はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインバブルの問題点と価格急落による危険性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンには仮想通貨だけではなく、他の事業も多く関係している
仮想通貨市場には多くの分野が関係しているため、市場の動向にも影響を受けやすいです。つまり、ビットコインバブルは、もはや仮想通貨に投資している人のみならず、あらゆる人に影響を及ぼす可能性があります。
ビットコインの商品としての扱いには注意が必要である
商品先物取引委員会の許可を得たビットコイン先物が市場に登場します。ビットコイン基盤のETF(先物)が承認されれば、ビットコインバブル崩壊に繋がる第一歩となってしまう可能性があります。

仮想通貨の暴落が起きた場合、テクノロジー分野を始めとする様々な分野への被害が考えられます。

多くの人に、ビットコインバブルについて聞いてみると、興味深いですが、私には関係のないことです、という答えが大半を占めることになるでしょう。

要するに、彼らはビットコインに投資していないし、バブルが起きて、それが弾け、価格が暴落しても、彼らにとって関係のないことだと思い込んでいるのでしょう。

しかし、そのような人たちは自分たちの身を心配し始めるべきです。

デジタルトークン(電子通貨)が個人のコンピューター間で最小限の手数料で行き来するこの仮想通貨市場は、近年急激な成長を遂げていて、金融市場との繋がりも幅広く、そして強固になってきており、この傾向はこの先も続く見通しです。

ビットコインは、現在機関投資家にも取引されるようになり、債券及び株式とともに取引されています。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ゴールドマン・サックスはビットコイン取引を業務に組み入れるか検討していると言います。

ウォール・ストリート・ジャーナル:ゴールドマンサックスが直接的にビットコイン取引を計画
ゴールドマンサックス社がビットコインなど仮想通貨取引を検討中 一部のジャンルでの収益性が21%低下・トラン...
 

さらに仮想通貨は、資金調達方法=ICOとして、数多くの企業に受け入れられています。

アナリストによると、バブルが膨張すればするほど暴落の際に、特にテクノロジー分野及び金融分野において株式投資家の心理に影響を与える影響も大きくなるといいます。

「どんな商品でも、バブルが弾けると見返りのダメージがある」と株式仲介を行うTDアメリトレード(オンラインで投資をしている個人や機関にサービスを提供している米国企業)でチーフマーケット戦略家を務める Joe Kinahan 氏(以下、Kinahan氏)は

「テクノロジーや金融分野の企業で、”特に自身のビジネスに依存し、ブロックチェーンインフラに多額の投資をした企業”が最初にその見返りのダメージを受けるでしょう」

と語っています。

市場を見ていた人ならお分かりかと思いますが、ビットコインは現在では53万円(10月10日)にまで戻りましたが、6ヶ月もかからずに、10万円から55万円にまで値上がりしました。

さらに、2016年の初めには4万円弱で取引されており、18ヶ月間で換算すると1000%にまで値上がりしたことになります。

しかし、この数学ベースの通貨が投機以外に有効な用途を見出していないことや、JPモルガン・チェースのCEOであるJames Dimon氏(以下、Dimon氏)及び、他金融機関役員の警告を考えると仮想通貨自体が恐怖であるように聞こえるかも知れません。

Cointelegraphのウェブサイトによると、ビットコイン及び、その他の仮想通貨の時価総額は、今年で17兆円弱(10月10日)と約8倍ほど伸びました。

Sibilla Global Fund ヘッジファンドでマネージャーを務め、投機の歴史について学んでいるLorenzo Di Mattia氏(以下、Mattia氏)によると、もしこの成長が今後も見込めるのであれば、現在投資可能な資産の一端を担っているに過ぎない仮想通貨は、今後無視できない重要な投資対象となるでしょうと語っています。

しかし、Mattia氏によると、この伸びは長くは続かず、来年には株式市場に大きな影響を与えるだけに膨張したバブルが破裂するのではないかと予想しています。

しかし、あるアナリストは、現在のビットコインは投機バブルの初期ステージという、1994年のインターネットと同じ状況下にあると言います。

「私たちが現在見ているのは、ただ単に人々が理解しようとし始めている新しい技術です」と機関投資家に仮想通貨についての情報を提供するデジタルアセットリサーチで弁護士及び、シニアアナリストを務めるMatthew Gertler氏(以下、Gertler氏)は語りました。

