はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「今から始める国内マイニングの勝機とは」FUELHASH代表インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FUELHASHインタビュー

「FUELHASH(フエルハッシュ)」は、最先端マイニングマシンの販売・運⽤や、固定および変動金利型レンディングサービスなどを行う日本の企業。

マイニング投資はマシンの調達・運用難易度が高く、個人はもちろん中小企業ですらマイニング投資に参入することは難しい状況だ。同社が提供するFUELMININGは、そうした課題を解決し、誰でも1万円から簡単にマイニング投資できるプラットフォームとなっている。

今回、FUELHASHの紺野勝弥代表取締役に独占インタビューを実施し、同社が手がけるマイニング事業やサービス、そして今後のビジョンなどについて伺った。

マイニングとは

マイニングとは、ビットコインなどPoW通貨の取引を検証・承認する「採掘」行為のこと。

仮想通貨用語集

マイニング事業を始めたきっかけ

-まず、マイニング事業を始めようと思ったきっかけは?

2019年にグローバルでマイニング事業を行っているBITFURYの日本代表に就任しました。今後デジタル資産が当たり前に使われていく社会になるにあたり、「マイニング」は、デジタル資産の主要資産であるビットコインのブロックチェーンを支えているインフラの役割を担っていることをBITFURYでの業務を通じて理解することができました。

ボラティリティの高いクリプト領域において、安定的にキャッシュフローが稼げるビジネスであるのですが、日本ではそもそも投資家に適切な投資オポチュニティが提供されていない状況でした。

また、BITFURYのカザフスタンにおけるマイニングファームは火力発電がメインだったため、昨今のSDGs/ESGの機運の高まりから、再生可能エネルギーを活用したマイニング事業を立ち上げたいと考え、FUELHASHを創業しました。

-現在どの国・地域で事業を展開していますか?またそれらの地域を選んだ理由は?

現在我々が提携しているマイニングファームは、日本・米国・カナダ・ノルウェーとなります。海外は政治的に安定している国、かつ電気代が安い国を選別しています。再生可能エネルギーを利用していると言うのも非常に重要です。

参照:FUELHASH公式サイト

-再生可能エネルギーによるマイニング事業を立ち上げるまでの苦労は?

ちょうどBTC価格が上昇する直前の2020年後半から起業準備を進めていましたが、マイニングに対して理解のある投資家は少なく、最初の資金調達にはものすごく苦労しました。

ただ、これまでのソフトバンク〜Quoine/Liquid〜BITFURYでの経験を通じて、これまでお世話になった方々を中心に僕自身や当社の事業の方向性に共感してエンジェル投資をしてくださる方が出てきてくださって、2021年3月にFUELHASHを創業することができました。

関連:FUELHASH、100%再生可能エネルギーのビットコイン採掘開始

FUELHASHについて

-FUELHASHという社名の由来は?

それぞれ、”FUEL”は「燃料」、”Hash”は「マイニングに必要な計算力」です。

マイニングに必要な計算力を燃料にして大きくなっていく、という意味を込めています。また、これは社名を考えた後に株主の方から言われたのですが、 “FUEL”は日本語では「増える」と読めます。マイニング事業を大きくするという意味を込めて「ハッシュが増える」という駄洒落のような要素も実はありました(笑)。

-御社のマイニングサービスについて一言で言うと?

マイニング投資は大量の電力消費による環境負荷や、マシンの調達・運用難易度が非常に高く、個人はおろか中小企業もなかなかマイニング投資に参入することは難しい状況にあります。FUELMININGは、そういった課題を解決し、誰でも1万円から簡単にマイニング投資できるプラットフォームになっています。

関連:ビットコイン・ハッシュレートレンタルサービス 「FUELMINING」提供開始

-国内初のトレンド予測・変動金利型レンディングサービス「クリプトレンド」についての特徴は?

