SECのアプローチを批判
米証券取引委員会(SEC)のマーク・ウエダ委員は6日、SECの暗号資産(仮想通貨)規制アプローチを批判した。法的執行など強制的な措置を取る前に、明確な規則やガイダンスを設定することを検討する必要があるとしている。
ウエダ委員は、同僚のヘスター・パース委員と同様に、SECの仮想通貨に対する現在の取り締まり方には批判的な立場を取っていることで知られる人物だ。DeFi(分散型金融)に証券取引所規則を適用できるようにする決議でも反対票を投じている。
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ウエダ氏は、英国ロンドンで開催されたSEC規制についてのカンファレンスに出席。ある商品が証券かどうかを決める判断は恣意的なものであってはいけないとして、次のように結論を述べた。
市場参加者は、現在、運任せのゲームに参加するような状況になってしまっている。つまりそこでは、彼らの行った事業内容について、数年後になってから規制ルールが再解釈され、その結果SECの調査を受けるようなことになってしまう。
SECは市場参加者に情報開示や透明性を求めている。しかし、SEC自体も自らがその規則をどのように解釈するかについて、同様に明確に市場に説明できなくてはいけないだろう。
SECが、どのような場合にある商品が証券とみなされるのか、明確に提示していないと指摘する形だ。
SECは大手仮想通貨取引所コインベースやバイナンスはじめ、数々の仮想通貨企業に対して「未登録で有価証券を提供している」として訴訟を起こしてきた。
こうした裁判では、被告側を擁護する側から、SECは有価証券の定義を拡大解釈しているという意見がしばしば提出されている。
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また、9月に米国議会で開かれた公聴会では、リッチー・トーレス議員が、ゲンスラーSEC委員長に対して「ポケモンカードの購入は有価証券取引とみなされるか」と質問し、「投資契約」を拡大解釈することに懸念を表明する場面もあった。
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SEC(証券取引委員会)とは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
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規制や管轄範囲の明確化
ウエダ委員は今回、規制当局は一般に、市場参加者が法律遵守できるように、許可される行為と禁止される行為について事前に明確なガイドラインを設定すべきであると発言した。
したがって、SECはデジタル資産全般や仮想通貨に関する規則やガイダンスの発行を検討しなければならないと続けている。
また、連邦証券法は、問題となっている商品が証券である場合にのみ適用されるものであるため、管轄範囲を明確にすることも不可欠だと述べた。
米国では、証券についてSECが、先物やコモディティについては米商品先物取引委員会(CFTC)が監督している。米議員や市場参加者からはこれまで、SECとCFTCの間の分担を明確にすることを求める声もあがってきた。
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