CoinPostで今最も読まれています

米IRS、事業者の仮想通貨取引の申告義務に猶予を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務省らがルールを策定予定

米内国歳入庁(IRS)は16日、インフラ投資・雇用法で定められる暗号資産(仮想通貨)取引の納税申告について、新たな規制が発行されるまでは行う必要がないと発表した。

1月1日に施行されたインフラ法の6050I修正案は、貿易または事業に従事する者に対して1万ドル以上(約147万円)の仮想通貨取引を報告することを義務付けている。これまで現金取引を対象としていた報告ルールを仮想通貨にまで広げるものだ。

インフラ法とは

8年間で1.2兆ドル(約177兆円)を道路・橋、鉄道、港湾・空港、水道、高速通信網、電力網などの国内インフラへの投資を行う。バイデン政権の経済分野の主要政策の1つ。2021年11月15日に成立。

▶️仮想通貨用語集

具体的には、送金人の氏名、生年月日、社会保障番号を政府に報告することを規定している。IRSはこれについて、移行期間の措置を次のように説明した。

今回の発表は、デジタル資産の受領を伴う取引の報告に関して、移行ガイダンスを提供する。現時点では、1つの取引(または2つ以上の関連取引)で受領額を判断する際にデジタル資産を含める必要はない。

また、米財務省とIRSが、デジタル資産の受領報告に関する手順を示すための規制を策定する予定だとも続けた。

なお、現金取引についてはこれまで通り報告が必要になるとも述べている。

米仮想通貨シンクタンクCoin Center(コインセンター)は2022年6月、このインフラ法6050I修正条項を批判し、財務省に対して裁判を起こしていた。現在は控訴審にかけられている。

この条項が実施されれば、仮想通貨による匿名の寄付が行えなくなったり、絵画やNFT(非代替性トークン)の代金を仮想通貨で受け取ったアーティストが、顧客の個人情報を政府に提出する必要が生じてしまうと申し立てていた形だ。

関連米仮想通貨シンクタンク、インフラ法の税務申告要件を「違憲」として提訴

マイナーらは「ブローカー」に該当せず

インフラ法案については、仮想通貨関連の「ブローカー」に税務報告として顧客の情報開示を求める条項があり、これについてブローカーの定義が不明確だと業界から懸念されていた。

しかし米財務省は昨年8月、マイニングやステーキングなど、分散型台帳の検証のみに従事する個人はブローカー要件を免除されるとして、この懸念を払拭している。

その際に発表された規制案は「ブローカー」を「取引プラットフォーム、デジタル資産の支払い処理業者、ウォレットプロバイダー、発行したデジタル資産の償還を定期的に行う者」と定義した格好だ。

規制案によると、仮想通貨ブローカーは、証券ブローカーと同じ規則に従うことになる。すべての顧客やトレーダーに関する情報申告や受取人明細書の提出が義務付けられる。

もし承認されれば、こうしたルールは2026年から施行される見込みだ。

ステーキングとは

特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨初心者向け特集

イチから学ぶ仮想通貨投資、ビットコインの買い方まで徹底解説 どれを買えばいい?仮想通貨(ビットコイン、アルトコイン)銘柄の選び方
人気銘柄別、日本国内の仮想通貨取引所、おすすめ5選 仮想通貨の仕組み【初心者向け図解】暗号技術と問題点について
CoinPostアプリで優位性を Twitter投稿が3億円の価値に|大企業も注目する「NFT」の仕組みと可能性
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア