イーサリアムの課題解決に貢献
分散型取引所(DEX)大手Uniswap(ユニスワップ)は10日、新たなイーサリアム(ETH)L2ソリューション「Unichain」の立ち上げを発表した。開発を担うUniswap Labsによると、テストネットは同日ローンチされ、メインネットは年内の公開になるという。
Introducing @unichain — a new L2 designed for DeFi ✨
— Uniswap Labs 🦄 (@Uniswap) October 10, 2024
Fast blocks (250ms), cross-chain interoperability, and a decentralized validator network
Built to be the home for liquidity across chains pic.twitter.com/lqfJh6Ltio
Unichainを紹介します — DeFi向けに設計された新しいL2 ✨ 高速ブロック (250ミリ秒)、チェーン間の相互運用性と分散型バリデータ・ネットワーク チェーン間の流動性の拠点となるよう構築
Uniswap LabsはUnichainを立ち上げた背景として、「DeFi製品の構築と拡張に何年も取り組んできた結果、ブロックチェーンの改善が必要な部分と、イーサリアムのロードマップを前進させるために何が必要かが明らかになった」ことを挙げている。
Unichainは以下の側面において、課題解決に貢献する。
- 低コストで分散化を促進
- 高速なトランザクション
- シームレスなクロスチェーンスワッピング
レイヤー2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引の計算処理をオフチェーンで処理し、状態を示す証明情報をメインチェーンに記録することで低コスト、低レイテンシ、高スループットを実現する。
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コスト削減と高速化
Uniswapの声明によると、Unichainのトランザクション手数料は、イーサリアムのメインネットと比較して、短期的には95%削減され、長期的にはさらに削減されることになるという。
また、ノードがブロック検証を可能にする分散型の検証ネットワークを導入することにより、ファイナリティのレイヤーを追加。整合性のないブロックや無効なブロック生成のリスクが軽減される。
Unichainは当初、1秒でブロック生成を行うが、最終的には250ミリ秒未満に短縮する予定だという。現在、イーサリアムメインネットのブロック生成には12秒、ほとんどのL2ネットワークは2秒かかるとされている。
Uniswap Labsのヘイデン・アダムズCEOは「ユーザー体験が2秒から250ミリ秒に短縮されることは、実際には非常に大きなインパクトがある」と述べた。
高速化を支える技術
このような劇的な改善は、イーサリアムの研究開発組織「Flashbots(フラッシュボット)」と共同で開発した、ブロック構築用の信頼できる実行環境(TEE)を利用することによって可能になった。
TEEは、速度の向上だけではなく、トランザクションの順序付けの透明性を向上させ、トランザクションの失敗を防ぐように設計されている。
ブロックの高速化により、「MEV」(最大抽出可能価値)による価値の損失が減少する可能性も指摘された。MEVは、ブロックマイニング時のトランザクションの追加、除外、および順序決定により得られる利益で、自動取引ボットによるフロントラン等の違法行為によって不当に利益を得る問題が発生している。
チェーンを問わずスワッピング可能に
数多くのL2が誕生することで、コスト削減には結びついたが、流動性の断片化が起こり、ユーザー体験は低下したとUniswapは指摘。その課題を解決するため、Unichainは、ユーザーがどのチェーンを使用していても、スワッピングにシームレスにアクセスできるように構築されているという。
まず、Unichainは、イーサリアムL2プロジェクトの「Optimism」(オプティミズム)と提携し、相互運用可能なネットワークであるOptimismのSuperchain(スーパーチェーン)の一部となる。スーパーチェーン上に構築されたUnichainは、高速で安全なチェーン間トランザクションのための相互運用性をサポートする。
スーパーチェーンは、「インターネットレベルのスケール」までイーサリアムを拡大するための解決策として、構想されたもので、同ネットワークには、コインベースのL2「Base」や、OKXの「X Layer」、Synthetixの「SNAXchain」などが参加している。
さらに、スーパーチェーン外でも、ERC-7683などのイニシアチブを通じて、すべてのチェーン間の相互運用性を向上させるよう取り組んでいるという。
Uniswapは、Unichainのローンチ後、Uniswap インターフェースと Uniswapウォレットにクロスチェーンスワッピングを導入する予定だと述べた。
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価値のインターネットの実現へ
アダムズCEOは「価値のインターネットは単独のチェーンでは実行できない」と指摘。次のように抱負を語った。
イーサリアムのロールアップを中核に置いたロードマップは、シームレスに相互接続する多くのL2 チェーンを持つことで拡張することを目指している。私たちはこのビジョンに興奮しており、加速させることを目指している。
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