はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム創設者ブテリン氏、PoWとPoSの処理速度と安全性のバランスを説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

分散化・安全性を保つための処理速度

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同設立者であるヴィタリック・ブテリン氏は7日、ブロックタイムについての説明を掲示板サイトに投稿した。

大手掲示板サイトRedditのイーサリアム関連スレッドで、ブロックタイムについて、処理速度と分散化・安全性の兼ね合いについて説明した格好だ。

ブロックタイムとは

ブロックチェーンで1ブロックが処理されるのに予定される時間のこと。それぞれのブロックチェーンでブロックタイムは大きく異なる。ビットコインでは約10分、イーサリアムでは約15秒とされている。

▶️仮想通貨用語集

ブテリン氏によると、ブロックタイムを速くし過ぎると、ネットワーク接続の面で優れたノードに、イーサリアムのマイニングやステーキングが集中してしまう可能性がある。

ブテリン氏は、プルーフオブワーク(PoW)とプルーフオブステーク(PoS)の両方の場合に分けて論じた。

1. ブルーフオブワークの場合

まず、プルーフオブワークの問題としては、ブロックタイムがランダムなことだ。例えば、平均ブロックタイムが13秒の場合には、新たな2つのブロックが互いの時間差を1秒以内としてやってくる確率は13分の1である。

これほど、2つのブロックの時間差が小さい場合は、よりよいネットワーク接続を有しているマイナーが、もう一方のマイナーより先にブロックを到着させることが可能だ。

ブテリン氏によると、こうした状況は、13秒のブロックタイムでは許容範囲内である。しかし、時間的に近接して現れるブロックがさらに増えるような状況、例えば平均ブロックタイムが3秒の場合には、大きな問題になるという。

2. ブルーフオブステークの場合

ブテリン氏は、プルーフオブステークでは、ブロックは12秒に1回均等に到着するために、プルーフオブワークのような問題は存在しないと説明。しかし、処理速度をさらに速めようとすると別の問題が浮上するという。

イーサリアムのプルーフオブステークは、1つのスロット(12秒ごとの単位)ごとに、非常に高いレベルで取引の承認プロセスを行うものだ。1スロットあたり、数千の署名(現在は、最大約9,100件)が必要であり、レイテンシーが発生する。

レイテンシー

待ち時間の意味。一般に、コンピュータに転送などデータ処理を要求してから、実際にその結果が反映されるまでの、通信遅延時間のこと。

▶️仮想通貨用語集

ブテリン氏によると、この承認プロセスを、6秒以下で安全に行うこともおそらく可能だが、その場合、時間内にチェーンに組み込むことのできる署名の数は少なくなる。それにより、やはりステーキング報酬が、中央集権的な主体にとって有利になってくる形だ。

ブテリン氏は、「現在の約12秒は、そのようなリスクを充分に緩衝してくれるものだ」と続けた。

高速な確認が必要なアプリケーションの場合は、スケーラビリティソリューションである「ロールアップ」などに頼る必要があるという。また、開発チームは、ある取引が次のブロックまたは別の近い将来のブロックに含まれることを、即座にユーザーに保証できるメカニズムも研究しているところだとしている。

関連イーサリアム2.0、スケーラビリティ問題を改善するロールアップを識者が図解

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
13:45
トランプ大統領、イーロン・マスクに対する批判を再び展開、 『大きく美しい法案』巡る対立が再燃
「大きく美しい法案」をめぐり、トランプ大統領とイーロン・マスク氏の対立が再燃している。マスク氏の痛烈な法案批判に対し、トランプ氏は、マスク氏が率いる企業の政府補助金受給について政府効率化局(DOGE)で調査すべきと発言し、かつて盟友だった両氏の関係は緊迫感を増している。
13:20
アリゾナ州知事、押収仮想通貨の準備基金法案『HB2324』を拒否権行使
アリゾナのホブズ知事が犯罪捜査で押収した仮想通貨管理法案を拒否。地方自治体の協力阻害を懸念と声明。
11:45
パクソス、ステーブルコインUSDGを欧州全域でローンチ サークルとの競争激化
パクソスが米ドル建てステーブルコインUSDGをEU全域で発行開始した。MiCA規制に準拠している。合計30か国に展開しており、ステーブルコイン時価総額ランキングでは15位だ。
11:10
ナスダック上場DeFi Development Corp、1億ドル転換社債発行 ソラナ蓄積戦略を拡大
米初のソラナ準備金戦略企業DeFi Development Corpが1億ドル転換社債の私募発行を発表。調達資金でSOL購入継続、バリデータ運営による複利成長を目指す。
10:50
上場企業のビットコイン購入量24万BTC超えも、価格には反映されず その理由は?
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