Polygon、重大なネットワーク脆弱性の修正を発表

12月初旬に深刻なバグを発見

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーラビリティーソリューションを提供するポリゴン(MATIC)は29日、ネットワークの脆弱性を修正するため、今月初めにアップグレードを行っていたことを明らかにした。

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スケーラビリティー問題とは

取引処理が遅延してしまうような「拡張性」の問題を指す。ブロックチェーンの性質上、1つのブロックの中に書き込める取引データ量が限られていることが原因で、処理が遅延する問題のこと。送金に時間がかかってしまい、それによって取引手数料の高騰につながることがある。

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ポリゴンのチームは12月5日に、深刻なバグを修正するためネットワークのアップグレードを実施。仮にアップグレードがなければ、220億ドル(約2.5兆円)以上のMATICトークンを失っていた可能性もあったという。

プルーフオブステーク(PoS)のコントラクトに重大な脆弱性が存在したもので、仮に攻撃された場合には、92億枚以上のMATICトークンを盗まれる可能性もあった。MATICトークンの総供給量は100億枚であるからその大多数が危険にさらされていたことになる。

バグの発見と修正の経緯

経緯としては、「Leon Spacewalker」という呼び名のホワイトハッカーが3日、この脆弱性を、バグ報告プラットフォームImmunefiに通知。バグは、攻撃者がポリゴンのコントラクトを使って、トークンを任意に生成することができるものだった。

Immunefiは3日中にポリゴンのチームに報告。チームは脆弱性を確認し、ネットワークの更新に向けた動きを開始。まずテストネットの更新を行った。テストネットの更新は4日に完了し、チームは引き続き、メインネットのアップグレードの準備を進めていた。

しかし、メインネットのアップグレードが行われる前に、悪意のあるハッカーが、バグを利用して、80万枚以上のMATICトークン(時価2億円以上)を盗んだ。この損失額については、ポリゴン側が負担するという。

MATICトークンが盗まれた後、2人目のホワイトハッカー(匿名)も、ポリゴンの脆弱性を発見し、Immunefiに報告した。そしてポリゴンはその後5日、メインネットのアップグレードを実施した。

Immunefiのブログによると、ポリゴンは、脆弱性を報告したLeon Spacewalkerに220万ドル(約2.5億円)相当のステーブルコインを、2人目の報告者に50万MATIC(約1.4億円)を懸賞金として支払うという。

ポリゴンのチームは、次のように報告している。

アップグレードは12月5日、ネットワークの活動と性能に大きな影響を与えずにブロック#22156660で実行された。プロトコルやそのエンドユーザーへ実質的な被害を与えることなく、脆弱性は修正され、損害が軽減された。ポリゴンのコントラクトとノードの実装は、すべてオープンソースのままである。

今後の対策

さらに、アップグレードが完了した後、ポリゴンのチームは広範に事後調査を行い、改善可能な点や、これからネットワークのセキュリティを強化する方法を特定した。単一障害点の排除などが挙げられている。

ポリゴンのチームは、バグについての報告を29日になってから行った理由について、Geth(イーサリアム・ソフトウェアクライアント)チームが採用している「サイレントパッチ」ポリシーに従ったと述べた。

「サイレントパッチ」とは、アップグレードの内容をノード運営者がアップデートするまでに時間がかかることが予測される場合、脆弱性を公開すると、アップグレード前に、悪意ある者に利用されてしまう恐れがあることから、修正・更新が完了してから情報公開するものである。

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