USDCによる国際送金が可能に
ジブラルタルに拠点を置くビットコイン(BTC)カストディアンであるXapo Bankは20日、ステーブルコインUSDCを発行する米サークル社と提携して送金システムを提供すると発表した。
We are pleased to be the first bank in the world to fully integrate with USDC, enabling our members to send and receive USDC from their US Dollar accounts, no fees charged.
— Xapo Private Bank (@xapoprivatebank) March 20, 2023
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Xapo Bankはプライベートバンクとして銀行免許を取得しており、普通預金口座などのサービスも提供している企業だ。
Xapo Bankのユーザーは、従来から国際決済に使われているSWIFTを回避して、代わりに、ステーブルコインUSDCで入出金できるようになる。この際にXapo Bankが手数料を徴収することはないため、ユーザーはコストを節約し、迅速に送金することが可能だ。
SWIFTとは
SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)は、銀行間の国際送金を可能にする通信ネットワークを提供する非営利法人。世界200ヵ国以上の11,000以上の金融機関を接続しており、40億以上の金融口座に送金サービスを提供している。
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Xapo BankのSeamus Rocca CEOは、次のように説明した。
当社のUSDC決済システムは、スピードと低コスト、さらに当局の認可を受けたプライベートバンクによるセキュリティを得られる画期的なものだ。
Xapo Bankで自動的に米ドルと変換されるUSDCの入出金を可能にすることで、仮想通貨を持つユーザーに、貯蓄のための安全な場所を提供する。
Xapo Bankは、USDCから米ドルへの交換レートを1:1で提供。Xapo BankにおけるすべてのUSDC預金は自動的に米ドルに変換される。これは預金利息の対象となる。
Xapo Bankは、以前から口座にUSDCを預け入れて、即座に米ドルとして貯蓄できる機能を備えており、今回USDCによる送金機能も追加した格好だ。
Xapo Bankとは
Xapo Bankは、2013年に設立され、大手ビットコインカストディアンに成長。その後、銀行免許も取得した。将来的には、資産管理や、担保付き融資、資産保護などのプライベートバンキング・サービスも提供する計画だ。
また、ジブラルタル預金保証制度(GDGS)に加盟しており、約1,300万円(10万ドル)までの米ドル預金を保証している。すべての預金は、入金時に米ドルに自動変換されるため、ユーザーは、仮想通貨市場に対するエクスポージャー(ポートフォリオが価格変動に影響を受けること)を持たずに保護を受けられる仕組みだ。
従来型銀行のような融資は行っておらず、顧客資金をすべて保有。高い信用格付けを持つ、短期債券などに投資しており、その利益を4.1%の金利という形でユーザーに還元。諸経費を補うため、ユーザーには約19,000円(150ドル)の会費を課している。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
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USDC準備金の状況
USDCは、サークル社のパートナーだったシグネチャー銀行やシリコンバレー銀行(SVB)が事業閉鎖した関係で、一時的に0.88ドル前後に下落し、米ドルとのディペッグを起こしていた。
現在は1ドルに価格が回復している。サークル社のジェレミー・アレールCEOは13日、USDC準備金の安全性を強調。現在SVBに預けている現金については、BNYメロン銀行へ移管をする予定だと説明した。
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