MEVに対処する「Oval」をリリース
イーサリアム(ETH)をベースとするオラクルプロジェクトUMA protocolのHart Lambur共同創設者は19日、UMAが来週「Oval」と呼ばれるソリューションを立ち上げると述べた。
Next week, UMA is launching something that will elegantly reclaim >$100m of free money lost each year to MEV. https://t.co/26w96Ys8sH
— Hart Lambur (🥚,🥚) (@hal2001) January 18, 2024
これにより、様々なレンディング(融資)プロトコルがMEV(Maximum Extractable Value=最大抽出可能な価値)のために失われている巨額の価値を取り戻すことができるとしている。
MEVとは、主に採掘者(PoSではバリデータ)などがブロックチェーン上でのトランザクション順序を並べ替えることで得る追加収入のことを指す。
Lambur氏は、推定数千万ドルが毎年MEVのために失われており、「Oval」はこの問題に対処するものだと述べた。具体的に、どのようにレンディングプロトコルをMEVから保護するのか、まだ詳細は明かされていない。
UMAは、合成資産に焦点を当てたイーサリアムベースのDeFi(分散型金融)プロトコルとして出発した。現在は主に、Optimistic Oracle(楽観的オラクル)の製品を提供している。
楽観的オラクルとは、オラクルの一つで、外部から取り入れられたデータに対して、一定期間内に異議が唱えられなければ、そのデータが真実であるとして受け入れるものだ。
今回の発表の後、UMAトークンの価格は2ドルから急騰し、一時6ドルまで上昇、記事執筆時現在では4.65ドル付近で推移。時価総額は3.5億ドル近くに達している。
MEV問題へのソリューション
MEVの問題に対するソリューションは過去にもリリースされてきた。
例えば仮想通貨ステーキング企業Figmentは2022年、MEVの機会をより民主化し、手数料高騰を抑えることを目的とする「Flashbots(フラッシュボット)」というソリューションを導入している。
背景として、イーサリアムでは、メモリープール上にある決済前のトランザクション一覧が公開されているため、これを閲覧した者がより高い手数料を支払って、有利な取引を滑り込ませる「フロントラン」という行為が横行していることがあった。
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他のユーザーの注文を見てから自身の大規模な買い注文を差し込み、その後に売り注文を行うことで不公平に利益を得る行為は「サンドウィッチ攻撃」とも呼ばれる。
こうした攻撃への対処策としては分散型取引所でユーザーが「スリッページ制限」などを設定することが挙げられる。またBalancer、ShapeShift、ParaSwapらは共同で「MEV Blocker」を開発した。
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