CoinPostで今最も読まれています

三井物産、ビットコインマイニング企業の第三者割当増資を引き受け 海外展開で協業へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨マイニングソリューションを提供

三井物産株式会社は25日、暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)マイニングやフレアガス軽減などの事業を行うCrusoe Energy Systems(クルーソー)の第三者割当増資を引き受けたことを発表した。

子会社である三井物産デジタルコモディティーズは今年2月、金(ゴールド)を裏付け資産とする仮想通貨ジパングコイン(ZPG)を発行している。

クルーソーは、天然資源の採掘に伴って焼却処分される余剰ガス(フレアガス)を発電に活用し、AIやディープラーニング、仮想通貨マイニングなどを動かすためのソリューションを提供する企業。

今年4月には、シリーズC資金調達ラウンドで、約650億円(5億500万ドル)を調達したことが発表されている。

関連:気候変動に対応するビットコインマイニング企業、約650億円を調達

Crusoe Energy社は、安価な燃料であるフレアガスを発電利用することで、クリーンでコスト競争力の高いクラウドコンピューティングリソースを実現する。これにより、今後需要の増大が見込まれるビットコイン(BTC)などの暗号資産のマイニング(採掘)などの分野の計算処理を安価に提供することが可能となる。

暗号資産業界では、マイニングの計算処理時に発生する大量の電力消費が問題視されており、負荷軽減や再生可能エネルギーの利用に関心が高まっている。

発表によると三井物産は、余剰エネルギーを「コンピューティングリソースや電力需給調整向けへ有効活用する」ことに着目しているという。今後はクルーソーの戦略パートナーとして、海外展開などで協業を進めていく予定だ。

マイニングとは

マイニングとは、ビットコインなどPoW通貨の取引を検証・承認する「採掘」行動のこと。成功すると、現在のビットコインのブロック生成報酬に加えて、そのブロックに取り込まれたトランザクションの手数料が報酬としてマイナーに支払われる。

▶️仮想通貨用語集

SDGsでは削減目標に

フレアガスとは、石油の精製時に必然的に発生した余剰ガスを手軽に処理する仕組みで、保管コストを削減するためにガス・石油を直接燃やす行為を指す。

「比較的安全な方法であるものの、無駄が多く環境汚染にもつながる」行為であると批判されており、国際連合が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)では削減の対象として指定されている。

クルーソーは現在、フレアガス排出削減とデータセンターを組み合わせたプロジェクトを展開中。見積もりによると、フレアガスをただ燃焼させた場合と、そのエネルギーをデーターセンターに活用する場合を比較した場合、後者では、メタンガスを98%、CO2eを63%、一酸化炭素を95%削減できるという。

また同社は、炭素削減エネルギー源を利用した高性能コンピューティング(HPC)クラウド「CrusoeCloud」を22年後半にリリースする予定としている。

関連:石油大手ExxonMobil、余剰ガスを仮想通貨マイニング企業に提供=報道

三者割当増資での出資に至った理由(追記)

暗号資産マイニング向けデータセンターは一般的な通信ネットワークで対応可能であることから、世界中での設置制約が少ない点が特徴です。

結果として、世界中に点在する未活用エネルギーに対して新たな価値をつけることが可能となり、エネルギー×デジタル領域での新たな事業チャンスが広がると考え今回の出資に至りました。

また出資後の当社の貢献余地としましても、電力市場での価値提供に可能性を感じており、例えば電力価格高騰時等にマイニング向けデータセンターを電力需給調整弁として活用することにより、電力安定化に寄与し得ると考えます。本件は実事業で実現するべく、現在事業化検討中です。

また、クリーンエネルギーの活用・可視化等を通じ、マイニングを含むクラウドコンピューティングパワーに対しての社会的認知・受容を促進、業界の成熟に貢献出来ると考えます。総合商社である三井物産が保有する世界中のネットワークを駆使して、これらの可能性を追求してまいりたいと思います。

三井物産デジタルコモディティーズ、及びジパングコインとのシナジーについて(追記)

社内外のネットワークを活用して暗号資産領域にて幅広い事業展開を現在検討中でございます。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
Runesデビュー1週間、ビットコインネットワークで200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。
06:50
米Stripe、ソラナやイーサリアムでUSDC決済を導入予定
Stripeは2014年に初めて仮想通貨ビットコインの決済を導入した経緯がある。しかしその4年後の2018年にビットコインのバブル崩壊を受け同社はその取り組みを中止した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア