VR/ARデバイスの開発にも投資
韓国の行政機関、科学技術情報通信部は27日、メタバース(仮想現実)領域に対して1億8,500万ドル(約210億円)を投資することを発表した。
資金は、同国のメタバースエコシステム「Expanded Virtual World」の構築に使用される。分散型のクリエイター経済やVR/ARデバイスの開発に取り組む企業の支援などにも用いられるという。
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メタバースに注力する国家
現在、韓国ではメタバース分野に対して積極的な取り組みが行われている。
同国は今年1月、メタバースがもたらす社会や経済の変化への対応をまとめた「メタバース新産業先導戦略」を発表。2026年までにメタバース領域での韓国の世界ランクを5位まで上げるとしたほか、生活、観光、教育や芸術など各分野でのメタバースプラットフォーム構築を支援する方針を示した。
2月には、政府系ファンドKorea Investment Corpが、メタバースを含む先端技術分野へのエクスポージャーを増やすことが明らかになっている。サムスンやLGなど同国の大手企業も、NFT(非代替性トークン)やメタバースに資本を投入している。
科学技術情報通信部は、メタバースの開発者を対象とした、開発コンテストやハッカソンを開発することも告知。通信部のPark Yungyuコミュニケーション・政策部長は、メタバースへの取り組みを、韓国における広義の「デジタルニューディール」の一部であると表現している。
デジタル・ニューディールとは、デジタル技術の成長を促進するために考案された一連の政策であるという。
仮想通貨分野にも変化の兆し
韓国では、暗号資産(仮想通貨)の規制に関する方向が変わる兆しも確認されている。
現在、同国では銀行による間接的な仮想通貨関連のサービス提供は許可されている一方、取引サービスを直接的に提供することは禁じられている。ただ22年の大統領選に出馬する候補者たちは比較的、仮想通貨に対して肯定的な姿勢を展開している。
また21日には、海外メディアForkastが、KB金融部ループの資産管理部門、KB Asset Managementが、デジタル資産に関連した上場投資信託(ETF)などをローンチするための準備委員会を発足させたことを報告している。
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