NFTなどを扱うデジタルウォレットを前提か
米決済大手Visaは22日、暗号資産(仮想通貨)やNFT(非代替性トークン)関連の商標登録を2件申請した。内容は、デジタルウォレットやメタバースを念頭に置いていることを示すものである。
Visaが米国特許商標庁(USPTO)に提出した申請内容には、次のような事項が含まれていた。
- デジタル通貨・仮想通貨およびNFTの閲覧・保存・管理・取引・送受信などのためのユーザー用ソフトウェアの提供
- NFT収集品
- 仮想通貨ウォレットとして使用するためのオンラインソフトウェア
- レジャー・娯楽の目的でユーザーが交流できる仮想環境を仮想世界で提供
VISA has filed 2 trademark applications claiming plans for:
— Mike Kondoudis (@KondoudisLaw) October 27, 2022
▶️ Managing Digital, Virtual, and Cryptocurrency transactions
▶️ Digital currency + Cryptocurrency wallets
▶️ NFTs + Virtual goods
▶️ Providing virtual environments
…and more#NFT #Metaverse #Web3 #Cryptocurrency pic.twitter.com/SnTkt8jx4o
メタバースとは
インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。
▶️仮想通貨用語集
NFTに関する取り組み
Visaは、すでに仮想通貨を利用できるカードなどを提供しており、仮想通貨分野の事業強化を進めている。3月には、アーティスト向けのNFT支援プログラムも正式開始した。
映画、音楽など様々な分野のクリエイターを一年間サポートするもので、NFT市場や技術に関する助言、人脈を築く機会、成長支援の助成金などを提供する。
Visaの仮想通貨部門責任者は、クリエイターを支援しながらVisa自体も、NFTのチャンスや課題、またアーティストが作品を収益化する上でNFTが果たしうる役割などについて理解を深められると話していた。
関連:米決済大手Visa、クリエイター向けNFT支援プログラムを開始
大手企業による商標申請相次ぐ
大手企業による、NFTやメタバース関連の商標申請は最近相次いでいる。
4月には、Visaの競合企業である決済大手マスターカードも、NFT市場や、メタバースでの決済や商取引を念頭に置いた商標登録を申請していたところだ。
アメリカン・エクスプレス社も3月、メタバース・NFTに関する商標登録を提出した。仮想通貨の取り扱いにも言及した。
関連:アメックス、メタバースで仮想通貨決済など提供する商標登録を提出
その他9月には、高級ブランドのエルメス、ソニーミュージック、ジャックダニエルも相次いでNFT関連の商標登録を米国特許商標庁(USPTO)に出願。メタバースに関する市場の関心は一時期より低下しているものの、水面下では企業によるIP争奪戦が続いていることを示唆する形だ。
なお、掲示板大手のRedditでは、Web3・メタバース戦略におけるSnooアバターNFTの出来高が目立つ。
関連:大手掲示板RedditのNFT「コレクタブル・アバター」、OpenSeaで取引量が急増
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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