米財務省、仮想通貨をロシア政府への制裁リストに追加

抜け道を塞げるか

米財務省は3月1日付で、米国人がロシア政府を利する目的で、暗号資産(仮想通貨)を用いた取引を禁ずる規則を発表した。同日発効となる。

財務省外国資産管理局(OFAC)は、昨年4月に発令されたロシア制裁関連の大統領令を補完する規則を発表。その中で、「合衆国の制裁を回避するための、欺瞞的もしくは計画的な決済や取引」に従事する個人も対象とする項目があり、具体的に「デジタル通貨や資産の使用」による取引を含むと明言されている。

米国政府はロシアのウクライナ侵攻を受け、先月24日以降、ロシア政府、およびプーチン大統領をはじめとする政府要人に対し、厳しい制裁措置を立て続けに発表。

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さらに欧州委員会(EC)と米国、カナダなどの主要国政府は27日、ロシアを国際銀行決済システムSWIFTから排除する声明を発表。日本も同日夜、追加制裁に加わると表明した。

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一方、米政治ニュースメディアのPoliticoは、「ロシアの金融機関やオリガルヒをターゲットにした米国の制裁には、クリプトサイズの穴がある」と指摘。米国の金融システムへのアクセスを遮断する「重大な制裁」を覆す新たな方法を、「急速に進化するデジタル市場」が生み出したと主張している。

今回の財務省の発表は、仮想通貨を利用した制裁措置回避の抜け道を塞ぐ試みと見る向きもある。

取引所への要請

ブルームバーグの報道によると、米国家安全保障会議(NSC)と財務省は、米国および主要各国による制裁措置を回避する方法として、制裁対象のロシアの個人および関連企業が仮想通貨を利用することを阻止するよう、バイナンス、FTX、コインベース等の大手仮想通貨取引所に協力を求めているという。

米ホワイトハウスの関係者は、仮想通貨は米ドルの代用とはならないが、「制裁回避のためのデジタル資産の悪用」に対しては強く対抗するとコメントした。

このような政府の動きは、世界規模の紛争において仮想通貨が果たす役割が無視できない域に達していることを示唆しているのではないだろうか。

取引所の対応

仮想通貨取引所大手のバイナンスは、ウクライナへの人道支援で11億円相当を寄付する一方で、「何百万もの無実なユーザーの口座を一方的に凍結することはない」と明言。ただし、制裁対象となっている個人口座については、すでに必要な措置を講じているとした。

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コインベースも同様、「一方的かつ全面的な禁止は、ロシアの一般市民を罰することとなる」ため、ロシア人ユーザーの全面的な取引停止措置は講じないが、制裁対象に含まれる人物に関してはブロックすると説明した。

ウクライナ政府の要請

ウクライナのMykhailo Fedorov副首相兼デジタル変革大臣は、ツイッターで全ての主要取引所にロシア人ユーザーのアドレスをブロックするよう呼びかけた。ロシアやベラルーシの政治家のみならず、「一般市民」も対象にすべきと主張した。

一方、無差別にロシア人全てをターゲットにするようなFedorov氏の発言に対し、大手取引所クラーケンのJesse Powell CEOは反対する姿勢を表明。法的な要請がない限り、ロシアの顧客口座を凍結することはできないと述べた。

クラーケンの使命は、世界地図とは関係のない仮想通貨システムに人々を引き入れ、「広範で無差別な富の没収に巻き込まれなくする」ことであり、「政府や政治的な派閥よりも、個人のニーズにフォーカスする」ことが、その使命を果たすことにつながるとPowell氏は主張している。

人々のお金は人類の出口戦略であり、戦争のためではなく、平和のための武器である。

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