ビットコインの公正評価:金融分野で多くの人がビットコイン及び、ブロックチェーン技術、通貨を支える透明性のある台帳は非常に価値ある発明であると言います。

JPモルガンのDimon氏はビットコインを”詐欺”と批判しながらも、彼の銀行では彼ら独自のブロックチェーン技術の開発に力を注いでいます。

驚異的な伸び

ビットコインの起源は2008年のSatoshi Nakamotoというサインがされた綿密な計画がインターネット上に出回ったことから始まりました。

ビットコインの所有者が受取者にトークンを送る際、所有者はまず取引をシンプルなインターネット上に存在する台帳としての機能を持つブロックチェーン上に送信し、その送信はユニークな数字及び文字列のサインにて承認されます。

ビットコインの”マイナー”たちは、高性能なコンピュータを使い、公式に沿って当てはまる数字及び文字列のサインを割り出し取引の承認を行い、結果、承認報酬という形で、新しくマイニングされたビットコインが贈与されるのです。

ユーザーにとっては、手数料は比較的安く、論理的には取引は不正行為ができない仕組みになっています。

非常に機能的ではあるものの、ビットコインはドルに置き換わるものでも、その他の法定紙幣(ユーロや円など)に置き換わるような兆候も見受けられません。

「ビットコインが成功するには、送金及び、支払い、貯蓄のような様々な市場で大きな役割を担う必要があります」

とGertler氏は語りました。

しかし、ビットコインが様々な分野に適応していくという将来性は、ビットコインを投機的な使用に走らせ、実際の取引の手段としての実用性は薄れました。

「もし、あなたがビットコインで車を買うとして、土曜日の価格が3万2000ドルであったのに対し、月曜日になると、ビットコインの価格変動により4万1000ドルになっていたらどうでしょう。人々はこのような安定性のない生活は求めていないのです」

とTDアメリトレードのKinahan氏は言及しました。

株式会社Nvidiaの脆弱性

主要な仮想通貨が暴落すると、株式会社Nvidia(以下、Nvidia)の株価に影響を与えるのは確実と言ってもいいでしょう。

Nvidiaは、2016年のS&P 500の半導体チップメーカーの中で、一番上昇率の高かった銘柄で、 ライバル企業である株式会社Advanced Micro Devices(以下、AMD)も共に躍進しました。

そして、どちらの企業も四半期報告書に仮想通貨マイナーたちによるグラフィックチップの需要の増加によるものが大きいとしています。

Nvidiaの第2四半期報告書では、仮想通貨マイナーへのグラフィックチップの売上が22億3000万ドルで売上全体の6,7%にまで到達したと報告しました。

バブル崩壊の際

「全体の売上の5%以上が仮想通貨からの売上の企業は、仮想通貨バブル崩壊はとても深刻な問題となり、それらの企業の株価は暴落するでしょう」

とKinahan氏は語りました。

Nvidia及び、AMDの代表者は、この記事に対しての取材を辞退しています。

その他の企業でリスクがあるのは、テクノロジーの分野でも特に注目を集めている、金融テクノロジー(”フィンテック”)をビジネスに含む企業です。

Global X FinTech(FINX)と呼ばれるフィンテック企業を集めた上場投資信託の価格は、2017年に43%上昇しました。

フィンテックと呼ばれる分野での最近のイノベーションはほとんどがブロックチェーンによるものです」

とDA Davidsonの機関投資家向けのエクイティリサーチディレクターを務めるGil Luria氏(以下、Luria氏)は言及しました。

「よって、仮想通貨の価値が下がり、ブロックチェーンイノベーションにも影響を及ぼす場合、フィンテック企業にも影響を及ばす可能性があります」

この可能性は、既に過大評価されている仮想通貨の不安に付随して、幅広いテクノロジー分野に影響を及ぼす恐れもあり、投資家だけでなく、第三者をも不安にさせています。

もう一つの懸念事項として、仮想通貨がスタートアップの資金調達に使用されていることが挙げられます。

Kikのような10代に人気のチャットアプリケーションもビットコインと類似のシステムを使い、ICO(イニシャル・コイン・オファーリング)規制やベンチャーキャピタリストからの厳格な質問を回避し、一夜にして多額の資金を調達しました。

しかし、ICOで独自通貨を発行する際に、多くの企業が商品のないまま資金調達をしてしまいます、とGertler氏は語りました。

投資家はすでに存在しているモノに投資するのではなく、これから開発されるプロジェクトに期待して投資をします。そこに危険性があるのです。

仮にそのプロジェクトが失敗に終わり、開発されない場合、投資した資金はどうなるのでしょうか?投資家に返金するという規約がないICOも存在し、開発者に資金をそのまま持って行かれたような印象があります。

