仮想通貨市況
9日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比600円(2.2%)下落。先行指標であるNYダウ先物の下落でリスク回避姿勢が強まった。
また、9日は旧ソ連による対ドイツ戦勝記念日であり、ウクライナへの軍事侵攻を続けるプーチン露大統領演説への警戒感も相場の重石となった。世界的な資源高及びインフレ圧力に直面する中、欧米各国のロシアへの経済制裁は諸刃の剣であり、地政学リスクの長期化が懸念される。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格が前日比-1.76%の441万円(33,620ドル)と続落した。
主要サポートとしては、昨年の底値1BTC=28,000〜31,000ドルの下値支持線が意識されるところであるが、金融市場全体が過剰流動性バブルの最中にあった2021年とは真逆の状況下にある2022年の相場概況において、少なくとも目先の命運は相関係数強める米株指数(金融政策)が握っている印象は拭えない。
上図の通り週足は6連続陰線を引いており、戻り高値を叩かれながら年初来安値更新の瀬戸際に位置するなど、暗号資産(仮想通貨)基軸通貨の厳しい情勢を露呈している。
著名アナリストのil Capo Of Crypto(@CryptoCapo_)氏は、ビットコインを大量保有するマイクロストラテジー社のマージンコール(追証)水準が1BTC=21,000ドルにあることを指摘。上昇チャネル下限を割り込んでいる現状、「最悪のシナリオでは21,000〜23,000ドルまでの暴落も起こり得る」との見立てを示している。
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— il Capo Of Crypto (@CryptoCapo_) May 5, 2022
また、アルト市場指数がメインのサポートライン(下値支持線)を下方ブレイクしようとしていると指摘。次のサポートは半値付近の降伏エリアになるとして警鐘を鳴らした。
センチメントはさらに悪化
投資家心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは9日、Extreme Fear(極度の恐怖)水準の「11」に達した。
これは、1月8日や昨年5月の暴落時に匹敵する過去最低水準だ。
Crypto Fear & Greed Indexは、3月28日時点では60を示していたが、インフレの高止まりとFRB(米連邦準備制度)の金融引き締め局面が鮮明になるにしたがって米株指数が大幅反落。ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)も右肩下がりの状況にある。
ボラティリティ(価格変動性)の急上昇局面では値頃感で買い入れるにはリスクが高く、11日発表の米消費者物価指数(CPI)やドル指数が上げ止まるか否か、米国債の長期金利動向を注視したい。
アルトコイン市場の動向
アルト市場では、LUNA/USDが7日から8日にかけて20%ほど急落、下落率は前週比-27.5%に達した。LUNA関連の無担保(アルゴリズム)型ステーブルコインUST(TerraUSD)が、0.9857ドル台まで下落したことが背景にある。
米ドルとのペグ(1UST=1USD)が完全に崩壊した場合、準備金としてLuna Foundation Guard(LFG)が保有する約35億ドルのビットコインが価格維持のための売り圧力となり得るおそれがあるほか、USTを担保にするDeFi(分散型金融)への波及も考えられることから懸念が広がった。
depeg観測で、レンディングプロトコルの「Anchor Protocol」から一部クジラ(大口投資家)の資金が抜かれたとの指摘がある。
詳細:無担保型ステーブルコインUST(TerraUSD)の価格が急落、仮想通貨市場で懸念広がる
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