Polygonとは
Matic NetworkのPolygon(Matic Network)は、イーサリアムチェーンのレイヤー2(第2層)ソリューションにあたり、ネットワーク手数料のGAS代高騰問題を解消する開発者向け開発フレームワークです。混雑の続くETHチェーンのメインネットとは異なる拡張を持たせることで、スケーラビティ問題を緩和します。
2019年4月に世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスでIEO(Initial exchange offering)を果たし、21年3月には、コインベース上場も実現。トークンの普及を加速させました。
以前「MATIC」と呼ばれていましたが、「Polygon」への名称変更には、ブロックチェーンを構築するための諸々をまとめた総合的なプラットフォームへの変化という意味が込められています。
この記事では、Polygonがどのようなことを目指すプロジェクトなのか、レイヤー2ソリューションとは何かをわかりやすく説明します。
Polygonの技術
Polygonのは多くのL2(レイヤー2)ソリューションと同様に、複数のレイヤーから構成されています。Polygonの核となるのは実行レイヤーとネットワークレイヤーで、前者はPolygonのEVMで、スマートコントラクトの実行を担います。後者がPolygonで構築されたブロックチェーンで、個別にコンセンサスをとりブロックを生産します。Polygon上のブロックチェーンは互いに通信が可能で、これによりdApp間の連携と価値の受け渡しが簡単に行えます。
利用されている技術
- Proof of Stake サイドチェーン
- Plasma チェーン
- ZKロールアップ
- 楽観ロールアップ
以前はレイヤー2ソリューションとしてPlasmaのみを実装していましたが、リブランディング後は上記のような複数のレイヤー2ソリューションを利用できるようになりました。
PolygonとほかのL2ソリューションの比較
Polkadot
- EVMを利用するPolygonと違い、独自の言語でスマートコントラクトを記述する(Solidity vs Substrate)
- セキュリティレイヤーは任意で採用可能で、利用しないこともできる。
Polygonを利用したNFTマーケットプレイス
Polygonを利用できるサービスとしては、国内ではNFTマーケットプレイス『nanakusa』がβ版サービスを21年4月に開始したほか、MCH+支援タイトルが Polygon対応を実施。国内では初のマルチチェーン対応の事例となりました。
NFTの市場規模は2021年以降大きく拡大しており、ゲームやアート関連分野で特にその期待は厚いです。
[お知らせ]
— doublejump.tokyo株式会社 (@doublejumptokyo) March 23, 2021
MCH+支援タイトルが Polygon( @polygon )対応を実施いたします。
国内では初のマルチチェーン対応の事例となります。
Polygonとのパートナーシップを通してMCH+タイトルの課題を解決すると共にさらなるエコシステムの拡大を目指して参ります。https://t.co/DvWV4nCEWa
株式会社スマートアプリが運営するnanakusaですが、イーサリアムとPolygonによる決済に対応しており、それぞれ対応タイトルが違います。現在nanakusaは公認アーティストの募集を行っており、150件以上の応募がすでにあるとしています。
関連:スマートアプリ、Polygon決済対応のNFTマーケットプレイス『nanakusa』β版をローンチ
まとめ
- Polygon(旧MATIC)とはイーサリアム互換のL2ブロックチェーン構築のための相互運用・スケーリングフレームワーク
- 2021年2月に名称変更後もMATICトークンはガバナンスやステーキング、ガス代に利用される。