いかにも開発をしていたかのように見せ、実際にはただお金儲けのためにICOをするという悪人も存在する可能性も否定できません。

先日、Overstock.com というオンライン小売業者の株価が、ICOの取引プラットフォームの提供を検討していると発表した後、上昇しました。

よって、「もし仮想通貨の価値が下がるようなことがあれば、彼らにとっては損害となるでしょう」とLuria氏は述べています。

ICO詐欺に対しての恐怖は、中国の規制当局による中国基盤の取引所の凍結を引き起こし、その結果ビットコインの価格は20%の下落を起こしました。

そして、18ヶ月のうちに新たなビットコインの暴落が起きる可能性はありえると言います。

仮想通貨投資を行うBlockchain Capital社のリサーチ責任者であるSpencer Bogart氏は、初めてのビットコインETF(上場投資信託といい株の売買と同じように証券会社を通して取引ができる商品のこと=Exchange-Traded Fund)が市場に出てくると予想しています。

2017年初めに、証券取引員会は、Cameron及び、Tyler Winklevossからの注目すべきETFの申し出を、規制の不完全性、そして、ビットコイン取引の不透明性により却下しました。

しかし、LedgerX 合同会社は、先日、商品先物取引委員会により、ビットコインのオプション及び、先物の取引許可を得ました。

ETFを取り扱う ProShares はシカゴ・オプション取引所にてビットコイン先物の追跡を行うロング及び、ショートファンドの申請書を提出しました。

これは、デリバティブ(現物商品や債券取引の価格変動によるリスクを回避するためにそれらから派生した金融商品)の承認にも適用されるとされています。

ETFの効果

ETF(ここではビットコイン先物を指す)の出現によって、少額投資家はビットコイン市場に目を光らせ、機関投資家たちは規則に沿って取引を行うことができるようになり、投機活動の新たな旋風となるのではないでしょうか、とBogart氏をはじめとする関係者は語りました。

カンバーランド・マイニング取引所にて、ビットコインに特化したシカゴでの独占的取引を行うDRW Investment の機関投資家と共に働くBobby Cho氏は「私たちは毎日デスクでそれを見ています」と語ります。

「多くの人々が、そこにある[トークン]取引を行います。しかし、さらに多くの人は、ただ脇に座って商品を待っているのです。そして、そのような商品には鬱積した需要があるのです」

その需要のサインとなるのは、市場のETFと類似した店頭売買(OTC取引)のBitcoin Investment Trust(米国を拠点としているビットコインの投資に特化した信託企業)に対しての横暴な振る舞いにあると言います。

信託の意向により、裕福な投資家が売るまでに1年以上所有することで供給を制限することができるのです。

この供給不足は、SEC(証券取引委員会)に上場の承認を求める際に、米投資会社であるGrayscale Investments 合同会社が1月に信託の新規発行を停止し、状況が深刻になりました。

現時点で、ビットコイン市場は株式、債券、そして商品との関係性が限られているため、隔離が可能です。

しかし、ETFビットコインは金融危機を引き起こす、いわゆる、関連性のないように見受けられる資産の強制売却を執行させるような悪影響を及ぼす可能性があります。

Thems Tradingの共同創業者である Joe Saluzzi氏は、もしSEC(証券取引委員会)がETF基盤のビットコイン先物を承認したら、市場崩壊のタネを蒔いているようなものだと語りました。

「あなたは、規制が不完全である資産のデリバティブの上にデリバティブを構築しようとしているのですか?」とSaluzzi氏は語り、「それは、私からしたら大惨事を引き起こす元となるでしょう」と続けました。

Why Bitcoin’s Bubble Matters

Oct 8, 2017 by Bob Curran

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

経済的に考えるとビットコインはバブルであるという見解を示している人もいます。

仮にバブルだとして、それが弾けたらビットコイン・仮想通貨に投資をしていない人にも影響が出ることを理解しておく必要があります。

というのもこの記事の内容にありますが、ビットコインにはそれを支えるための技術が必要で、その技術に目をつけて、他の事業に活用する企業や団体が存在し、ビットコインという通貨だけではないのです。

ビットコインの信用が低くなると、それに関連しているものにも影響し、結果市場が荒れることになります。

そこに、米国でビットコイン先物取引が可能になると、世界中に影響を与えることになります。

記憶に新しいリーマンショックがあります。これは2008年にニューヨークにある大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことで引き起こされた世界経済危機です。

簡単に説明しますが、サブプライムローンという低い所得しかない人でも住宅を購入できるようにした高金利のローンがあります。このローンの債権をリーマン・ブラザーズは買っていました。

そして、その債権が大量の不良債権となってしまい、リーマン・ブラザーズは倒産し、他の投資銀行や証券会社は影響を受け、そのことによって、ニューヨーク市場が大暴落した結果、世界の経済、日本にも影響を与えることとなりました。