「クリプトレンド」は、将来のBTCやETHの価格トレンドを予測し、その予測通りに相場が動いた場合に、獲得できる金利が増える変動金利型のレンディングサービスです。

元本保証なので安全に資産運用することができますが、通常のレンディングとは違い、自分で価格トレンドを予測するゲーム性が入っており、アップサイドを追い求めることもできることから、初めてクリプトサービスを利用されるユーザーにとっても面白いサービスになっていると思います。

また、この変動金利型レンディングサービスは、日本人の投資スタンスにも合致していますし、日本では当社以外には提供していないサービスとなっていることから、たくさんの方々に使っていただきたいと考えております。

-今のブロックチェーン・仮想通貨業界については

日本はあまりに厳しくグローバルスタンダードとかけ離れた規制が導入されてきたため、Web3/クリプトの文脈では遅れてきたという風に捉えられてきましたが、直近のFTX破綻のような大きなインパクトのあるイベントが起きて、日本の規制に対してポジティブな意見が広がってきています。

この流れは非常に重要だと思ってまして、今後グローバルでも顧客保護をより強固にする規制が各国で入ると思いますし、その際には日本の規制が手本になるべきとも思います。

規制とともにクリプトのアドプションは広がって深まっていくと思います。個人的には、顧客が分散してCeFiやDeFiで投資ポートフォリオを組むことができるようになる社会がいずれくると思っています。

-FTX破綻を境とした、レンディングについての懐疑的な意見については?

FTX事件はあってはならないことだと思いますし、そのせいでCeFiに対する懸念や不安が抱かれてしまっているのは本当に残念に思っています。

またリスクの高い運用を行っていたレンディング事業者が連鎖破綻しているのも、投資家の資金を運用する事業者としてのリスク管理力の低さが招いたことだと思います。だからこそ、しっかりとしたリスク管理、徹底したガバナンスやコンプライアンスの遵守が重要です。

ユーザーの皆様が信頼できる事業者を選別できるように、運用方針などのディスクロージャーも重要になってくると思います。今は逆風が吹いていますが、当社としてはしっかりと情報開示などを行うことで、投資家の皆様からの信頼を勝ち取って行きたいと思います。

-エルサルバドルの例のように日本国内で地熱発電を活用する可能性は

日本国内では主に太陽光を活用していますが、太陽光にこだわることなく、地熱発電やバイオマス発電などを活用することも視野に入れています。海外では、主に水力発電を活用したマイニングファーム運用をすでに行っております。

-日本は国土面積が狭く電力も高い、ビジネス的な勝機はあるのか

日本でのマイニングは単純なマイニングの収益性だけだと難しいですが、減価償却を取ることでの節税効果や自治体からの補助金も期待できるビジネスですので、そちらでのメリットから投資が増えていくと思います。

今は地方自治体や地銀とも会話を始めており、地方創生と再エネマイニングを実現できるスキームを組み立てていきたいと考えております。

FUELHASHの展望

-新サービス「クリプトレンド」の今後の展開は?

当社のレンディングサービスは、通常の固定金利の「クリプトレンディング」と変動金利型の「クリプトレンド」を提供しています。

今後、これに続く高金利の新しいレンディングサービスも準備しています。グローバルでは当たり前に提供されていながらも日本ではまだ提供されてないサービスが多くあるので、日本の市場や規制に適合した形でしっかりと提供していきたいと考えています。

-財務状況が悪化しているマイニング業者が多い中、どのような対策を?

BTC価格は4年周期なので、いずれの状況でも安定的に収益をあげることができるビジネスモデルを確立しています。

マイニング業者は、先にマイニングマシンを仕入れる必要があるためにCAPEXが非常に大きくかかりますし、ロシア・ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の高騰でマイニングファームの運営コストも非常に高くなってきています。さらに、ネットワークハッシュレートが上昇しているにも関わらずBTC価格が下落していることから、マイニング収益が低い状況に陥ってしまい、マイニング業者の財務状況は悪化しています。

しかしながら、我々のビジネスモデルでは、当社はユーザーのニーズに合わせてハッシュレートをマイニングファームから仕入れてマッチングするモデルのため、CAPEXを抑制できますし、マイニング収益に依存しない収益構造により、現在のような市場環境下でも収益が大きく悪化しません。

-いまマイニング以外で注目されている分野や事業などは?

