大統領選という分岐点も
ビットコインETFやイーサリアムETFも手がける米大手資産運用会社VanEckは27日にソラナ現物ETFの申請書をSECへ提出し、業界からの期待が高まっているが、現バイデン政権下では承認される可能性は低いとされている。
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有識者コメント
仮想通貨VC「Dragonfly Capital」のパートナーであるHaseeb Qureshi氏はThe Blockに「ソラナETFを始めるきっかけをつくることではあるが、このETFが実現する確率は低い」とコメントし、「SECはSOLは有価証券であると明言している。現政権はこれを撤回することはないだろう」と指摘した。
ブルームバーグのETF専門家James Seyffart氏も「2025年、ホワイトハウスとSECに新政権が誕生した場合のみローンチの可能性がある。それでも保証はないかもしれない」とXで話した。
また、仮想通貨弁護士であるJake Chervinsky氏は「BTCやETHのように、SOLがETFを持つべきでない正当な理由は法律にも政策にもないと言いたいところだが、SECは先物市場がないことを正当化するために否定するのだろう」とコメントした。
さらに、ケンタッキー大学のBrian Frye法学教授はThe Blockの取材で「SECはイーサリアムETFの最終承認を間もなく行うようなので、ETHとソラナは規制の観点からは基本的に同じであるため、ソラナETFの最終的な承認は(市場が維持すると仮定すれば)避けられないと思う」と語った。
問題点
ソラナETFに関する論点の一つは、先物市場の有無だ。ビットコインとイーサリアムはすでにCME上で先物契約が取引されており、それぞれのETFの参考価格として利用されているが、ソラナにはまだCMEの先物契約が存在していない。一方、ソラナの現物ETFは欧州では数年前にすでにローンチされ取引されている。
また、有価証券に関する問題についても議論されている。SECは昨年、コインベースおよびバイナンスを提訴した際に、SOLを未登録有価証券とみなした。しかし、XRPなどの他の銘柄とは異なり、SOLに対しては直接の訴訟を起こしていないため、実際にどのように取り扱われているのかは明らかではない。
さらに、バイデン政権の政策および今年の大統領選も関係しているところだ。ヴァン・ビューレン・キャピタルのゼネラル・パートナー Scott Johnsson氏は、バイデン大統領が反クリプトであるという認識が広まっているため、VanEckの申請は端的にバイデン大統領にとって不利になる可能性が高いと指摘。SECがこれまで仮想通貨の規制に取り組んできた背景を見れば、非承認される可能性は高いが、このように限界を押し広げることは「賢明な一手」だと付け加えた。
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