CoinPostで今最も読まれています

アメリカ最高裁が初めてビットコインに言及:ビットコインは金銭と分類される

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アメリカ最高裁がはじめてビットコインに言及
ストックオプションが課税対象になるかを議論していたアメリカ最高裁において、陪席判事からはじめてビットコインを例に挙げた主張がなされ、「ビットコインは金銭の一種」と区分されました。
アメリカ議員もICOへ言及
アメリカの下院議員がインタビューでICOには軽度の規制の枠組みが必要だと述べました。さらに、シカゴオプション取引所の代表もICOの今後について言及しています。

アメリカ最高裁がはじめてビットコインに言及

本日6月21日は、ビットコインにとって歴史的な一日となりました。

アメリカ合衆国最高裁判所において、初めて「ビットコイン」の単語が使用されたのです。

今回、最高裁で審議されていた内容は、労働者のストックオプションが1937年施行の法律に照らして課税対象になるか否かというものでした。

この内容は、一見ビットコインとは関係がないように思えますが、そうではありません。

なぜなら、この議論にあたっては「お金とは何か」というテーマについて考えねばならず、このテーマはビットコインのホワイトペーパーが10年前に公開されてからさらに重要度を増しているからです。

今回の内容に関して過半数が、ストックオプションは金銭報酬ではないとして課税しないべきと主張しましたが、最高裁陪席判事のJustice Stephen Breyer氏はこれに反論し、お金の定義を拡大して理解すべきだとした上でストックオプションへの課税に賛成する立場をとっていました。

そしてBreyer氏はこの主張の中で、書籍「Money: The Unauthorised Biography」から引用しつつ、ビットコインをお金の性質の変化の一つとして例に挙げ、以下のようにコメントしました。

おそらくいつか、労働者がビットコインあるいは他の仮想通貨によって給与を払われる日が来るでしょう。

この主張は他の数名の陪席判事にも支持されています。

最終的に、ストックオプションは課税対象にならないというのが最高裁の判断となりましたが、「ビットコイン」という単語が最高裁の法廷の意見で用いられるのは初めてのことであり、こういった出来事は今後も起こっていくと考えられます。

今回は単語が用いられただけであり、仮想通貨に直接的に関係してくるわけではありあませんが、それでも、アメリカ最高裁を構成する人員の少なくとも数名が仮想通貨を資産としてでも商品としてでもなく、お金の一種だとする考え方に賛同している、という事実は非常に重要だと言えます。

まだまだ時間はかかるかもしれませんが、ビットコインの性質に関する議論が最高裁でなされる日もいつか訪れるでしょう。

米国議員もICOへ言及

また、同日21日には、アメリカの下院議員Warren Davidson氏がCNBCに対し、「ICOには軽度の規制必要だ」と述べるといったこともありました。

仮想通貨の規制に関して質問されると、同氏は大きな課題だとしながら、より市場に正確さをもたらすために軽度の規制の枠組みが必要だと話しました。

Davidson氏は、仮想通貨の立ち位置を明確にする必要があると強調し、先日のアメリカ証券取引委員会がイーサリアムを証券ではなく商品としてみなすとのアナウンスをしたことを指摘しました。

同氏は以下のように話します。

ICOに参加するにあたって、それが証券に該当するのか、イーサリアムやビットコインのように商品として見なされるのか、人々にははっきりとはわからないというのが現状です。

Davidson氏は、軽度の規制があれば、過度の規制でプロジェクトを妨げることなく、投資家へ安定性を提供できるとしており、明確な規制の枠組みによって、企業が数多ある判例を参照しつつ事業を進めるといった手間をかけなくて良くなると述べました。

また、ICOに関しては19日、シカゴオプション取引所の代表であるChris Concannon氏が、アメリカ証券取引委員会が「ICOを未登録証券に分類」することでコインが無価値になりかねず、プロジェクトに対して投資家から集団訴訟が発生してICOは大打撃を受けるだろうと警告していました。

今回ついに議員や最高裁の陪席判事などが仮想通貨に言及しはじめ、今後、金融における仮想通貨の立ち位置の明確化や、政府による規制への議論がさらに進んでいくかもしれません。

CoinPostの関連記事

仮想通貨の有価証券論争まとめ|業界の著名人が考える規制と今後の状況
米証券取引委員会の代表を務めるJay Clayton氏は、資金調達の際に発行される大半のトークン (ICOs)は有価証券に該当するため、規制される必要があると述べた。有価証券に該当する通貨が明確に発表された場合、現在の米国証券法の元、登録義務が生じることになる。この件について、著名人の見解をまとめた。
リップル社CEOが語る|BTCが世界共通の単一通貨とならず、ブロックチェーンが銀行業を崩壊させない理由
リップル社CEOは、ブロックチェーン技術が、金融システムに疎遠な数百万人もの人々を支援する「変革」であり、銀行業をサポートする役割を持つと改めて強調しました。一方で、BTCが世界共通の単一通貨になり得ない理由について指摘しました。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア