はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Polygon、重大なネットワーク脆弱性の修正を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

12月初旬に深刻なバグを発見

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーラビリティーソリューションを提供するポリゴン(MATIC)は29日、ネットワークの脆弱性を修正するため、今月初めにアップグレードを行っていたことを明らかにした。

関連仮想通貨ポリゴン(MATIC)とは|注目ポイントと今後の将来性

スケーラビリティー問題とは

取引処理が遅延してしまうような「拡張性」の問題を指す。ブロックチェーンの性質上、1つのブロックの中に書き込める取引データ量が限られていることが原因で、処理が遅延する問題のこと。送金に時間がかかってしまい、それによって取引手数料の高騰につながることがある。

▶️仮想通貨用語集

ポリゴンのチームは12月5日に、深刻なバグを修正するためネットワークのアップグレードを実施。仮にアップグレードがなければ、220億ドル(約2.5兆円)以上のMATICトークンを失っていた可能性もあったという。

プルーフオブステーク(PoS)のコントラクトに重大な脆弱性が存在したもので、仮に攻撃された場合には、92億枚以上のMATICトークンを盗まれる可能性もあった。MATICトークンの総供給量は100億枚であるからその大多数が危険にさらされていたことになる。

バグの発見と修正の経緯

経緯としては、「Leon Spacewalker」という呼び名のホワイトハッカーが3日、この脆弱性を、バグ報告プラットフォームImmunefiに通知。バグは、攻撃者がポリゴンのコントラクトを使って、トークンを任意に生成することができるものだった。

Immunefiは3日中にポリゴンのチームに報告。チームは脆弱性を確認し、ネットワークの更新に向けた動きを開始。まずテストネットの更新を行った。テストネットの更新は4日に完了し、チームは引き続き、メインネットのアップグレードの準備を進めていた。

しかし、メインネットのアップグレードが行われる前に、悪意のあるハッカーが、バグを利用して、80万枚以上のMATICトークン(時価2億円以上)を盗んだ。この損失額については、ポリゴン側が負担するという。

MATICトークンが盗まれた後、2人目のホワイトハッカー(匿名)も、ポリゴンの脆弱性を発見し、Immunefiに報告した。そしてポリゴンはその後5日、メインネットのアップグレードを実施した。

Immunefiのブログによると、ポリゴンは、脆弱性を報告したLeon Spacewalkerに220万ドル(約2.5億円)相当のステーブルコインを、2人目の報告者に50万MATIC(約1.4億円)を懸賞金として支払うという。

ポリゴンのチームは、次のように報告している。

アップグレードは12月5日、ネットワークの活動と性能に大きな影響を与えずにブロック#22156660で実行された。プロトコルやそのエンドユーザーへ実質的な被害を与えることなく、脆弱性は修正され、損害が軽減された。ポリゴンのコントラクトとノードの実装は、すべてオープンソースのままである。

今後の対策

さらに、アップグレードが完了した後、ポリゴンのチームは広範に事後調査を行い、改善可能な点や、これからネットワークのセキュリティを強化する方法を特定した。単一障害点の排除などが挙げられている。

ポリゴンのチームは、バグについての報告を29日になってから行った理由について、Geth(イーサリアム・ソフトウェアクライアント)チームが採用している「サイレントパッチ」ポリシーに従ったと述べた。

「サイレントパッチ」とは、アップグレードの内容をノード運営者がアップデートするまでに時間がかかることが予測される場合、脆弱性を公開すると、アップグレード前に、悪意ある者に利用されてしまう恐れがあることから、修正・更新が完了してから情報公開するものである。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
08:15
PLUMEとJUPITERがコインベースに新規上場、機関投資家向けアクセスも提供
米コインベースが12月9日にプルームとジュピターの現物取引を開始する。RWAトークン化のプルームとソラナ系DEXアグリゲーターのジュピターが新規上場し、機関投資家向けアクセスも利用可能になる。
07:55
SECがOndoへの捜査を訴追なしで終了、トークン化証券のハードルをクリア
トークン化プラットフォームのオンド・ファイナンスが、バイデン政権下で開始されたSECの捜査が訴追なしで終了したと発表した。トークン化証券が米国資本市場の中核となる時期が到来したと同社は期待。
07:15
仮想通貨投資商品、先週は1110億円超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体の先週の資金フローは約1,116億円の純流入だったと報告。ビットコイン、XRP、チェーンリンクの投資商品の需要が高かった。
07:02
ビットコイン担保をデリバティブ市場で使用、米CFTCがトークン化パイロットプログラムを開始
米CFTCがビットコイン、イーサリアム、USDCなどのデジタル資産をデリバティブ市場で担保として使用するパイロットプログラムを開始した。トークン化担保に関する新たなガイダンスも発行している。
06:25
ストラテジーが約1500億円でビットコイン押し目買い、7月以来の規模に
マイケル・セイラー率いるストラテジーが先週約10億ドルで10624BTCを追加購入した。7月以来の大口購入となった。
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