マイニング以外ですと、GameFiに注目しています。

当社では、2022年9月からFUELGUILD(フエルギルド)というゲーミングギルドの運営を開始しており、現在はスカラー1800名まで拡大しています。Digital Entertainment Asset社(DEA社)さんと提携しており、同社が運営するBCGプラットフォーム「PlayMining」で提供されている「JobTribes」と「Cookin’ Burger」のギルドを運営しています。この最悪の市場環境においても、DEA社さんのBCGはしっかりとユーザーにプレイされていて、ギルドの収益も安定的に稼げています。

ギルド事業は、いわば「NFTを活用した資産運用」であり、FUELGUILDでは投資家さんが購入されたNFTを運用するサービスも提供しています。今後も、当社のギルドが投資家とスカラーをつなぐ架け橋になることで、BCGのエコシステム拡大に貢献していきたいと思います。

関連:DEA、東南アジア最大級のゲームギルドYGG SEAと提携

ビジョンと今後について

-ビットコインおよびマイニングへの思いを聞かせてください

貨幣の歴史を紐解くと、石器時代には大きな石が利用されてましたが、その後、金・銀⇨金本位制(金の信用力)⇨法定通貨(国の信用力)として流通してきました。ただ、2008年のリーマンショックにより国の信用も地に堕ちてしまった結果、ブロックチェーンの信用に基づくBTC(デジタル通貨)が誕生しました。BTCがエルサドルバドルで法定通貨に採用されたように、貨幣のデジタル化の波は今後も大きくなっていくと考えています。

デジタル通貨の基軸通貨はBTCですので、BTCの保有量を上げていくのがデジタル通貨時代においては非常に重要な戦略となってきます。保有量をあげるにはどうしたらよいのかというと、個人的にはマイニングがベストだと考えており、再エネを活用したBTCマイニングにこそWeb3時代における日本の勝機があると思います。

マイニングは短期で見てはならず、中長期の視点で行っていくことが重要です。BTC相場は4年周期ですので、価格の上下に一喜一憂せずに、コツコツとマイニングを継続していくことが最終的にマイニングで勝つために必要な心構えになるかなと思います。

-今後ビットコイン以外のマイニングサービス提供については

アルトコインのマイニングに関しても計画はありますが、全ては相場と安定性次第です。

-コインポストの読者に伝えたいことがあればどうぞ

FUELHASHは、マイニングだけでなく、GameFi、レンディングと総合的なクリプトの資産運用サービスを提供しています。今は過去に類をみないほどのベア市場ですが、そのようなマーケットではレンディングやGameFiでコツコツと収益を稼ぎ、次の上げ相場に備えておくこともできます。

特に、当社が新しくリリースする変動金利型レンディング「クリプトレンド」は、元本保証されながらも、トレンド予測というゲーム性があり、クリプトの楽しさを味わえる日本初のサービスになっています。一人でも多くの方に、この楽しいサービスに触れていただけると嬉しいなと思います。これからもドンドン新しいサービスを展開する予定ですので、今後のFUELHASHにご期待いただければと思います。

関連:ビットコイン採掘事業を行う国内企業FUELHASH、3億円超を資金調達


【企業概要】

会社名:株式会社FUELHASH

代表取締役:紺野 勝弥

設立:2021年3月

資本金:4.1億円(資本準備金含む)

