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米財務省、NFTによるマネロンに警戒

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTとマネーロンダリングの関係は

米財務省は4日、美術作品によるマネーロンダリング等の犯罪行為に関する調査報告書を公開した。NFT(非代替性トークン)を含むデジタルアートはマネーロンダリングに利用される可能性があることを示唆した。

マネーロンダリング(資金洗浄)とは、犯罪行為などによって得た資金について、出所を分からないようにする行為のこと。

マネロン利用のリスクか

米財務省は、1度の取引額が高額であり、取引がされやすい環境では、マネーロンダリングが起きやすい可能性があると指摘。NFT技術などによって形成されるデジタルアートは「地理的な距離を気にすることなく、国境を越えてほぼ瞬時に送金できるため、不正な犯罪収益の洗浄を目的とする人々に利用されやすい」としている。

また、NFTが販売されるたびに、販売したアーティストに自動的にロイヤルティが支払われるよう設計されたスマートコントラクトは、作品が短期間で繰り返し取引される市場を形成するインセンティブを生み出す可能性があり、不正な取引を助長し得るとも述べている。

同省は、NFTは「創造的なメディアを探求する新たな機会を提供するもの」と評価する一方で、米国のアート市場全体におけるシェアの約7.5%を占めるNFT市場に対して、マネーロンダリングを警戒する姿勢を示した格好だ。一方で、高価なNFTがテロ資金供与には関係していない可能性が高いことを示唆する記述も見られた。

関連:米司法省、仮想通貨専門の弁護士を募集 マネロン・金融犯罪対策で

2021年に始まったNFTブームは、仮想通貨市場が低調な2022年においても継続している。しかし、その人気の高まりから、詐欺や偽物作品などの不正行為が増加している傾向がある。

先日、ブロックチェーン分析企業Chainalysisは、2021年の仮想通貨市場におけるNFTベースのマネーロンダリングを分析し、その金額が第4四半期に140万ドル(約4.5億円)にまで達したと報告している。

関連:Chainalysis、NFT市場の仮装取引やマネロンなど不正行為を分析

NFTにおいては、今回取り上げられたマネーロンダリング以外にも、仮装売買(ウォッシュトレード)などの問題があり、米国を始めとする各国の政府機関や規制当局は、これらのリスクを軽減する方法を検討している。

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