ビットコイン活動を制限か
国際通貨基金(IMF)は18日、エルサルバドルへの融資(拡大信用供与措置:EFF)の内容や条件について、IMFと同国の当局がメンバー同士で合意に達したことを発表した。
これからIMFの上層部が承認してから最終決定となるが、情報筋の話として事前に報じられていた通り、エルサルバドルがビットコイン(BTC)に関する活動を制限することが融資の条件に含まれている。
IMFのメンバーは今回、同国が法定通貨として認めたビットコインについて、潜在的なリスクを大幅に軽減するよう要請した。具体的には、法改正によって、民間企業が決済手段としてビットコインを採用するかを選択できるようにする。
また、公的部門のビットコイン購入、ビットコインに関連した経済活動や取引を制限するよう要請。この点については、具体的にどのようにビットコイン購入を制限するのかなど、詳細は発表には書かれていない。
他にも、税金の支払いは米ドルでのみ受け付けること、暗号資産(仮想通貨)ウォレット「Chivo」への政府の関与を段階的にとりやめることも要請。そして、財政の安定や健全性、消費者と投資家の保護のために、デジタル資産に対する透明性、規制、監督を強化するよう求めた。
EFFとは、国際収支において深刻で解決に時間のかかる問題を抱える国々を支援する仕組み。今回の契約が正式に決定すれば、エルサルバドルにIMFからおよそ14億ドル(約2,200億円)が融資される他、世界銀行などから合計35億ドル(約5,500億円)超が支援される計画になっている。
なお、今回の契約を巡っては、国家としての最優先事項はビットコインではなく国民の幸福や生活であるなどと、エルサルバドルの決断を擁護する声も上がった。
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エルサルバドルの動向
エルサルバドルは2021年、米ドルと並行してビットコインを法定通貨として使用できるようにする法律を制定。その際、企業は要請に応じてビットコインの支払いを受け入れなければならないこと、納税にビットコインを使用できることなどを定めている。
また、これまで政府としてビットコイン購入の継続もしてきた。Arkhamがエルサルバドル政府のものだとするウォレットは、現在も毎日1BTC購入していることが示されている。
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IMFが融資の条件に含めているChivoとは、市民向けの国営ウォレット。Chivoは、今年4月にソースコードの断片とVPNアクセス情報がオンライン・ハッキング・フォーラムに流出するなどの攻撃を受けていた。
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また、これまでバグなどの不具合が指摘されたり、個人情報がハッキングされたとの報告があったりしたにも関わらず、政府が対処しないと伝えられていたこともある。
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