CoinPostで今最も読まれています

米SEC、投資顧問会社の報告様式改正 「デジタル資産」の定義削除

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「デジタル資産」の定義は最終案で削除

米証券取引委員会(SEC)は3日、SECに登録された特定投資顧問事業者のための報告書「Form PF(様式PF)」の改正を採択した。最終案では、暗号資産(仮想通貨)含む「デジタル資産」の定義を削除している。

SECは、2022年8月の草案ではデジタル資産の定義を盛り込んでいたが、最終的に削除し、次のように述べた。

「Form PF Glossary of Terms(様式PF用語集)」に新しい用語として 「デジタル資産」を追加することを提案した。

SECとその職員は、この用語の検討を続けており、現時点ではこの規則の一部として「デジタル資産」という言葉を採用することはない。

まだ「デジタル資産」という言葉を採用するかどうかや、その定義などを検討している段階であると示唆する形だ。なおSECは22年8月の案では、次のように「デジタル資産」を定義していた。

分散型台帳またはブロックチェーン技術を用いて発行・送信される資産で、いわゆる「仮想通貨」、「コイン」、「トークン」を含むが、これらに限定されない。

もしデジタル資産の定義がそのまま組み込まれていれば、それはデジタル資産の定義についての、SEC初の公式表明になっていた可能性がある。

なお、様式PFは、一定の基準以上の資産を持つプライベートファンド(PF)を運用する投資顧問会社に提出することが義務付けられているものである。保有資産の種類、レバレッジ、カウンターパーティーの信用リスクなどを定期的にSECに報告することが目的だ。

今回の様式改正は、プライベート・ファンドの規模や資本市場との結びつきが以前より強くなっていることを受けてなされた。当局によるリスク評価能力を高め、監督や投資家保護を強化する狙いがある。

仮想通貨規制の明確化を望む声

今回、デジタル資産の定義が削除された理由は明かされていない。SECは、仮想通貨についての明確なガイドラインを提示せずに、恣意的に取り締まりを行っているとして批判されているところだ。

これに関連して、米大手仮想通貨取引所コインベースは、SECに対して2022年に、「仮想通貨業界に関する規制の明確化を求めるペティション(署名文書)」を提出していた。

しかしその後、SECは公式回答を示しておらず、コインベースに対しても、法的措置を講じる予定だと伝える通知を送付。コインベースはこれを受けて、裁判も辞さない構えを見せているところだ。ペティションへの回答を求めて提訴も行った。

SECは特に「未登録証券」を提供していたとして仮想通貨企業に対して法的措置を取ってきたが、何が「証券」にあたるのかなどを事前に明確化していないと批判されている。

関連米コインベース、SECに対する反論を公開 未登録証券問題めぐり

関連コインベース、「規制の明確化」求めて米証券取引委員会を提訴

DeFiに関する規則改正

米SECは、証券取引所に対する規則の改正についても検討しているところだ。従来の証券取引所に対する規則を、DeFi(分散型金融)にも適用できることを明確化する提案を4月に議決しており、現在パブリックコメントを募集している。

関連米SEC、DeFiに証券取引所の規則を適用する提案を議決

DeFi(分散型金融)とは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア