは24時間で約30%上昇。
05:45
イーサリアム財団、6.6億円相当ETHをステーブルコインに換金予定
イーサリアム財団が4日に1000ETH(6.6億円相当)を売却すると発表した。CoWSwapのTWAP機能を使用し、研究開発や助成金、寄付の資金調達を目的としている。
10/03 金曜日
18:27
野村HD傘下Laser Digital、暗号資産交換業登録を目指す
野村HD子会社Laser Digitalが、日本で暗号資産交換業者登録を目指し金融庁と協議中。スイス発の同社は国内金融機関向け事業展開を計画。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