米仮想通貨規制にコメント
イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は6月30日、米国の暗号資産(仮想通貨)規制について感想を求められ、ツイッターで回答した。
The one comment I'll make is that I feel bad that @solana and other projects are getting hit in this way. They don't deserve it, and if ethereum ends up "winning" through all other blockchains getting kicked off exchanges, that's not an honorable way to win, and in the long term…
— vitalik.eth (@VitalikButerin) June 30, 2023
ブテリン氏は、ソラナ(SOL)や他のプロジェクトが現在、打撃を受けていることを残念に思うとコメント。具体的な組織名などは出していないが、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスとコインベースを提訴した際、ソラナなど複数の仮想通貨を有価証券とみなしたことについて述べていることは明らかだ。ブテリン氏は、SECの判断は適切ではないとの見解を示している。
そして、もし他の全ての仮想通貨が取引所から上場を廃止されてイーサリアムが「勝利」することがあっても、それは名誉ある勝ち方ではないと主張。長期的には、それは勝利ですらないとコメントしている。その上で「本当の競合相手は他のブロックチェーンではなく、現在も拡大している中央集権型の世界だ」と述べた。
ブテリン氏は最後に、全てのすばらしいプロジェクトに公正な結果がもたらされることを望んでいると結んだ。
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取引所やプロジェクトも反論
SECはバイナンスとコインベースを提訴する際、ソラナ以外にもポリゴン(MATIC)やエイダ(ADA)など複数の銘柄を有価証券の例として挙げた。
この提訴の後、米国のロビンフッドやBakktらが、ソラナ、ポリゴン、エイダの上場廃止を発表。ブテリン氏は、このような現状について述べている。
なお、バイナンスやコインベース、有価証券の例に挙げられたプロジェクトは、SECの判断に反論。29日にはコインベースがSECの訴訟に対し、回答書を提出した。
回答書の中でコインベースは、SECが有価証券とみなしているトークンは投資契約ではなく、SECはその権限を超えた訴訟を行っていると主張。そして、SECの申し立てを却下するよう求めた。
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有価証券認定の影響
SECについてはこれまで、有価証券と判断する理由を明確に示すことなく規制の執行措置を継続していると批判が多く上がっているが、SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は「ルールはすでに提供している」と一貫して主張。SECの判断の根拠に大きく影響しているのが、ハウィーテストだ。
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ハウィーテストなどに従い、特定の銘柄が有価証券とみなされると、その銘柄を扱う取引所はSECの監督下に置かれることになる。SECの監督下に置かれれば、投資家保護が強化されたり、サービスの信頼性が向上したりするなどポジティブな面もある。
一方で、仮想通貨サービスを提供する企業にとっては、事前登録や情報開示など、規制対応への負担が大幅に増加。それによってサービスを提供するために必要なコストやリソースが増えることになる。規制によって投資家の取引コストが増加すれば、資産としての魅力が減ってしまうことにもなりうる。
ハウィーテストとは
米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件に由来する。
法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。
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