リップルのシンガポール展開
米リップル社は21日、シンガポール金融管理局(MAS)から「原則承認ライセンス」を取得したことを明らかにした。これは大手決済機関(MPI)として事業を展開するための重要な手続きの一つだ。
今回は、「Ripple Markets APAC Pte Ltd」が、規制されたデジタル決済トークンのプロダクトおよびサービスを提供する許可を得た格好だ。同企業はリップル社のグローバル事業部門のシンガポール支社に当たる。
この動きは、シンガポールだけでなくアジア太平洋地域全体における暗号対応決済の顧客利用をさらに推進するための一環だと、リップル社は説明している。リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは以下のように述べた。
MASから原則承認ライセンスを取得したことで、我々はシンガポール地域への強いコミットメントと、世界各国の規制当局との持続的かつ積極的な協働を再確認できたことを非常に誇りに思っている。
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シンガポール中銀のビジョン
リップル社によると、2022年に同社の決済ソリューションは、アジア太平洋地域全体での顧客数の大幅な伸びを遂げたという。シンガポールオフィスのスタッフも倍増し、地域のニーズに応えるべく取り組んでいる。
MAS(Monetary Authority of Singapore)はシンガポールの中央銀行に相当する金融機関だ。”原則承認ライセンス”は、特定の活動やサービスを提供するための正式なライセンス取得の前段階を意味する。
リップル社の最高法務責任者スチュー・アルダロティは、「この原則承認ライセンスは、リップル社が特定の活動を開始するための重要な一歩だ」と強調した。
仮想通貨の規制枠組みを整備する多くの国がシンガポールの先進的な取り組みを参考にしている。MASからのこの承認により、我々はブロックチェーンや暗号資産技術を中心に、国境を超えた金融システムの構築を図る顧客への支援をさらに強化できるだろう。
MASはシンガポールをフィンテックの中心地として推進し、革新的かつ責任のあるデジタル資産のエコシステム(経済圏)をシンガポールに確立しようとしている。
その一環で、MASはこれまでに20社弱の仮想通貨関連企業に対して原則承認とライセンスを付与してきた。米サークル社も6月初旬にシンガポールで主要決済機関ライセンスを獲得したことを発表。この結果、同社はシンガポール市場において、機関顧客がUSDコイン(USDC)を利用できるようにする送金サービスやデジタル決済トークンサービスを提供できるようになった。
MASはまた、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化された銀行預金、ステーブルコインなどで使用できる共通プロトコル「Purpose Bound Money:PBM(目的限定型マネー)」のホワイトペーパーを21日に発表したばかり。PBMプロトコルは、MASが国際通貨基金(IMF)、イタリア銀行、韓国銀行、その他の金融機関やフィンテック企業と協力して構想したものである。
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