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イーサリアムを運用か
イーサリアム財団は13日、保有する暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)合計180億円超相当を、複数のDeFi(分散型金融)プラットフォームに移動したことを発表した。
ステーキングを行う可能性にも言及していることから、今回の送金の目的は、DeFiでイーサリアムを運用して財源を増やすことだとみられる。これまで財団が運営コストをまかなうためにイーサリアムを売却していることに対し、批判の声が上がっていた。
今回送金の対象になったプラットフォームと各配分数量は以下の通り。各プラットフォームの特徴から財団は主にレンディングを行なって運用を行うとみられる。
- Spark:1万ETH(40億円相当)
- Aave Prime:1万ETH(40億円相当)
- Aave Core:2万0,800ETH(84億円相当)
- Compound:4,200ETH(17億円相当)
財団は各配分を説明した後、ステーキングの検討などについて今後も情報を共有していくと説明。そして、今後について提案やアイデアがあれば意見するよう求めた。
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これまでの経緯
財団を巡ってはこれまで、イーサリアムを売却していることをブロックチェーン分析プラットフォームらが報告してきた。売却は数量が多く、イーサリアムの価格に影響を与える可能性があるため、売り圧を警戒する投資家から批判が上がっていた。
一方、財団は運営にコストがかかるため、売却はやむを得ないとの声もある。
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は昨年10月、財団と自身に対しイーサリアムの売却をやめるよう求める声に対し「財団はリサーチャーや開発者に、貢献に対する報酬を支払っている」などと説明し、敬意を示すよう求めていた。
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他にも、コミュニティからはステーキングを行えば財源の確保につながるとの指摘も上がっている。ブテリン氏が過去にステーキングの可能性を示唆したこともあり、財団は検討を行っているとみられる。
先月には、財団がDeFiのエコシステムに参加するために新たにマルチシグウォレットを作成したことがわかっていた。この時、まずは5万ETH(204億円相当)をウォレットに送金し、今後も金額を増やすと説明していた。
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