仮想通貨の規制
米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は10日、CNBCのインタビューで、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻危機について語った。
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仮想通貨市場は規制を守っていないと主張し、投資家保護の必要性を強調。FTXの問題は新しいことではなく、テラ騒動や仮想通貨融資企業の破産と関係していると指摘している。
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大手取引所だったFTXの流動性危機は、国内外の規制当局が注視している。CNBCのインタビュアーは冒頭で、「SECはいま何を調査しているのか」と率直に質問した。
この質問に対しゲンスラー氏は、現段階で調査について話すことはできないと回答。いま何が起きているかを話すと説明し、FTXの問題は金融領域で古くからあるものだと述べている。
また、テラ騒動や融資企業の破産とFTXの問題が関係しているとした点について、仮想通貨の世界は数少ないプレイヤーを中心に成り立っており、問題は連鎖しうると指摘した。
そして、情報開示を行わないこと、顧客資産を間違った方法で管理してしまうこと、レバレッジをかけて借りたお金で投資をしてしまうことを合わせて企業が行なってしまうと、結局は投資家が損失を被ってしまうと話している。
ゲンスラー氏は、イノベーションは興味深いが投資家保護は必要だと強調し、まずは仮想通貨関連企業がSECと対話をするよう呼びかけた。
同氏は法律の明確なルールはすでに多く存在していると主張。その根拠として、仮想通貨企業らを提訴していることや、多くの仮想通貨企業がSECに登録する必要があると説明してきたことを挙げた。なお、明確なルールを事前に示さずに規制を執行するSECには批判もある。
SECの調査
ウォール・ストリート・ジャーナルは情報筋の話として、米司法省とSECがFTXを調査していると報じている。SECは、投資家保護の法律に違反がなかったか、また姉妹企業のアラメダリサーチとはどのような関係なのかを調べている模様だ。
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他にもSECは、同社の米国部門「FTX US」を調査。FTXとFTX USの関係を示す書類を提出するよう求めているという。
FTX USについては、数カ月前から調査を行なっている模様。これはFTXの財務危機に関する内容ではなく、上場している銘柄が有価証券に該当していないか、FTXのレンディングサービスが証券法に違反していないかを調べている。一方、FTX USは本日、数日以内に取引停止の可能性があることを顧客に通知している。
また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、SECが同様に米コインベースやバイナンスに対しても調査を行なっていると報じた。