満を持して代表復帰へ
国内大手暗号資産(仮想通貨)交換業者を運営するbitFlyer Holdingsは、創業者で大株主の加納裕三氏が代表取締役に復帰することを発表した。30日の株主総会で新たな取締役の選任が決議された。
bitFlyerは2018年6月、暗号資産取引所コインチェックの大規模ハッキング事件を受けた金融庁の一斉立入検査において、内部管理体制が不十分だとして「業務改善命令」を下された交換業者の内の一つ。加納氏は経営責任を問われ、2019年に社長を辞任した経緯がある。
しかしその後、経営方針の対立などから4度に渡って社長交代が続いたほか、加納氏の承諾を得ずに投資ファンド主導の買収交渉が進んでいたことが発覚するなど、内部の混乱が取り沙汰された。
暗号資産デリバティブ取引における厳しいレバレッジ(証拠金取引)規制も重石となりbitFlyerなど国内取引所の求心力低下が指摘される中、加納氏は今年2月、経営改革を加速するためbitFlyerの代表復帰を宣言していた。
日本のweb3業界の発展を加速します。
— 加納裕三@bitFlyer (@YuzoKano) February 27, 2023
bitFlyer BlockchainとbitFlyer(取引所)を融合するため、取引所の代表に戻り兼任しようと思います。
「もう一度、世界で戦うビットフライヤー」
皆さま、応援よろしくお願い致します‼https://t.co/1nZSIPZMJM
昨今では、岸田政権がweb3を推進するなど国内でも機運が高まりつつある中、web3業界に精通し、推進力のある加納氏の社長復帰が利用者からも望まれていた。
今後は経営改革を加速し、株式市場での新規株式公開(IPO)を目指すという。
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