所在地:東京都千代田区平河町1ー6ー4

事業内容:再生可能エネルギーを活用した分散型データセンター事業、ブロックチェーン開発、AIソリューション開発

URL:https://fuel-hash.com/

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/18 土曜日
13:55
OneKeyが12万件のビットコイン秘密鍵脆弱性を報告、トラストウォレットに影響か
ワンキーがリブビットコイン・エクスプローラー3.xの脆弱性により約12万件のビットコイン秘密鍵がクラッキング可能になると報告した。トラストウォレットなど複数の製品が影響を受けている模様。
13:50
オープンシーが2026年1QにSEAトークン発行予定、供給量の50%をコミュニティへ配布
オープンシーCEOが2026年第1四半期のSEAトークン発行を発表した。総供給量の50%がコミュニティに配分され、収益の50%が買い戻しに使用される。ステーキング機能も実装予定だ。
13:05
G20、グローバルな仮想通貨規制の不足を指摘 ステーブルコインの課題も
国際的な金融監督機関FSBが、ビットコインなど仮想通貨の規制実施状況を評価する報告書を発表。各国規制の断片化と一貫性の欠如を指摘し、ステーブルコイン監督の課題も述べた。
10:55
著名ユーチューバー「ミスタービースト」、仮想通貨取引所商標を申請
登録者4億4600万人のユーチューバー、ミスタービーストが仮想通貨取引やDEX運営を含む金融プラットフォームの商標を申請した。バンキングや投資サービスも提供する計画だ。
10:05
決済大手ストライプ支援のL1チェーン「テンポ」、750億円を調達 イーサリアムOBが参画
ストライプとパラダイムが支援する決済特化型L1ブロックチェーン「テンポ」が750億円を調達した。評価額は7,500億円に達し、著名イーサリアム開発者も参画する。
09:30
スイス当局、FIFAのNFTプラットフォームを違法賭博として刑事告発
スイス賭博監督局がFIFAのブロックチェーン型NFTプラットフォームを違法な賭博サービスとして刑事告発した。参加に金銭的賭け金が必要で、賞金獲得が抽選で決まる仕組みが宝くじやスポーツベッティングに該当すると判断された。
08:35
オープンシーがNFT特化から事業転換、22チェーン対応の仮想通貨取引所に=報道
NFT市場の崩壊を経たオープンシーが、22ブロックチェーン対応のマルチチェーン仮想通貨取引アグリゲーターに転換すると報じられた。
07:45
アーサー・ヘイズのMaelstrom、仮想通貨企業の買収ファンドを計画
アーサー・ヘイズ氏は、仮想通貨企業をターゲットにした企業買収ファンドの構想があることを明かした。ファンドの規模は370億円超で、投資インフラや分析プラットフォームなどのサービスプロバイダーに特化する。
07:02
Huobi創設者が1500億円規模のイーサリアム保有企業設立へ、アジア投資家が参画
中国の仮想通貨取引所Huobi創設者リー・リン氏が、アジアの初期イーサリアム支援者らと10億ドル規模のデジタル資産信託を立ち上げる。ナスダック上場企業買収を交渉中で、2-3週間以内に発表予定だ。
06:40
米地方銀行の不良債権増加で金が大幅続伸、2023年破綻危機の再来懸念か
米地方銀行が不良債権を償却し株価が急落する中、金価格は今週7.34%上昇した。JPモルガンCEOが更なる問題発生を警告し、投資家は2023年の銀行危機再来を懸念している。
06:30
分散型エネルギー企業Daylight、a16zやコインベースなどから約113億円調達
DaylightがFramework Ventures主導で約113億円を調達。ブロックチェーン技術で分散型エネルギーネットワークを構築し、住宅用太陽光発電の普及を促進。a16z cryptoやCoinbase Venturesも参加。
06:20
金・銀が年初来60%超上昇、ビットコインは追いつけるか?
金の時価総額が30兆ドルを超え、年初来63%上昇した一方、ビットコインは14.5%増に留まっている。米中貿易緊張と金利低下が金の需要を押し上げ、ビットコインは調整局面にある。
05:40
仏当局、バイナンス含む数十の仮想通貨取引所にマネロン検査
フランスの監督当局ACPRがバイナンスなど数十の仮想通貨取引所にマネーロンダリング対策の検査を実施。EU全域での営業許可付与に向け、登録条件への準拠状況を確認する狙いだ。
10/17 金曜日
18:53
3メガバンク、円建てステーブルコインを共同発行へ 導入第一弾は三菱商事=報道
三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが円建てステーブルコインを共同発行。信託型により高い安全性を実現し、クロスボーダー送金のコスト削減を目指す。プログマのシステムを活用し今年度内に実用化予定。
17:56
ファンプラのIEO参加方法と注目ポイント|コインチェックの実績、申込前に知るべき情報まとめ
音楽ファンクラブ運営大手Fanplusと協業するFanplaは14日、暗号資産「Fanpla(FPL)」のIEO(Initial Exchange Offering)をコインチ…

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