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グレースケール、「GBTC」のビットコインETF転換についてブログで説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ニューヨーク証券取引所への上場に備える

米大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケール・インベストメンツは1日、「GBTCがETFとしてNYSE Arcaに上場するとどうなるか」と題したブログを公開した。

「ビットコイン現物ETFの上場承認は時間の問題である」として、現在運用する投資ファンド「GBTC」をビットコインETFへと転換し、米ニューヨーク証券取引所Arcaへ上場させることに注力していると強調した。

ブログは、同社のクレイグ・サルム最高法務責任者(CLO)とエドワード・マクギー最高財務責任者が、よくある質問に答える形でGBTC(グレースケール・ビットコイン・トラスト)の特徴とビットコインETF転換について説明したものだ。

GBTCは現在流通している全ビットコインの3%以上(62万4,947BTC:Bitcoin Treasuriesデータ)を保有する世界最大のビットコイン投資信託。2013年に機関投資家や適格投資家向けの私募としてリリースされた「クローズド・エンド型商品」であり、償還期限前の払い戻しや中途解約ができず、非上場株式市場「OTCマーケット(OTCQX)」のみで取引が許可されているものとなる。

そのため、GBTCは発行市場(プライマリー)と流通市場(セカンダリー)で価格乖離が起きやすく、2021年の強気相場ではセカンダリー価格が30%のプレミアムをつけたのに対し、弱気相場となった22年12月には48%もの割安価格(マイナス・プレミアム)を記録した。

関連:グレースケールの投資信託「GBTC」とは ビットコイン現物との価格乖離が注目される理由

ETFへの転換がもたらすもの

グレースケールは「ETFの商品構造の革新性は、プレミアムやディスカウントに対応するために、継続的に株式の設定や償還ができる裁定取引メカニズムを備えていること」と説明。そのため、GBTCがETFに変換されることによって、このようなプレミアムやディスカウント(マイナス乖離)がなくなると予想されると指摘した。

マクギー氏によると、2023年11月29日時点で、GBTCの運用資産は約3.4兆円(234億ドル)であり、8.09% (18億ドル9,000ドル≒2,772億円)のマイナスプレミアム(ディスカウント率)で取引されている。

同氏は、GBTCがETFとしてNYSE Arcaに上場した場合、現在のマイナスプレミアムがなくなると仮定すると、「裁定取引を通じて、18億ドル9,000ドルの価値が投資家に解放されることを意味する」と付け加えた。

上場時期は不確定

GBTCのNYSE Arca上場の承認時期についてサルム氏は「残念ながら確定していない」と回答。米コロンビア特別区控訴裁判所が今年8月末に、米証券取引委員会(SEC)によるGBTCのビットコインETF申請却下について、再審査を認める判決を下したことは前例のない状況であり、承認のタイムラインは不確実であると述べた。

一方、SECはこの判決に対して上訴することはなかった。11月20日には、現物型ビットコインETFへの転換申請について、グレースケールがSECと面談を行ったことが報道されており、水面下では着実に承認へ向けての動きが進行していると見られる。

現物型ビットコインETFの承認時期について、ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、「1月10日までにSECがビットコインETFを承認する可能性は90%あると考えているが、まだ保証はされていない。」とコメントしている。

関連:ビットコインETFの上場申請に新たな進展か、SECがグレースケールと面談

入念な準備

グレースケールが2018年以来初めて、GBTCの契約内容を更新したことが、11月29日に提出された書類から明らかになった。その内容は、手数料徴収を月次から日次へ変更するとともに、オムニバス口座方式を採用し株式の償還をよりスムーズにできるようにするというものだ。

また、グレースケールは2日、投資運用会社Investocoの元米州責任者で、ETFに精通したジョン・ホフマン氏を、マネージング ディレクター兼流通・戦略的提携責任者として迎え入れたと発表。Investocoは、米国最大のETF発行企業のひとつで、現在米国市場で200以上のETFを取引。その運用資産(AUM)は約62兆円(4,250億ドル)にのぼる。

関連:仮想通貨ビットコイン価格は24年に上昇加速か=グレースケール市況レポート

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