イーサリアムのスケーラビリティ向上へ
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションを提供する「ポリゴン(MATIC)」は6日、開発中のプロダクト「Polygon Avail(以下、Avail)」のテストネットを、2022年2Q(4月から6月)にローンチする計画だと発表した。
Availは今回新たに発表されたスケーリングソリューションではなく、21年6月にも公式ブログで紹介されている。Availもイーサリアムブロックチェーンのスケーラビリティ(拡張性)を高め、ユーザーやアプリ開発者、ブロックチェーン開発者の体験を向上させるプロダクトだ。
#Polygon is building a modular suite of scaling solutions to empower chains and dApps of any size.
— Polygon | $MATIC 💜 (@0xPolygon) April 6, 2022
And today, we’re sharing our vision for @0xPolygonAvail, a new data availability blockchain that improves scalability across the board.
Learn more 👉 https://t.co/XMBtmI4W1C pic.twitter.com/crsN6J5ueH
公式ウェブサイトによると、ポリゴンは現在、計画中のものも含めて8種類のソリューションを開発している。最もよく知られているのが「Polygon POS」と呼ばれるサイドチェーンだ。
ブロックチェーン領域でスケーラビリティとは「ネットワークの規模が拡大しても機能する能力」を指す。一般的には、トランザクションの処理能力や処理速度、処理にかかるコストなどの概念を含蓄しており、ネットワークが拡大してユーザーやトランザクションが増加しても適切に機能できるブロックチェーンは、「スケーラビリティが高い」と言われる。
Availはどんな規模のブロックチェーンやアプリでも適切に機能できるようにするためのソリューション。ポリゴンはこれからAvailを正式にローンチできるようにして、イーサリアムのスケーラビリティをさらに向上させようとしている。
Availとは
Availの主な役割は、「トランザクションを記録すること」と「そのデータが利用可能なことを証明すること」の2つ。ポリゴンのAnurag Arjun共同創設者は、CoinPostの提携メディア『The Block』に対し、「トランザクションの認証は行わない」と説明したという。Availは「データ可用性(Data Availability)」に特化したブロックチェーンである。
1つの部品のようにAvailを利用することで、開発者はその上に別のレイヤーを構築することが可能。Availを活用することで、コンセンサスレイヤーのスケーラビリティが大幅に向上するとした。
Arjun氏は「Availのデータ可用性の技術は多くのユースケースで利用が可能。しかし、我々が関心を持っている重要なユースケースの1つはロールアップだ」と述べた。ロールアップについては、以下の記事で詳しく解説している。
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