CoinPostで今最も読まれています

コインベースの L2「Base」、重点的に取り組むべき4分野で開発呼びかけ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

開発者への要望

米大手暗号資産(仮想通貨)コインベースが開発を主導するイーサリアムの独自L2ネットワーク「Base」は25日、「開発者への要望」と題し、重点的に取り組んでもらいたい四つの分野を発表した。

あなたは、オンチェーン経済の成長に情熱を注ぐビルダーですか? でも、何から始めようかと探していませんか?
私たちは、Baseでビルダーが研究することを望む4つの分野を「ビルダーへの要望」として公開しました。(Baseエコシステムファンドからの資金提供があります)

Baseは、「次の10億人のユーザー」をブロックチェーンに呼び込むという「野心的な目標」に向けて、共同で取り組むことをビジョンに掲げている。安全かつ安価で、開発者も使いやすいネットワークを提供することを目的としており、すでにテストネットで活発な開発が行われている。

コインベースによると、「BuildonBase」テストネット上では最初の1週間で、1万8,000人を超える開発者によって5万5,000以上のスマートコントラクトのデプロイが行われたという。

2月23日の発表から3週間で、さまざまな開発のアイディアや提案が寄せられたが、Baseはオンチェーン経済の成長に欠かせない重要な分野として、以下の四つに絞り込み、開発を呼びかけた。

  • フラットコイン:インフレ率を追跡するステーブルコイン
  • オンチェーンの評価構築
  • オンチェーンの指値注文板取引所
  • より安全なDeFi

レイヤー2とは

「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。

▶️仮想通貨用語集

関連:米コインベース、イーサリアムの独自L2ネットワーク「Base」をローンチへ

四つの探求分野

Baseが開発分野の一つとして挙げたのは、分散型ステーブルコインに関するデザインで、中でも「フラットコイン」(Flatcoin)という、インフレ率を追跡するステーブルコインに関心があるという。フラットコインは、「従来の金融システムによって引き起こされる経済的不確実性」からの回復力を維持しつつ、ユーザーの「購買力の安定化」を図ることを意図している。

また、法定通貨と紐づけられず、むしろペグされたコインと仮想通貨の間を埋めるような他の形態の「フラットコイン」も歓迎するとした。

次にBaseは、オンチェーンの信頼構築に関する研究分野を取り上げた。Baseは「オンチェーンが次のオンラインであり、分散型アイデンティティと評判が、個人のオンチェーンの人物像を定義する上で重要な役割を果たすと考えている」と強調している。

ブロックチェーン上での信用を評価するプロトコルや、ユーザーのプライバシーと自律性を維持しつつ、このようなシステムがどのように活用できるかについて研究しているチームを求めているという。

また、プロのトレーダーや機関投資家に向けた分散型で指値注文の板取引が可能な取引所(分散型LOB取引所)の設計にも注目しているという。高い処理能力を備えたBaseは、現物取引、指値注文、オプション、パーペチュアルなど、新しい仕組みの設計において「多くの新たな機会」を提供すると主張している。

さらに、より安全なDeFi環境を提供するためには、スマートコントラクトが失敗した場合に備えた緊急対策となる優れたツールが必要になる。

たとえば、スマートコントラクトのコードの脆弱性やプロトコルのロジックエラーから保護できるツール、エコシステムへの攻撃の影響を軽減するためのツール、オンチェーン保険やカバープロトコルなどが考えられる。

第四の分野として、Baseはユーザーや開発者の資金をブロックチェーン上に安全に保管することを可能にするシステムやプロトコル、ツールを構築している開発者を求めているという。

関連:分散型取引所GMX、コインベースのL2「Base」で展開を検討

Baseについて

コインベースは、2月にイーサリアムのL2ネットワークBaseのローンチを発表した。Baseは、ロールアップの仕組みで稼働する「Optimism」の技術を活用。イーサリアムのセキュリティを利用しながら、拡張性の高いdAppsを開発する際の基盤になることを目的としている。

さしあたってコインベースがこれまでの経験を活かして開発するが、その後は徐々にネットワークを分散化する計画だ。ガス代の支払いにはETHを使い、Baseの独自トークンを発行する予定はないと説明している。

