- 仮想通貨市場
- 2008年リーマン・ショック以来の下落幅を記録した10月の株式市場だったが、米中貿易摩擦問題の好転で投資家心理が急改善し、ビットコイン市場にも波及した。本日の価格上昇で、停滞するチャートに変化の兆しも。
ビットコイントレンド転換も近いか
ビットコイン相場は11月2日、明朝に当たる時間から右肩上がりに堅調な推移を見せており、一時bitFlyer BTC/JPYにて高値71万9000円台まで価格を伸ばした。
週足レジスタンスライン
2日昼後の値動きは一時落ち着きを取り戻したものの、今回の高騰の影響で、8月以来上抜けしていない週足のレジスタンスライン(チャート内黄色線)を一時抜けたことになる。
黄色と赤色が週足のレジスタンスラインとなる中で、黄色ラインに軽く頭を入れたビットコインではあるものの、上値が重く71万円前半に戻す勢いは依然として強い。
明確にトレンド転換を見るには、73万を超えて、上昇に向けて続伸する動きが必要になるだろう。これには、73万1000円付近にもレジスタンスラインが存在するためだ。
現在推移する価格上には抵抗ラインが数多く存在するため、下目線優先であることも否めない。
とは言え下落の場合も、707000円のライン、その下には705000円のラインがあるため、大きな動きで突き抜けるようなことさえなければ、同様の動きを継続する可能性も十分にある。価格推移を慎重に見守る必要があるが、ビットコイン相場において、一つの変化ポイントと言えるだろう。
明日の日足確定時間(9:00)に注目
また、今回のビットコインの動きを経て、明日の日足確定タイミングである「午前9時」には注目したい。
テザー問題などを背景に、JPY価格とUSD価格などのチャート形成が大きく異なったことから、世界のビットコインチャートで見られる点ではないが、ビットコイン取引が盛んに行われている日本のbitFlyer BTC/JPYチャートにて、日足のパラボリックが転換する可能性が生じている。
ニュースからの材料分析
また、下記のリストのように、仮想通貨市場に関するニュースやファンダメンタルズ面は、状況的に悪くないと言える。
これらの動きを見ていると、機関投資家関連の見方は強く出ており、グレースケールの発表に対し、JPモルガンに 勤めていたSonnenshein氏は、「投資家は、この暴落をエクスポージャーの比率を上げるチャンスであると捉えている。」と言及、機関投資家からの関心が高まっているのみだけでなく、理解も深まっていると言及し、金融機関や機関投資家は、ビットコインに対してポジティブな将来性を見ていることを示した。
テザー関連こそ、相場の不安材料といえるテザー問題を払拭するほどの公式文書が報告されなかったが、売却が相次いだ背景を踏まえると、状況的にはテザー社がプラスに動こうとしている点が相場に安心感を与える。
ビットコイン上昇の背景に、株式市場の動きも
一時は下落が続いていた米株式相場は1日、3日続伸を記録。
米国のトランプ大統領が、中国の習近平国家主席と米中首脳電話会談を行い、米中首脳が貿易摩擦の打開に向けて協議することで一致したことが明らかになるなど、警戒心が高まっていた貿易摩擦に緩和の兆しが見えたことで、価格が急進した。
日経平均も上げ幅は500円に迫るなど、大きな上昇幅を記録し、日米株式市場に大きな動きが見られた形だ。
ビットコインも為替に連動する動きが高まっていた背景を受け、株式市場が大きく続伸したのを見ると、警戒感の後退から仮想通貨市場にも買いが入り、レジスタンスラインに阻まれていた相場に、変化を与えた一因となった。
株式市場の動きにも注意が必要
9月2日時点で、24,448円を付けていた日経平均株価は、10月26日には21,000円を割り込むなど、株価が大荒れとなった10月。
世界同時株安を招いた10月中旬頃の動きを追ってみると、10月の日経平均株価における「月間下落幅(-9%、2200円)」は、2008年のリーマン・ショック以来となる記録的な下落幅となった。
東証が発表した投資部門別売買動向によると、米中貿易摩擦や欧州政治不安などを機に、海外の機関投資家を中心に空前絶後の売り越しを行い、日経市場を震撼させた。
10月第2週の現物・先物の合計売越額は実に1.8兆円、第3週は1.1兆円、第4週は1.3兆円にも及び、空売り比率は一時過去最高となる50%を超えたほか、松井証券の「信用買い評価損益率」でもチャイナショックを超える-30%超えを記録するなど、相場がクラッシュするほどの売りに見舞われた。
これに伴い、VIX(恐怖)指数は高止まりし、個人投資家の資産および投資マインドは大きく毀損、余力を失ったことで少なからずビットコイン市場にも波及した可能性は否めない。実際に10月中旬におけるBTC価格急落のタイミングで一部相関性も認められており、これに乗じて大口の売り仕掛けに遭った可能性も考えられる。
日米株式市場は、直近でこそ反発して底打ちを示唆してはいるものの、11月6日に「米国中間選挙」を控えており、注意が必要だ。
また、日本時間21時半より、経済指標の中でも特に重要視される「米国雇用統計」があるため、金利動向を含め注目される。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
本日の日経平均株価は、全面高。
米国のトランプ大統領が、中国の習近平国家主席と米中首脳電話会談を行ったほか、「米中貿易合意の草案」を指示した事が伝えられると、日経平均株価が急伸。前日比556円の高騰を見せた。
月単位では、先月に2008年のリーマン・ショック並みに売り込まれ、追証連鎖のセリング・クライマックスが発生。信用毀損率でも個人投資家のダメージは甚大だと思われるが、リスク後退観測で急速に地合いが回復し、買い戻しの動きが加速したことで、新興市場のマザーズ指数は820→930まで回復。個別銘柄の多くでもアイランド・リバーサルの様相を呈している。
年末の株高・仮想通貨高アノマリーへの期待もあり、仮想通貨(ブロックチェーン)セクターも大幅高。
特に強かったのは、決算通過で安心感もあるマネックスグループ(8698)で、本日も7.25%となる518円まで上昇。4連騰で終値500円台にまで復帰した。金融庁の認可とサービス全面再開、その後の展開に向けて思惑買いが集まっている。
好業績銘柄のSBIホールディングス(8473)に加え、直近売り込まれていたGMO(9449)やマネーフォワード(3994)も前日比5%を超えるなど、買い戻しで再び勢い付いている。
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