ステーブルコインの透明性
暗号資産(仮想通貨)の米ドルステーブルコイン「USDT」などを発行するテザー社は24日、透明性を高めるためのレポートを更新した。
このレポートは、毎日更新されている。USDTについては、24日時点の資産総額は861億ドル(12.6兆円)超。負債総額は828億ドル(12.1兆円)超で、およそ33億ドル(4830億円)の超過があるとした。100%超の割合で資産があるということは、USDTの償還に即座に応じられる状態を維持していることを意味する。
一方、同社が発行するユーロステーブルコイン「EURT」、メキシコペソのステーブルコイン「MXNT」など他の通貨については、超過分があまりなかったり、資産と負債が同額だったりしている。ただし、1:1の割合で裏付けられてはいるようだ。
また、このレポートには、許可はされているが発行・流通していない数量も掲載している。USDTでこの数量が最も多いのはソラナ(SOL)のブロックチェーン。ソラナでは、およそ10億ドル(1,548億円)相当が未発行であると示されている。
許可済みのトークンを準備しておく理由についてテザー社は、主に顧客の需要に応えられるようにしておくこと、承認者が秘密鍵にアクセスする回数を最小限に抑えるためだと説明している。
ステーブルコインとは
価格が常に安定するように設計された仮想通貨のこと。法定通貨または仮想通貨に価値が裏付けられていたり、アルゴリズム等で価格を安定させたりする様々なステーブルコインが開発されている。
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四半期レポート
テザー社は上記のレポート以外にも四半期ごとに準備資産額を公開している。四半期ごとのレポートは、監査法人が作成を担当。先月末に発表した2023年2Q(4月から6月)のレポートでも、連結負債総額は832億ドル超であるのに対し、連結資産総額は864億ドル超で、現在と同水準の超過があった。
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23年2Qのレポートには、当時のレートでビットコイン(BTC)を16.7億ドル(2,385億円)相当、ゴールドを32.7億ドル(4,653億円)相当保有していることも記載している。
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サポートの終了
テザー社は今月18日、3つのブロックチェーン「Kusama」「Omni Layer」「Bitcoin Cash SLP」のサポートを終了すると発表した。
サポートを終了する主な理由は需要の減少で、その際、活発なエコシステムを維持する責任から周期的にサポートするブロックチェーンの見直しを行なっていると説明した。
なお、状況が変われば再サポートを検討するとも主張。そして、USDTの新規発行は17日に終了しているが、償還は最低12カ月間は可能であるなどと述べている。
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