たとえ、そのサブプライムローンに関係していない人にまで影響が出たということは、ビットコイン(関連する事業はたくさんあります)が崩壊すると、全く関係ないと思っている人にまで影響が出ることが予想されます。

そこで、ビットコインには関心がないという人でも、少なからず関心を持ってみることをおすすめします。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:00
仮想通貨配分を4割まで推奨、米著名金融アドバイザー「従来60-40モデルは時代遅れ」と見解
著名金融アドバイザーのリック・エデルマン氏は最新見解で仮想通貨ポートフォリオ配分を従来の1%から最大40%へ大幅引き上げを推奨。
13:15
米上場Genius Group、ビットコイン買い増し構想 勝訴した際の損害賠償で
NYSE上場のGenius Groupが、訴訟勝利の場合に得られる推定10億ドルの50%をビットコイン購入に充当する計画を発表した。昨年よりビットコイン財務戦略を採用している。
11:26
イーサリアム取引量史上3位、価格低迷でもネットワーク急増
イーサリアムが6月25日に175万件の取引を記録し史上3位を達成。価格は低迷するもネットワーク活動は活発化、従来のアルトシーズン理論に変化の兆しになるか。
10:25
イスラエル当局、仮想通貨報酬によるスパイ容疑で3人逮捕=レポート
イスラエル当局がイラン諜報機関の工作員3人を逮捕。仮想通貨で報酬を受け取り、9000万ドル被害のノビテックス攻撃との時期的関連が注目されている。
09:45
ポリマーケットの評価額10億ドルに達する見込み USDCにも恩恵か=コインベース
分散型予測市場ポリマーケットが2億ドル資金調達しユニコーン企業になる見込みだ。コインベースは、ポリマーケットの台頭はステーブルコインUSDCにも恩恵になると分析している。
08:50
ストラテジー株トークンなど主要銘柄、Gemini EU向株式サービス開始
仮想通貨取引所Geminiが欧州連合でトークン化株式サービスを開始。マイケル・セイラーのストラテジー株を皮切りに、24時間365日取引可能な新金融サービスを提供する。
08:00
ブータン、ビットコイン保有額が13億ドルに到達
ブータンが、仮想通貨ビットコインを13億ドル相当保有していることが注目を集めている。この保有額は同国のGDPの40%に相当する。
07:55
リップル、SEC相手の控訴を取り下げ 5年間の法廷闘争が終結へ
リップル社のガーリングハウスCEOが28日、SEC相手の控訴を取り下げると発表。約5年間続いた法廷闘争が終結し、同社は事業発展に注力する方針を示した。
07:10
米仮想通貨銀行アンカレッジ、USDC等の段階的廃止発表 業界から「利益相反」批判
米仮想通貨カストディ銀行アンカレッジがUSDCとAUSDの段階的廃止を発表、ステーブルコイン安全性評価で業界から自己利益優先との批判を受ける。サークル株価は15%と大幅安。
06:49
韓国カカオペイ株急落、ステーブルコイン規制懸念が背景か=報道
韓国カカオペイ株がステーブルコイン参入期待で急騰後17%下落、投資リスク銘柄指定で売買停止。米サークル株も15%安と波及か。
06:15
ロビンフッド、XRPとソラナのマイクロ先物契約を開始
米デジタル証券大手ロビンフッドがマイクロ先物でXRPとソラナを追加、ビットコイン金曜先物のマイクロ版も提供開始し仮想通貨商品を拡充。
05:55
トランプ大統領発言「ビットコインがドル圧力緩和」仮想通貨産業の雇用創出を評価
トランプ大統領が28日記者会見でビットコインのドル圧力緩和効果を言及、米国の仮想通貨産業構築と雇用創出への前向きな評価を表明。
06/27 金曜日
16:00
ブロックバリュー大西社長が語るAIインフラの未来|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のプラチナスポンサーとしてブース出展を決めた、ブロックバリューの大西基文社長独占インタビュー。「ジャパン・テクノロジーで日本の底力になる」をスローガンに、AIサーバーで日本のWeb3インフラ強化に挑む。
13:40
トランプ政権、7月に複数仮想通貨規制法案成立の見通しか=サックス仮想通貨特命官
米トランプ政権の仮想通貨特命官サックス氏が7月の重要法案成立の見通しを示唆。GENIUS法でステーブルコイン規制、CLARITY法で仮想通貨定義明確化へ。
13:10
インド与党BJP報道官、ビットコイン準備金導入を提唱
インド与党BJP報道官のバンダリ氏が、仮想通貨ビットコイン準備金の試験導入を提唱した。また、インドもブータンのようにBTC採掘を行う能力を持っているとも指摘した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