CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨年末相場の希望:12月予定の「Bakktビットコイン先物」金融機関出身者の参考資料で解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場の重大転換点Bakkt
低迷する仮想通貨市場のターニングポイントとなる『Bakkt』のビットコイン先物取引が12月12日に迫る中、金融機関出身の方が作成した独自資料を元に、重要ポイントを解説。
Bakktとは
インターコンチネンタル取引所(ICE)が運営する今年8月に発表された仮想通貨取引所プラットフォーム。ビットコイン先物を筆頭に、仮想通貨を支えるインフラを提供するような商品を今後も公開していく方針。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Bakktとは

今回は、金融機関出身の「satogram(@satogram12)」氏から提供いただいた「自作の資料」を元に解説する。

資料1 出典:satogram(@satogram12)氏

2018年8月3日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社である「インターコンティネンタル・エクスチェンジ(ICE)」が、仮想通貨取引所Bakktを運営することを発表。その後、2018年12月12日から、「現物決済のビットコイン先物取引」を開始する事を予告した。

ニューヨーク証券取引所は、通称「ビッグ・ボード(Big Board)」と呼ばれる、世界最大の証券取引所である。世界で最も上場審査が厳しいとされ、大規模企業の上場が多く、上場企業数は約2,300社に上るとされる。

Bakktのメリットとデメリット

資料2 出典:satogram(@satogram12)氏

資料の中で特に注目したいポイントは、やはりメリットとデメリットの部分だろう。

特に、仮想通貨市場の課題とされる「透明性の確保」については、CFTCの監査に依る部分が大きい。

米商品先物取引委員会(CFTC)とは、商品取引所の上場商品や金利、デリバティブ全般など、米国内の先物取引市場の動向を常時監視し、市場参加者の保護や市場の健全性が保たれるよう、不正防止や摘発を行う権限を持つ独立機関のことである。

仮想通貨市場で横行する不公正取引の排除は、市場健全化の観点からも非常に重要な要素であり、各国の関係機関や規制当局も頭を抱えてきた問題だ。

これらの不安材料が取り除かれ、莫大な資本力を有する機関投資家の参入が始まることがあれば、今後の仮想通貨の市場規模拡大に直結することになるのは言うまでもない。

現在抱える問題点と市場への影響

Bakktの発表時には、アメリカ資産運用会社BKCMの創業者のBrian Kelly氏も、「ビットコイン市場にとって今年最大のニュースだ」と表現。米仮想通貨調査企業Ironwood Research Groupは、Bakktが、市場で注目されている「ビットコインETF」を上回るほど重要だとの考えを明かしていた。

最大の理由としては、Bakktの仮想通貨取引プラットフォームが実現する事で、機関投資家に対する参入障壁を引き下げ、需給面からも、仮想通貨市場を上昇に転じさせることが出来ると期待されているからに他ならない。

機関投資家が参入しやすくなるためには、多額の資金を動かしても問題なく取引(約定)出来るレベルの「流動性」の向上や、国際的に認められた規制面など「透明性」の確保、デリバティブ取引などリスクヘッジ出来る要素などが欠かせないとされるが、Bakktが開設されることにより、これらの大幅改善が期待できる。

また、以前SEC(米国証券取引所)が挙げた、「ビットコインETF」に関する主な問題点に関しても、Bakktの存在は大きなプラスになるとされる。

  1. 信頼のおける価格形成の欠如
  2. 先物市場とデリバティブへの信用

「Bakkt」は、現物受渡しとレバレッジ無しという観点から、すでにSECの要求水準を明確に満たしている仮想通貨取引所であると考えられることから、”信頼の置ける価格形成の構築”に焦点を当てていく事で、「ビットコインETF」の初承認に対しても少なからず影響を与え得ると考えられる。

売買システムとエコシステム

資料3 出典:satogram(@satogram12)氏

資料にある「SMA口座」とは、Separately Managed Accountの略で、証券会社などの金融機関が、投資家から投資判断に関する一任を受けた上、ポートフォリオ(保有銘柄群)の設計から、運用に関するアドバイス、実際の売買・管理、アフターフォローまでを一括して提供する富裕層向けの資産管理サービスのこと。

資料4 出典:satogram(@satogram12)氏

この図にもある通り、Bakktを運営するICEは、米国先物取引所の義務付ける決済会社として「クリアリングハウス(決済機関)」も運営しており、ビジネス生態系である”独自のエコシステム”が構築されている。

ウェアハウジングとは、先物で呼称されるカストディー(商品保管)サービスのことで、ビットコインの現物清算が必要になることから、デジタルアセット用のウェアハウスは必要不可欠なものとなる。

