はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Uniswapの手数料分配案で投票、コミュニティ意見分かれる

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Uniswapの手数料収益

分散型取引所(DEX)Uniswapでは、一定以上の取引量を処理する流動性プールに対し、手数料収益の分配先を変更し、コミュニティ全体に還元するという提案についての投票が終了した。

コミュニティの45%以上が現状の手数料設計を維持するよう投票し、この提案が通過するには十分な賛成票を得られなかった。それに対して、42%は特定の流動性プールから生じる手数料の5分の1をマーケットメイカーに徴収した上でコミュニティに還元する方針に投票した。

手数料設計については再検討され、新たな提案に基づいて、再度投票が行われる予定だ。

Uniswapは、自動マーケットメイカー(AMM)と呼ばれる自動取引システムを採用している。これは、市場での取引が円滑に進行するように、マーケットメイカーが「流動性プール」と呼ばれるスマートコントラクトに資産を提供し、そこで発生する手数料を収益として得るシステムだ。

これまで、Uniswapにおけるトークン取引の手数料収益は、全額が流動性プロバイダー(LP)に支払われていた。だが昨年末から、この手数料を流動性プロバイダー、プロトコル財務、そしてトークン保有者の間で分配することについて議論が行われてきた。

5月に提出された正式な提案では、年間で約134万円(1万ドル)以上の収益をあげる定期的な取引が行われる流動性プールの手数料変更が焦点とされた。提案者であるGFX Labsは、Uniswapでは利益を最も大きく上げているLPの作成者はプロのマーケットメイカーであり全額の返金を必要ない、と主張した。

マーケットメイカーとは、市場の流動性を確保し、取引を円滑に進行させる役割を担う。本来、マーケットメイカーは買い注文と売り注文の間にあるスプレッド(価格差)を利用して収益を上げる。購入希望者からは高めの価格で購入、売却希望者には安めの価格で売却し、その差額が利益となる。

そのため、大手取引所であるバイナンスやコインベースなどの従来型プラットフォームなどでは、マーケットメイカーは市場に流動性を提供するため、その対価として手数料を支払っている。

この提案が可決されれば、プロトコルの財源に資金を補充するとともに、ネイティブトークン「UNI」の保有者に対する報酬の還元も期待できる。これにより、多くの有権者の支持を得ることを狙っていた。

関連:AMM(自動マーケットメイカー)とは|仕組みやリスクを解説

ステーブルコイン市場動向

提案に対しては一部のユーザーから支持の声が上がったが、一方でLPの収益が減少する可能性から、LPが他のサービスへと移行するリスクもあるとして、慎重な態度を取る意見も見られた。

さらに、手数料還元のスキームには証券・税務上の問題が伴う可能性がある。Uniswapを運営するUniswap Labsは米国に拠点を置いており、SEC(証券取引委員会)による調査を受けているとの報道も存在する。UNIトークン保有者に手数料収益を還元する仕組みは、米国の証券法により証券と認識される可能性があるため、これに関するリスクを指摘する声も上がっている。

また、Uniswap V3は今年4月1日にビジネスライセンス(コードの商用利用許可)が失効し、これが競合他社によるコピープロダクトの乱立を助長するとの指摘も出ている。

データプラットフォームのCoinGeckoによると、Uniswapは現在、分散型取引所(DEX)市場を牽引している。特にイーサリアムブロックチェーン上で稼働するUniswap V3は、過去24時間だけで約6億7000万ドル(約940億円)の取引量を処理し、全体のDEX市場において31.8%のシェアを持つ。

また、イーサリアムのスケーラビリティを高めるレイヤー2ソリューションであるArbitrum(ARB)、Optimism(OP)およびPolygon(MATIC)で運用されているUniswapの取引量を加えると、Uniswapは全体のDEX市場のほぼ50%を占める規模となる。

