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ゴミ埋立地に眠る8,000BTC
英国ウェールズ地方のゴミ埋立地に捨てられたハードディスクドライブ(HDD)の回収に、12年の月日を費やしてきたジェームズ・ハウエルズ氏は、この埋立地の購入に活路を見出そうとしてる。
ハウエルズ氏がそこまでHDDの回収にこだわるのは、その中に8,000BTC(1,200億円相当)のビットコインが保存されているからだ。
同氏は、ゴミ埋立地のあるニューポート市議会に回収を要請してきたが、10年以上「ほとんど無視された」。そのため、昨年10月に4億9500万ポンド(約952億円)の損害賠償を求めて市議会の提訴に踏み切った。
しかし今年1月、裁判所はこの訴訟が「合理的な根拠」に基づかず、裁判で勝訴する「現実的な見込み」もないとして、訴訟を却下した。
その後、同埋立地が2025~26年度に閉鎖される予定が判明。ニューポート市議会は、この土地に太陽光発電所を建設する計画許可をすでに取得しているという。
環境の面で住民に多大な悪影響を与えると主張し、埋立地の採掘を拒否してきた市議会が、これほど早く埋立地の閉鎖を計画したことに、ハウエルズ氏は驚いている。
一方で、埋立地の閉鎖はHDDのアクセスを得るチャンスと同氏は考えている。投資パートナーとの話し合いで、埋立地の購入は「非常に有力な選択肢」であると判断。購入に関心を寄せている。
HDD紛失の経緯
ITエンジニアだったハウエルズ氏は、2009年にビットコインに出会い、初期のマイナーの1人として8,000BTCを採掘。その後、ビットコインの秘密鍵を2.5インチのHDDに保存し、自宅のオフィスの引き出しにしまっておいた。
2013年8月に機器を整理する中、二つの同じサイズのHDDのうち、誤ってビットコインのデータが入っている方をゴミ袋に入れてしまう。翌日、再確認しようとゴミ袋を探すと、当時のパートナーがすでに家庭ゴミのリサイクルセンターに持っていった後だったという。
ハウエルズ氏が失ったビットコインの当時の価値は約1.9億円だったが、3ヶ月で価格は約17億円に急騰。同年11月にニューポート市議会の代表者に会いに行くも、それ以来「ほとんど無視されてきた」という。
同氏は、ビットコインが回収された暁には、ニューポート市に10%を提供すると申し出ている。「2013年に市議会が自分と話し合いを持っていたなら、今頃、ニューポート市はドバイのようになっていただろう」と、同氏は「彼らが逃したチャンス」の大きさを強調した。
ビットコイン回収の見込みは
昨年10月の提訴にあたって、ハウエルズ氏は掘削作業を行う専門チームを編成。議会の元埋立地責任者をチームに迎え入れることで、紛失したHDDの埋められたエリアも特定済みだ。
発掘作業には1年半から3年、その後の修復作業に1年かかるとみられている。その費用は約19億円。市ではなくハウエルズ氏チームが負担する。
ハウエルズ氏のチームは、もしHDDが見つかった場合、データを回収できる可能性は80%だと考えている。
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