はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

チェーン間ブリッジの基礎知識と注意点:米大手取引所コインベースが解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

活発化するブリッジの利用

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは20日、異なるブロックチェーン間でのトークン移動を可能にする「ブリッジ」について解説したブログ記事を発表。基本的な仕組みから、ユーザーが利用するにあたっての注意点をまとめた。

記事によると、イーサリアムと互換性のあるクロスチェーン間での活動が活発になったのは、アルトコイン市場での強気相場が本格化した2021年4月くらいから。9月12日にはブリッジを利用したトランザクションが最高の6万件/日を超えたという。

その背景には、(1)ブリッジアプリ数の増加 (例:Wormhole)、(2)イーサリアムと互換性のあるネットワークの増加、そして(3)イーサリアム以外のチェーンにおける分散型アプリ(dApps)の増加がある。

2021年にローンチされたイーサリアムと接続可能なネットワークには、Avalanche、Ronin、Arbitrum One、Optimism、Solanaなどがある。

ブリッジとは

コインベースは、ブリッジを以下のように定義している:

ブリッジとは、クロスチェーン通信技術を利用して、レイヤー1、レイヤー2、オフチェーンサービスなど2つ以上のネットワーク間でトランザクションを可能にするアプリケーションのこと

ユーザーがブリッジを利用する理由の一つは、イーサリアムより手数料が安く、迅速な取引が可能なネットワークにアクセスするためだ。また、ブリッジ技術で、ネットワークのネイティブトークン以外の資産を使用し、他通貨への価格エクスポージャーを得ることが可能になる。(例:ラップドBTC(wBTC)など)

ラップドトークンとは

ラップドトークンとは、他の仮想通貨の価値と紐付けられた仮想通貨のこと。預けられたオリジナル資産を裏付けとしたトークンを作成することで、実質的に様々なブロックチェーンでそのトークンを活用できるようになる。一例としては、ビットコインをイーサリアム上で使えるようにしたラップドBTC(wBTC)が挙げられる。

▶️仮想通貨用語集

さらに、より幅広いdAppsにアクセスするため、ブリッジを使用するケースもある。例えば、トランザクション速度やブロックサイズ制限のため、イーサリアムのメインネット上に展開できないゲーム用のアプリなどへのアクセスも、ブリッジ利用で可能になる。また、コミュニティへの無料トークンの配布など、ネットーワークのインセンティブプログラムに参加するためにも、ブリッジが利用されるようだ。

コインベースは、2022年第1四半期のイーサリアムブリッジへの日次入出金量(米ドル建て)を公開。出来高の増加は、プロジェクトの立ち上げやエアドロップ、インセンティブプログラム、さらにはブリッジへのハッキングなどの出来事に大きく影響を受けたと分析している。

ブリッジの仕組み

ブリッジはネットワーク間でトークンの移動を可能にするものだが、トークンそのものを移動するのではなく、ラップドトークンのように「トークンの表現物」をブリッジ契約でリンクさせるものだ。

チェーン間のリンクは次のようなプロセスで行われる。

  1. 資産(トークン)を元となるネットワークAのブリッジ契約Aに預け入れる
  2. ブリッジ契約Aは資産をロックし、送金先ネットワークBのブリッジ契約Bに通知する
  3. ブリッジ契約Bはロックされた資産を表す新たなトークンをミント(作成)する(Aのラップドトークン)
  4. ブリッジ契約Bは、新たに作成されたラップドトークンを、ネットワークBのアドレスに送付する

ネットワークBからネットワークAに資産を送る場合は、ブリッジ契約Bがラップドトークンをバーンし、ブリッジ契約Aに通知。ブリッジ契約Aは引き出し権限を検証し、問題がなければブリッジ契約Aにロックされていた資産のロックを解除する。

ブリッジの安全性

ユーザー資金が入出金のプロセスで引き出せなくなったり、サイバー攻撃の被害に遭う可能性など、ブリッジの利用にはリスクも伴うとコインベースは注意を促している。

例えば、ブリッジのセキュリティ面では、スマートコントラクトのバグや脆弱性があった場合、サイバー攻撃の対象となりかねない。今年2月には、主要ブリッジの一つであるWormholeがハッキングを受け、ソラナ(SOL)とイーサリアム(ETH)のブリッジから12万のETH(約476億円)が流出している。