このように、改めて確認するだけでも、Bakktがいかに大規模な仕組みであるかが垣間見れる。12月以降の動向には、金融市場からの注目が集まることになるだろう。

資料提供:satogram氏

銀行にて金融商品のストラクチャリング業務に従事したあと独立。現在は、仮想通貨関連記事をメインに執筆中。

Twitter:@satogram12

免責事項

Bakktの資料は、信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

投資などを行う際は、ご自身でよく情報を調べた上、ご判断下さい。

CoinPostのLINE@

早くも登録者4,000名突破。スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@です。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07:10
バイナンス、人員削減の報道を否定
仮想通貨取引所バイナンスは、従業員の解雇を実施したことが報じられた。人員の20%を削減したとの報道もあるが、同社CEOのCZ氏は「解雇に関する報道は悪い噂(FUD)である」と説明している。
05/31 水曜日
17:22
改正資金決済法施行で国内ステーブルコイン発行可能に
改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインが発行可能になることへの関心が急上昇している。海外発行のステーブルコインについては、発行者ではなく流通業者が資産を保全するよう義務付けられる。
16:59
仮想通貨取引所SBI VCトレード、エックスディーシー(XDC)を国内初上場
SBIグループにて暗号資産(仮想通貨)交換業を運営するSBI VCトレード株式会社は31日、国内初となる「エックスディーシー(XDC)」の取扱い開始を発表した。
14:00
イーサリアムからビットコインへのNFT移行を実現する「BRC-721E」が誕生
イーサリアム上で流通するNFTを、ビットコイン・ブロックチェーン上に移行可能にする新トークン規格「BRC-721E」がローンチされた。トークンブリッジプロトコル「Bridge any NFT to Ordinals」も同時に提供されている。
13:17
米デジタル商工会議所、テキサス州の反ビットコイン的なエネルギー法案成立を阻止
米デジタル商工会議所はテキサス州議会に提出された「反ビットコインマイニング法案」が法制化に至らなかったと発表した。マイニング企業の収益に大きな影響を与える「電力クレジット」の取得制限に関連する法案は成立しなかった。
13:12
ビットコインの採掘難易度、過去最高値更新へ
翌年に「半減期」を控えるビットコインマイニングの採掘難易度が過去最高値を更新する見込み。Ordinals プロトコルおよびBRC-20トークン需要やAI(人工知能)流行に伴う半導体企業の成長などを受け、マイナー間の争奪戦が激化している。
12:00
バイナンス、一部顧客の担保資金を銀行に預ける仕組みを検討か=報道
大手仮想通貨取引所バイナンスは、機関顧客の一部が取引担保を銀行に保管する仕組みを検討していると伝えられる。カウンターパーティリスクの軽減が目的の一つとみられる。
11:45
OPとSUIのトークンアンロックにより、流通量が急増する見込み
イーサリアムのL2ソリューションOptimismと、高速L1ブロックチェーンSui Networkは、トークンアンロックを迎える。この結果、OPとSUIの流通トークン数が大幅に増加することになる。
10:35
ANAグループ、NFTマーケットプレイス立ち上げ メタバースも準備
ANAグループは、エアライングループとしては世界初のNFTマーケットプレイスを立ち上げた。旅をモチーフとするメタバース「ANA GranWhale」の準備も進めているところだ。
09:40
自民党、新たな提言を承認しWeb3を推進へ
自民党は、新しい資本主義実行本部の提言を承認し、成長戦略にした。この提言にはWeb3の推進が含まれ、暗号資産やトークンについても言及している。
08:25
テザー社、ウルグアイでBTC採掘を推進へ
テザー社は、ウルグアイでリソースを投資しエネルギー生産と持続可能なビットコインマイニングに取り組むと発表。再生エネルギー大国として知られる同国で、エネルギーのイノベーションと仮想通貨の未来に注力する。
08:05
AI・仮想通貨マイニング関連株高騰|31日
本日のNYダウは−50.5ドルと小幅に下落。ナスダックは+41.7ドルで取引を終えた。米債務上限の交渉について先週末バイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で合意したことが市場に好感された。
05/30 火曜日
15:15
bitFlyer、トラベルルール導入に伴う対応内容を発表
国内大手の仮想通貨取引所であるbitFlyerは、「トラベルルール」の導入に伴う対応策を公表した。MetaMaskなどの仮想通貨ウォレットは今後も利用が可能だが、国内で送金や預入が可能な暗号資産交換業者としては、Coincheckだけという状況が生じる格好だ。
15:07
群馬県沼田市、歴史文化保全のためNFTアート返礼品の「ふるさと納税」受付開始
群馬県沼田市は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を企画・運営するトラストバンクやCoinBestと提携し、「ガバメントクラウドファンディング」を利用したNFTを返礼品とする寄付金の受付を開始した。
13:50
米債務上限合意で仮想通貨業界に朗報 マイニング増税案は見送り
バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長は、連邦政府の債務上限引き上げで最終合意に達し、米国政府によるデフォルトが回避される運びとなった。合意を反映した法案では、マイニング企業に対する新たな課税提案は阻止され、仮想通貨業界にとっては朗報となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア