今週起きたビットコインフォークに関心を持つ方は、“株式分割”という言葉を“専門家”への取材などで聞いたことがあるかもしれません。
現在、ビットコインに類似した名前のコインが資産価値を持ち取引されていることは事実です。一部の主要取引では並んで表示されることもあったようです。
新興技術を比較対象にするために既存するモノを利用をし、それと比較しやすくする考えは理解できるでしょう。
事実、未開発のモノのために実在するモデルを利用することは非常に有効的です。
この比較はよく考慮されていると思われますが実は誤りがあります、なぜならブロックチェーンフォークは株式分割とは全く異なるからです。
それはなぜでしょうか?
価値の分裂について
- 株式分割
- 株式分割をする基本的な狙いは、個々の株式の価格を下げ、発行済み株式数を増やすことで取引の流動性を高め、一般投資者を招くこと
近年で記憶に新しい株式分割の事例は2014年のアップル株1:7分割が記憶に新しいでしょう。
アップル株が分割が起こる以前の約700ドルで取引されていた頃、「個々の株が高すぎるのではないか?」とたびたび討論されていました。その後数ヶ月間に株価が急騰したことで議論はされなくなりました(少なくともアップルの例では)。
- ビットコインの分裂
- 長期に渡る技術的進行の討論がコミュニティを二派に分け、特にユーザーベースと取引数の拡大の最適な処理法を探求する討論
暗号通貨が二つに分裂した理由は複雑ですが、株式分割とは異なり一般投資者の参入目的には全く関係がありません。
ビットコインの分裂後、価格は以前とほぼ変わらず「1BTC≒2,700$」で取引されていますが、ビットコインキャッシュの価格は取引所の流動性によって変動し、現在約200~450$で取引されているようです。
要するに、現在二つの資産の価値はそれぞれに由来する技術的進行とそれぞれを支援するマイニングなどのコミュニティによって異なるわけです。
両通貨とも投資家にとって高値になる可能性がある一方、片方が価値がなくなるまで低下する可能性もあります。
管理者の存在について
- 株式分割の管理
- 株式分割とブロックチェーン分裂の共通点は誰かに認可されなければならない
誰が株式分割の認可をするのでしょうか?
株式会社は株主によって所有されています。
その株主が実質的支配者で、その代理人が経営者で取締役会を選出します。
そして取締役会は企業を運営させるために経営陣を雇います。
取締役会と経営陣は、時に意見が食い違うこともありますが、企業が法令を遵守し効率的に運営するための必要事項を決定します(理論上ではこれは企業を合理的にするはずですが、現実はそうではない様です。)
経営陣と取締役会が行う大事な意思決定の一つが、会社がどのような資本構造で成り立つかです。
- ビットコインの管理
- ビットコインは中央権限または国や銀行に制限をされない通貨であり、元帳に記載されている金額の精密性を検証する第三者は存在しない。
ビットコインを統治する権限者も存在しない代わりに、情報をみんなで監視し、ある取引に情報が埋め込まれ、それをマイナーと呼ばれる者がその情報を検証しています。
フォークが起きたとき、全ての関係者が自身にとって最適な決断をしました。
現在、一部の取引所ではビットコインキャッシュの取り扱いをせず、一部のマイナーは新ブロックチェーンを採掘していません。
また一部の利用者は世界中に送信可能の両通貨の取引をしています。
彼らがどうなるか調整はされるでしょうが、現時点での意思決定は個人の利己に左右されています。
最終ポイント
- 株式分割
- 株式分割とは株式を表す資産の権利に影響することなく株式を複数に分割する企業の活動
量を分割によって二倍にすることは逆に株式一つに値する価値は半減することになるので基盤の経済状態に変化はありません(20ドル札一枚と10ドル札二枚の価値が変わらないのと同じ原理です)。
株式分割で重要なポイントは、新しい実体が作られていないということです。
なぜなら同じ企業実体は分割後も同じく存在するからです。
運営側の視点からみると、なにも足されたり減ったりはしていません。
- ビットコインの分割
- 二つの通貨は別の表記で取引され、それぞれ独自の取引経歴を持ち、独自の価値が生まれる
ビットコインキャッシュがビットコインブロックチェーンから分裂したとき、ビットコインキャッシュ独自の全く新しいブロックチェーンを作りました。
どちらにも成功あるいは破産する可能性は十分にあり、それは市場の利用者に左右されます。
市場が勝者を選ぶのにどれくらいの時間を要するのかは、イーサリアムとイーサリアムクラシックの人気によって判明するでしょう。
Why a Bitcoin Fork Is Not a ‘Stock Split’
Aug 2, 2017 at 11:00 UTC by Ash Bennington
原文はこちらから