OpenSeaのブロックを推奨
急成長中のNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスBlurは16日、ロイヤリティ(クリエイター報酬)についての記事を発表。当面の推奨事項として、最大手の競合マーケットプレイスOpenSeaをブロックすることをクリエイターに提案した。
NFT市場のロイヤリティは、一般にNFTのプラットフォーム上でNFTが二次流通以降で販売される際にクリエイターに入ってくる報酬のことである。
現在クリエイターは、BlurとOpenSeaに出品していても、両方のマーケットで同時にロイヤリティを得ることはできない。OpenSeaの規約が、そうした制限を設けているためである。
Blurは、クリエイターがこの問題に対応する方法として「BlurとOpenSeaのどちらもブロックしない」「Blurをブロックする」「OpenSeaをブロックする」の3つの選択肢を挙げた上で、「OpenSeaをブロックする」という選択を推奨した。
Blurをブロックした場合は、Blurの競争入札機能が使えなくなる。Blurは、入札機能は取引高の増加などクリエイターにメリットをもたらすものであるため、これが使えないことは損になると主張している。
さらに、BlurはOpenSeaでの取引をブロックするNFTコレクションに対しては、インセンティブとして、トレーダーに、ロイヤリティの全額支払いを強制すると述べた。
また、この推奨事項は、OpenSeaが規約を変更するまで有効なものだとも続けている。OpenSeaが、他のマーケットプレイスに出品されているNFTについてもロイヤリティを得られるようにすることが最善だとする姿勢を示した形だ。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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エアドロップにより取引高急増
Blurは、手数料ゼロと高速アグリゲーション(集約)モデルで急速にトレーダーを獲得しているところだ。OpenSea、X2Y2、LooksRareなど他のNFTマーケットプレイスで販売されているNFTを集約して(まとめて)掲載している。
ブロックチェーン分析企業Nansenによると、Blurの取引高は、独自トークンBLURのエアドロップにより、2月15日から急増しているところだ。1日の取引高としては、最大手OpenSeaも追い抜かしている。
Daily volume on @blur_io shot up since the $BLUR airdrop 🔥🔥🔥 pic.twitter.com/yrIWrB83MK
— Nansen 🧭 (@nansen_ai) February 16, 2023
15日、Blurでの取引高は約13億円(約950万ドル)だったところ、OpenSeaでの取引量は約12億円(約860万ドル)だった。16日にはBlurでの取引高はさらに伸びており、約17億円(約1,300万ドル)に到達。OpenSeaは同日約11億円(約830万ドル)だった。
30日間でみると、Blurの取引高が約114億円(約8,500万ドル)であるのに対し、OpenSeaは約360億円(約2.7億ドル)とまだ差がある状況だが、これからの動向が注目される。
Blurは、現在進行中の投資ラウンドで企業評価額が約1,300億円(10億ドル)に上ることが判明したところだ。
Blurはプロジェクトの分散化を図っており、その際にもBLURトークンが活用されることになる。BLURトークンの保有者が参加するDAO(自律分散型組織)の設立が計画されているところだ。DAOは、プラットフォームの各種ポリシーなどを管理していくことになる。
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DAOとは
「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。
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