ソラナ関連のウォレットシステム
国内ブロックチェーン開発企業アトノイは7日、ソラナ(SOL)上で発行されたオリジナルトークン(spl-token)を管理、送受金できるウォレットシステムを開発したことを発表した。
SPLはトークン規格で、イーサリアム(ETH)のスタンダードである「ERC20」に該当する。同社はソラナを一推しのブロックチェーンとして自社プロダクトにも採用している。
特徴とユースケース
同サービスについて、既存の会員サービスなどにオリジナルトークンを組み込むことを主な目的とした際の利用を想定しており、投資目的で暗号資産(仮想通貨)を管理するウォレットとは一線を画すシステムであると説明。
既存のウォレットで頻発する、ユーザーの不注意で保有するトークンを紛失したり引き出せなくなったりする問題を解決し、サービスのUX(ユーザー体験)を向上することで、企業がトークンを導入する際のハードルを下げるという。
システムの特徴を以下のように列挙している。
- セキュリティを維持しながら、復元コードを簡略化することによるUXの向上
- ユーザーカストディによって秘密鍵をユーザーが主体的に管理できる
- トークンの1回のトランザクション手数料0.000005SOL(日本円で0.06円程:22年2月7日のレート)をサービス側で負担
- トークンの移転スピードが1秒以下で移転完了
- Solanaブロックチェーン上でのオリジナルトークン(spl-token)簡単発行サービスを同時提供
オプションサービスとして、ソラナ上でのNFT(非代替性トークン)発行サービスの提供やソラナ上で発行されたNFTへの対応も2022年春頃に予定している。また、想定されるユースケースとしては以下のような点を挙げた。
- ブランドや商品への思いを取引──サービスや商品への思いを可視化して、その「思い」に対してトークンを発行し特別なサービスや体験と交換
- オリジナルのトークンを発行し特定の領域で流通させる──企業内がトークンを発行し、会社への貢献度に応じてトークンで報酬を支払い、会社の資産と交換
- NFTを発行しブランドの価値を証明──商品にブランドタグをつけるように、販売する商品にNFTを発行しブランドの価値を証明
アトノイは、同社の親会社でブロックチェーン開発を行う株式会社BSMOのアフリカでの事業における同ウォレットシステムの導入支援を行っている。2022年春ごろをめどにBSMOはアフリカでサービスを開始予定としている。
BSMOは2021年10月、同社と業務提携しておりアフリカ諸国などで中古車輸出事業を行うSBI Africa株式会社とアフリカ諸国における中古車輸出・販売事業の拡大に向け、ケニア・ナイロビに公式自動車ディーラー『SBI Motor Japan : Nairobi Center』を開設、現地進出を果たしたことを発表した。
アトノイの取り組み
同社は2021年11月、東京eスポーツゲート株式会社によるブロックチェーンプロジェクト「RED゜トークンエコノミー・プロジェクト」の実現に向けた支援を開始したと発表。
「RED゜トークンエコノミー・プロジェクト」とは、2022年4月に東京タワー直下にグランドオープン予定とされる日本最大規模のesportsパーク「RED゜TOKYO TOWER(レッド トーキョータワー)」と完全連動するデジタルプラットフォームとしてブロックチェーンを活用し、メタバースを視野に入れた新たなトークンエコノミーを創出するプロジェクトだ。
また同月、ブロックチェーン・NFT関連の開発を行う株式会社coinbookと共同で、ソラナを基盤としたNFTプロダクト「NFTex.Solana」の開発を行うことを発表。NFTex.Solanaは、ソラナ上でNFTの発行・移転ができるマーケットプレイスで、静止画・動画・音声のコンテンツを取り扱う。サービス開始は2022年2月を予定している。
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