関連:仮想通貨取引所FTX、アップルやテスラなどトークン化された株式を1株未満売買可能に

ロックされた資産のカストディアンがサイバー攻撃の対象となる可能性もある。今年3月に起きたRoninブリッジ(NFTゲーム「アクシーインフィニティ」のサイドチェーン)からの不正流出は、700億円を越える被害となった。Roninブリッジを作成したSky Mavis社が運営する4つのバリデーションノードが、攻撃者によりコントロールされたことが原因だった。

関連:「アクシーインフィニティ」のRoninブリッジ、700億円超相当の仮想通貨が不正流出

またコインベースは、レイヤー1(メインチェーン)で、敵対的なマイナーやバリデーターがネットワークの50%以上のコントロールを掌握し、ロックされた資金を不正に取得する可能性や、何者かがブリッジ契約の通信アップデートを阻止する可能性なども、確率は低いものの不可能ではないと指摘。ブリッジを利用する際には、ロックされた資金の盗難による損失は、不可逆的であることに留意する必要があると警告している。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/18 火曜日
13:40
エルサルバドル、下落局面で約155億円相当のビットコイン押し目買い 保有高は7474BTC
エルサルバドル政府が市場下落局面で約155億円相当のビットコインを追加購入し、保有高は7474BTCに達した。2025年1月に法定通貨地位を撤廃したものの、ブケレ政権は戦略的準備資産としての蓄積を継続している。
13:25
ヴィタリック、イーサリアムのプライバシー保護ツール「Kohaku」を紹介
仮想通貨イーサリアムのブテリン共同創設者がプライバシー保護ツール「Kohaku」を新たに紹介した。Railgun連携やゼロ知識証明で匿名性を強化する開発ロードマップを解説する。
13:10
CZ氏、6650億円の罰金返還なら米国に再投資と言及
バイナンス創業者CZ氏が米司法省への約6650億円の罰金返還時に米国再投資を表明。トランプ大統領からの恩赦後、民主党議員からの腐敗疑惑批判に対し、感謝と慎重さのバランスを強調した発言として注目される。
11:25
伝説投資家ドラッケンミラー、ブロックチェーン融資企業フィギュアの株式を120億円相当取得
フィギュア株価上昇 米ウォール街の伝説的なヘッジファンドマネージャーであるスタンリー・ドラッケンミラー氏が運営するデュケイン・キャピタルは11月15日、第3四半期の13F報告書…
10:55
ソラナ保有企業フォワード、367億円相当SOLをコインベースへ入金 警戒高まる
仮想通貨ソラナを財務資産として保有するナスダック上場のフォワード・インダストリーズが約367億円相当のSOLをコインベース・プライムに移動させた。売却か社内再編成かは不明だ。
09:50
「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨ビットコイン下落の原因を米ドル流動性縮小と分析した。ETF資金流出の背景や今後の下落および急騰シナリオを解説している。
09:30
自称「IQ276」のキム・ヨンフン、BTCは今後45日間で22万ドルまで上昇すると予想
自称IQ276のキム・ヨンフン氏は、仮想通貨ビットコインの価格は今後45日間で22万ドルに到達すると予想。明確な根拠は示していないが、世界最高のIQ記録保持者として価格を予想すると主張した。
09:20
Cboeが無期限型ビットコイン・イーサリアム先物を12月15日に開始、米国規制下で提供
Cboeが仮想通貨ビットコインとイーサリアムの無期限先物取引を12月15日に開始する。米国規制下でポジションのロールオーバーを不要にする。
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
07:10
仮想通貨投資商品、先週の資金純流出額が2月以降最大規模
仮想通貨投資企業CoinSharesは、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約3,100億円超の純流出だったと報告。今回もビットコインとイーサリアムが流出を主導した。
06:55
ビットコインの25%下落は「浅い調整」と米投資銀行が分析、トム・リーはイーサリアムのスーパーサイクルを予測
投資銀行バーンスタインがビットコインの約25%下落は大幅な下落の始まりではなく短期的な調整だと分析した。ビットコインETFの機関投資家保有率は2024年末の20%から現在28%に上昇。
06:25
95%のビットコインが採掘済み、2140年に完全流通へ
ビットコインのマイニング済みコイン数が1,995万BTCを超え、固定上限2,100万BTCの95%に達した。残りの5%は極めてゆっくりと放出され、2140年頃に最後の端数が採掘される見込みだ。
06:00
ビットコインが今年の上昇分を帳消しに、新規投資家が14.8万BTC損切り 流動性悪化と日本債券ショックも影響か
ビットコインが約7カ月ぶりに9万3,000ドルを下回り、2025年の上昇分をすべて失った。新規投資家が14万8,000BTCを損切りし、流動性逼迫も下落要因となっている。
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