ロールアップとは

メインのブロックチェーンのセキュリティを活用しながら、トランザクションの一部をオフチェーン(ブロックチェーン外)で処理することにより、ネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューション。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/11 金曜日
13:44
仮想通貨DEX大手Uniswap、独自のイーサリアムL2「Unichain」を発表 
DEX大手Uniswapは1、新たなイーサリアムL2ソリューション「Unichain」の立ち上げを発表した。Unichainは低コストで高速なトランザクションと分散化を推進し、クロスチェーン相互運用性を高める。
12:55
米CPI発表などでビットコイン下落、クジラは過去半年間BTC買い占め
仮想通貨市場で米政府によるビットコイン対象清算の可能性が懸念され、市場参加者の間で警戒感が高まっている。昨夜発表のCPIはBTCの価格を一旦押し下げた。
11:35
ブロックチェーンで牛を追跡するCattleProof、米農務省から公式認定取得
家畜のデジタルID管理を行うCattleProofが、ブロックチェーンを活用したもので初めて米農務省のプロセス検証プログラム認定を取得。トレーサビリティ向上へ。
10:00
メタプラネットが10億円分ビットコイン追加購入、今週二度目
仮想通貨オンチェーン追跡ツールのArkham Intelligenceはメタプラネットの保有特設ページを公開。マイクロストラテジーやブラックロック、米政府のアドレスのように、ビットコイン保有数のリアルタイムトラッキングが可能となった。
09:45
ビットコインを公式通貨とする未承認国家「リベルランド」、トロンのサン氏を首相代行に指名
自称国家リベルランドが、トロン創設者ジャスティン・サン氏を首相代行に指名。仮想通貨とブロックチェーンに重点を置きビットコインを公式通貨としている。
08:55
マウントゴックス、弁済期限を25年10月末まで1年延長
マウントゴックスは弁済期限を25年10月末まで1年延長すると公表。仮想通貨ビットコインの売り圧軽減につながる可能性があるとの声が上がっている。
08:15
ドバイ仮想通貨規制当局、7つの無許可事業体に罰金と停止命令
ドバイの仮想資産規制当局(VARA)は、必要なライセンスを取得せずに営業し、マーケティング規制に違反した7つの事業体に対して罰金を科し、業務停止命令を出したと発表した。
08:00
トランプ氏の仮想通貨プロジェクト「WLF」、2200億円の評価額で445億円調達へ
米国のドナルド・トランプ前大統領と息子たちが関与する仮想通貨DeFiプロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」が、来週からトークンの初期販売を開始する計画が明らかになった。
07:30
リップル社、米SECを交差上訴へ
リップル社が仮想通貨XRPを巡る裁判で米SECを交差上訴へ。もう争点は残されていないことを明確にすると同社の最高法務責任者が述べている。
06:35
リップル、Ripple Custody拡充
米リップルは10月10日、銀行やフィンテック企業向けの仮想通貨カストディサービス「Ripple Custody」の機能を大幅に拡充したと発表した。
06:15
米SEC、カンバーランドを仮想通貨取引の「無登録ディーラー」として告発
米証券取引委員会は10月10日、仮想通貨取引会社カンバーランドDRWに対し、無登録のディーラーとして3,000億円以上の仮想通貨産取引を行ったとして訴訟を提起した。
10/10 木曜日
15:00
ステーブルコイン需要、ラテンアメリカで急増=Chainalysis
チェイナリシスの最新レポートによると、ラテンアメリカでステーブルコインの需要が急増している。同地域においてステーブルコインは、自国通貨の価値下落への対策として、重要な金融ツールとなっている。
14:05
イーサリアム創設者ヴィタリック氏、ノーベル経済学賞候補に値する? 著名経済学者が評価
著名経済学者コーエン氏とタバロック氏が対談。イーサリアム共同創設者ヴィタリック氏がノーベル経済学賞に値すると評価。ビットコイン創設者サトシ・ナカモトについても言及。
13:15
Bitlayer Labs、13億円追加調達 ビットコイン基盤のレイヤー2ネットワーク開発を加速
ビットコインのレイヤー2ネットワークを開発するBitlayer LabsがシリーズAの延長ラウンドで900万ドルの資金調達に成功した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア