強気相場突入の見極め方
暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスのリサーチ部門は7日、「強気相場突入か?フォローすべき10のシナリオ」と題したレポートを公開。今後数ヶ月間を見通す上で、注目すべきシナリオと指標について解説した。
Since October, the global crypto market cap has risen by nearly 50%, with #Bitcoin seeing a 61% increase.
— Binance Research (@BinanceResearch) December 7, 2023
In our latest #Binance Research report, we explore the top 10 narratives to follow as we enter this new stage of the cycle.
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今年10月以降、仮想通貨市場の総時価総額は50%近く上昇し、ビットコインは 61%増となった。 最新の バイナンスリサーチレポートでは、サイクルの新たな段階を迎えるにあたり、フォローすべきトップ10のシナリオを探る。
バイナンスが着目しているのは以下の点だ。
- 相次ぐビットコイン関連の報道
- ステーブルコインの供給量回復
- NFT取引量の増加
- 仮想通貨プロトコルの手数料上昇
- DeFi(分散型金融)活動の活性化
- L1代替チェーンの発展
- Social Fiの出現
- 現実世界トークン化(RWA)の動向
- ZK(ゼロ知識証明)技術の発展
- 世界的な金利低下の可能性
時価総額上昇とステーブルコイン
バイナンスはレポートの冒頭で、仮想通貨市場の時価総額が年初来8,700億ドル(126兆円)という大幅な資産増を記録し、約110%の急成長を遂げたことに言及。そのうち、第4四半期の現在までの時点だけで、成長率が55%(5,960億ドル≒86.6兆円)と大きな伸びを見せたことに注目している。
また、時価総額ベースで上位5位を占めるステーブルコインの供給量の純変化が今四半期、2022年のQ1以来、初めてプラスに転じたと指摘。ステーブルコインの供給量は、仮想通貨投資に利用可能な資本量の尺度であるため、この動向は「前向きな兆候として評価可能」であるとレポートはまとめた。
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ビットコイン関連の活発な動き
2023年はビットコインにとって、仮想通貨の有識者から機関投資家まで、あらゆる投資家層にアピールするような数々の進展があった年だとレポートは指摘した。その結果、ビットコインの時価総額は年初来162%上昇し、他の資産クラスを大きく引き離すこととなった。
注視すべきビットコインの重要なシナリオとして、バイナンスは以下を挙げた。
- ビットコイン現物ETF(上場投資信託)承認の可能性
- ビットコインの半減期(2024年4月頃)
- ビットコイン版NFT「Ordinals」の影響
現在、米証券取引委員会(SEC)が審査中のビットコイン現物ETF申請は合計13件で、承認期限は24年1月から8月を幅があるものの、市場関係者は今後数週間以内に複数のETFが承認されると予想する。承認された場合、ビットコイン投資の利便性や信頼性が高まるため、ビットコインへの資金流入が大幅に増加すると見られている。
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また、ビットコインが半減期を迎えることによって、基本的にビットコインの希少性が増すため、「デジタルゴールド」としてのビットコインというシナリオが強化されるとバイナンスは見ている。
ビットコイン版NFT「Ordinals」は、市場の熱狂を生み、Ordinalsの取引高は3億7,500万ドル(545億円)を超え、イーサリアム版NFT取引(3億4,800万ドル≒506億円)を上回った。その影響で、ビットコインエコシステムには多くの開発者が新たに参入し、さまざまなアイディアが生み出されつつあるという。
レポートは以上を総括して、ビットコインが「その歴史上最もエキサイティングな時期の真っ只中」にあり、その進展を注意深く見守るべきだと述べた。
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マクロ経済の影響
さらに、レポートではマクロ経済の観点からも分析。その中でも米国の金融政策(金利)は、リスク性資産評価に影響を与える最も重要な要因の一つであると指摘。金利が高い状況下では、米国債などの安全資産が好まれやすく、株や仮想通貨などのリスク資産への関心が低下する傾向にある。
一方、来年半ば以降に想定される次の利下げサイクルが始まれば、投資家はより高いリターンを求めてテクノロジーや仮想通貨などの高成長セクターにも関心を寄せるようになることから、仮想通貨市場にとっては追い風となるとレポートは評価している。
米連邦準備制度理事会(FRB)の最新予測では、2024年半ばから2025年にかけての金利低下を示唆。中国人民銀行は、すでに1年物貸出金利を引き下げており、欧州でもインフレ率低下から、欧州中央銀行(ECB)による早期利下げへの期待が高まっている。