イーサリアムの供給量増加
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の供給量は6日時点で、2023年1月以来の水準まで増加している。
2022年9月に行われたアップグレード「マージ」以降、イーサリアムはデフレすることが期待されているが、これまでも供給量が増加していることは指摘されてきた。供給量の増加は、イーサリアムの価格に影響を与えているとの見方も上がっている。
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以下の画像は「ultra sound money」のウェブサイトに掲載されているグラフ。左端のマージ時点からの供給量の推移を示している。イーサリアムなどの投資資産は需要と供給のバランスで価格が決まるため、供給量が少ない方が価格が上昇しやすくなる。
「The Block」は5日、Presto ResearchのアナリストであるJaehyun Ha氏は、2024年3月に行われたアップグレード「デンクン」が影響していると分析したと報道。Ha氏は、イーサリアムのデフレ資産の位置付けが危うくなる可能性があると指摘したという。
なお、デンクンがイーサリアムのインフレを引き起こす可能性があることもこれまで指摘されてきた。デンクンはL2の手数料を下げる機能などが導入され、供給量に直接的に影響を与えるものではなかったが、イーサリアムの手数料をバーン(焼却)する数量が減少する可能性があるというのがその理由だ。
Ha氏は今回、ネットワーク上の活動が減少しているわけではないため、現在の供給量増加は即座に懸念することではないとした。
その上で、イーサリアムの開発者が3月に実施することを目指している次期アップグレード「ペクトラ」でインフレ率が大きくなる可能性があると指摘。ペクトラではL2のキャパシティが増加する計画のため、供給量がさらに増加しうるとの見方を示している。
他の分析
Ha氏は、イーサリアム上の活動が減少していないと述べたようだが、他の見方もある。
DeSpread ResearchのリサーチャーであるByoungjoon Kim氏は、同様に供給量増加の主因はデンクンにあるとした上で、「多くのユーザーや流動性が、イーサリアムからソラナ(SOL)のブロックチェーンに移行した」と指摘した。
移行を促した要因は、ソラナのミームコイン取引の活況と、デンクン後にイーサリアムのL2が増えたことだと主張。また、ネイティブ通貨の価格とセキュリティが深く関係するプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用するイーサリアムのようなブロックチェーンは、長期的には供給量増加がセキュリティリスクにつながる可能性があるとも述べている。
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