関連:分散型取引所Uniswap、特定の流動性プールに手数料導入を検討する理由

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/12 金曜日
13:55
コインベース、予測市場とトークン化株式ローンチ予定=ブルームバーグ
米最大手仮想通貨取引所コインベースが12月17日に予測市場とトークン化株式を発表予定。ジェミニのCFTCライセンス取得やDTCCのトークン化承認など、業界の競争激化と規制進展が加速している。
13:20
テラフォームラボのド・クォン創業者に懲役15年の判決 ステーブルコインUST崩壊背景に
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていた。
13:10
YouTube、クリエイター報酬でペイパルのステーブルコイン支払いに対応
フォーチューン誌によると、ユーチューブが動画プラットフォームのクリエイターに対し、ペイパルのステーブルコインPYUSDでの報酬受け取りを選択できるようにした。現在は米国ユーザーのみに適用される。
11:53
ビットコイン9万ドル割れから反発、売り圧力後退も流入資金は半減
12日の暗号資産市場でビットコイン(BTC)はFOMC後に一時9万ドルを割り込んだが米国時間にかけて反発した。ただアナリストは売り圧力減少による反発と指摘し、ステーブルコイン流入が8月比50%減の760億ドルまで縮小した。新たな流動性回復まで上昇は限定的で、週足9万3000ドル確保が強気継続の条件に。
11:35
コインベース、ソラナ系トークンの直接取引を開始 上場審査不要で即時売買
米仮想通貨取引所大手コインベースが、アプリ内でソラナ系トークンをDEX経由で直接取引できる新機能を発表。従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能。1.2億ユーザーに順次展開予定。
11:04
国税庁が調査結果を発表、暗号資産取引の追徴税額46億円に
国税庁が令和6事務年度の調査結果を公表。暗号資産取引に対する追徴税額は46億円で前年比31%増、1件当たり745万円と全体平均の2.5倍に。政府は分離課税導入に向け調整を進めている。
10:02
米上院銀行委員会長、仮想通貨「クラリティ法案」で銀行幹部らと協議
米上院銀行委員長がビットコインなど仮想通貨の市場構造を定める法案で銀行業界と協議し、進展があったと報告した。ステーブルコイン利回りやDeFiが法案の争点となっている。
09:49
米CFTC、仮想通貨取引の引き渡し規則を撤廃 規制緩和へ
米CFTCが仮想通貨の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回。ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘し、規制簡素化へ。12月には現物取引承認やパイロットプログラム開始など、トランプ政権下で仮想通貨規制の整備が加速。
09:35
コインベース、ラップドトークン向けにチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用
仮想通貨取引所コインベースはチェーンリンクのクロスチェーン技術を採用。ビットコインのcbBTCやイーサリアムのcbETHなどラップドトークンの送金に活用する。
09:25
米決済機関DTCCがトークン化サービス開始へ、SECから許可
米預託信託決済機構DTCCの子会社DTCがSECから無措置書簡を取得し、DTC管理下の実世界資産をトークン化する新サービスの提供が承認された。2026年後半にサービス展開を開始する予定だ。
08:20
ビットコイン、年末サンタ・ラリーの可能性低下 FRB利下げ後=アナリスト分析
FRBが25ベーシスポイントの利下げを実施した後、ビットコインが約9万ドルまで下落した。アナリストは年末のサンタ・ラリーが起こりにくいと分析しており、強気の確信は2026年初頭に先送りされている。
07:35
ステート・ストリートとギャラクシー、トークン化キャッシュ運用ファンドをローンチへ
ステート・ストリートとギャラクシーは、トークン化したキャッシュ運用ファンドのローンチ計画を発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、将来的にはステラやイーサリアムなどにも拡大するとした。
06:55
米大手銀バンク・オブ・アメリカ、ビットコイン担保融資の準備進める=報道
資産規模1.7兆ドルのバンク・オブ・アメリカがビットコイン担保融資商品の準備を進めていると報じられた。主要米銀行による仮想通貨担保融資の提供は、仮想通貨と伝統金融の統合における重要な一歩となる。
06:15
英上場企業サツマ・テクノロジー、保有BTCの約半数を売却 社債返済目的で
英国のビットコイン関連技術企業サツマ・テクノロジーが11日、保有する1199BTCのうち579BTCを売却し、約4000万ポンドの純収入を得たと発表した。売却後も620BTCを保有し現金約9000万ポンドを確保している。
05:55
21シェアーズがXRP現物ETFを上場、「TOXR」で取引開始
スイスの資産運用会社21シェアーズが11日、XRP現物ETFを米CBOE取引所に上場した。コインベース、アンカレッジ・デジタル・バンク、ビットゴーがカストディアンを務める。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