現物ETFの需要
四大会計事務所の1つ「アーンスト・アンド・ヤング(EY)」でグローバルブロックチェーン部門のリーダーを務めるPaul Brody氏は23日、「CNBC」の番組で暗号資産(仮想通貨)ビットコインの現物ETF(上場投資信託)について語った。
米証券取引委員会(SEC)が何年も現物型のビットコインETFを承認しないことで、機関投資家の需要が押さえつけられていると主張。機関投資家は、ETFまたは規制の恩恵のある商品でないと基本は投資をしないと指摘した。
SECがビットコインの現物ETFを承認することで、多くの投資マネーが流入すると期待する声は多く上がっているが、Brody氏の考えも同様。SECがビットコインの現物ETFを承認すれば、機関投資家マネーが流入すると予想している。
ほかにもBrody氏は、投資家はビットコインを資産として購入しているとし、決済手段として購入しているわけではないとも指摘。一方、イーサリアム(ETH)はDeFi(分散型金融)などのコンピューティングプラットフォームとして買われているとの見方を示した。
また、ビットコインとよく比較される伝統資産「ゴールド(金)」について、両資産の違いに言及。ゴールドは価格が上昇すれば採掘量を増やすことができるが、ビットコインは事前にプログラムされているため、採掘量を増やすことができないと話した。この特徴は、需要が増えた場合に供給量の増加が一定であるため、価格上昇に圧力がかかりやすいことを意味する。
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なお、米金融大手JPモルガンは以前、ビットコインETFが仮想通貨市場の転換点になる可能性は低いと主張。ブラックロックなどの金融大手による現物ETFの提供が承認された場合でも、ビットコイン先物などの他の商品から流動性が流出するだけで、ゼロサムゲームになると予測している。
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現物ETFの状況
これまでSECはビットコインの先物ETFは承認済み。一方で現物型は投資家保護の対策が十分ではないなどと主張し、これまで一貫して承認してこなかった。
そのため現物型に対しては悲観的な見方が広がっていたが、資産運用最大手ブラックロックが申請をしたことで空気が変わった。その後、SECの懸念を払拭する仕組みを導入するETFの申請が他社からも続いている。
こういった投資家の期待は、裁判所の判決も後押しした。グレースケールが、同社のビットコイン投資信託「GBTC」を現物型のビットコインETFに転換することを認めなかったSECを提訴し、その後に裁判所は「SECの判断は恣意的かつ気まぐれなものである」と指摘している。
この裁判は23日に終止符が打たれた。米連邦巡回控訴裁判所が、SECはグレースケールのETF転換を再審査する必要があるとの8月の判断について正式な命令を下している。
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