CoinPostで今最も読まれています

Suicaだけではない ディーカレットが目論む仮想通貨エコシステム構想|事業説明会まとめ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ディーカレット事業説明会
Suicaの仮想通貨チャージで注目が集まるディーカレット。大手企業19社が出資するその理由や、今後の構想を事業説明会で語った。

本記事は、「JR東日本が語る構想 スイカの仮想通貨チャージの真相とは| ディーカレット事業説明会」の記事に続く内容となります。

ディーカレット事業説明会

株式会社ディーカレットは27日、都内で事業説明会を関係者向けに開催、仮想通貨交換業者の登録を完了した同社の今後の展開やディーカレットの魅力を語った。

2018年に設立された企業だが、国内の名だたる大手企業19社が出資、「デジタル通貨(仮想通貨)のメインバンク」を目指している。

出典:Decurret

ディーカレット開発の目的としては、「全ての価値をシンプルに交換する」を掲げ、その実現の鍵を「デジタル通貨」が握っていると考えている。仮想通貨も新たな時代に入ってくと考えているため、”あえて”デジタル通貨と呼んでいるようだ。

仮想通貨はネット空間で価値が移動できることはかなり価値があるもので、これまでのネットではできなかった価値あるものである。この技術を活用することで本当のデジタル金融サービスができてくると考えているという。

まず、語ったのはディーカレットのビジネスストーリーだ。すでに共同事業内容として、Suicaへの仮想通貨チャージの構想も話題になっているが、注目されるビジネスストーリーには同社へ出資、提携する大手企業とどのように協業する動きも注目が集まっている。

ディーカレットのロードマップ

ディーカレットのロードマップとして、「価値交換(取引)」の拡大を促し、最終的には、製品や素材、エネルギー、不動産などのトークン同士を取引できる「価値交換プラットフォーム」となることを想定しているとのことだ。

以下がそのロードマップの概要だ。

STEP1 通貨:特徴を持つ様々な通貨の売買

STEP2 電子マネー:指定した仮想通貨を生活に利用できる価値に交換(電子マネー、モバイル決済サービスへのチャージなど)

STEP3 ポイント:一定の評価がされている資産を仮想通貨に交換

STEP4 金融資産:金融資産を担保にしたデジタル通貨の発行と流通

全ての資産:デジタル化された様々な資産の交換

仮想通貨の売買や交換

仮想通貨の売買を行う取引所の機能に関しては、本日3月27日より口座申請の受付を開始しており、4月16日にも取引を開始する。

取り扱い銘柄としては、「BTC、BCH、LTC、XRP」で、アルトコインには日本円建取引のほか、BTC建取引も提供する。なお、イーサリアムの取引ペアは6月から7月を予定している。

また、6月から7月には証拠金取引の開始も予定しており、多くの需要に対応を予定する。

ディーカレットが考えている交換所の目的は、これまでの動きとは違う。その交換の目的の先に決済サービスがあるためだ。

法定通貨と仮想通貨間の交換のほか、仮想通貨同士の交換を提供するが、これまでの多くの取引所とは異なり、顧客からのオファーを受け、カバー取引、国内外の取引所として流動性を確保するモデルを採用するという。提供したレートと近い価格で約定するため、決済を踏まえた流動性の確保や価格の偏りをなくしていく動きに繋がる。

また、IIJが証券会社や銀行などに提供しているシステムを利用し、取引量や価格の急変動が起きても安定した取引を提供できる処理性能が特徴で、決済利用時にシステムが落ちたり価格が急変動するなどを防ぐ仕組みを提供する。

なお、仮想通貨の交換だけではなく、決済システムを想定して電子マネーに交換できるサービスも提供するのも大きな違いだ。

例えば、ポイントとの交換などが該当するようだ。現在の決済サービスを利用しているユーザーが現金やクレジットからチャージを行うように、仮想通貨や金融資産を担保にしたステーブルコインなどを選択肢の一つに含み、ユーザーに提供する。

この決済システムを提供することで、これまで銀行や金融機関が独自に発行してきたデジタル通貨の可能性を大きく広げていく役割を担うとみられている。

CoinPost撮影

仮想通貨保有とセキュリティについて

ディーカレットの仮想通貨保有の特徴としては、顧客資産をコールドウォレットで100%の管理するというものだ。

もちろん仮想通貨の送受信にホットウォレットでも必要分の仮想通貨は利用されるが、顧客資産に関してはインターネットから隔離されたコールドウォレットで100%管理するため、顧客資産の流出リスクを大きく低下させることを実現しているようだ。

コールドウォレットのオペレーションにも力を入れており、秘密鍵など権限の管理やモニタリング、検査をする体制の整備、扱うスタッフの育成など、包括的なセキュリティシステムを徹底する。

また、コンプライアンス、リスク管理、内部監査等には、金融機関での実務経験者を配置しているとのことだ。

さらに、以下の4点を強みとして挙げている。

  • ブロックチェーンとデータベースを照合する技術
  • 高速・安定的な通信制御を行うネットワーク技術
  • サービス継続性を実現するクラウド・サーバー技術
  • インターネット上で利用可能なサービス

送受

決済システムに力を入れるディーカレットは、仮想通貨の送受にも大きな力を入れている。

送受は顧客が仮想通貨を送金する仕組みだが、ただ通貨を送るだけでなく、複数の通貨を組み合わせた送金、また送金途中に通貨銘柄を変更して送金できる仕組みも提供する。自分が保有していない通貨を相手が求めている場合も、送金に通貨を変更する取引を挟むことで、着金する通貨を変更することができるという。

これは、ディーカレットが提供する仮想通貨取引プラットフォームが実現するシステムで、通貨の流動性を高めることで、通貨取引を円滑に進めることを可能にしているとみられる。

今回は語られることはなかったが、送金側が仮想通貨であるのに対し、受け取り側はポイントで受け取ることができるようなシステムである場合、より仮想通貨送受や決済需要も一般普及する可能性があるだろう。

CoinPost撮影

質疑応答

注目の質疑応答内容をピックアップして掲載する。

―品質・安全標準など国際的な認証取得を行うなど、組織としてのオペレーションはあるのか?ディーカレットは、仮想通貨取引所という位置付けで良いのか?

仮想通貨に関しては、業務に適した認証制度は現時点ではまだ整備されていない。

既存金融システムの安全対策・管理と同党の対策を取っており、加えて仮想通貨特有の対策も必要だが、現時点では明確な指針はない。ただし、金融庁による「業登録」において、厳しい審査基準をクリアしている。

ディーカレットは、仮想通貨交換業者という定義にはなる。仮想通貨の取引や投資サービスである通貨交換だけでなく、通貨交換を経て決済関連の新サービスも展開していく。

ディーカレットは、創立時から各業界の大手企業が参画している。メガバンク、証券会社、JR東日本などから出資を受けられた理由は?

金融機関が「デジタル化」を進める中で、十分でないという背景がある中、我々は新しいデジタル専門のインフラを作ろうとしている。

このようなものの必要性をご理解頂いているのではないか。例えば、三菱UFJのデジタル通貨も、現金をデジタル化していくという取り組みの一つであり、接点の一つだ。

Suicaへの仮想通貨チャージは、具体的には決まっていないが、検討はしている。

―仮想通貨業界は、直近1年間の不正流出事件や金融庁による立入検査などで信頼が失墜している現状があるが、このような事件は防ぎようがあると考えているのか?

仮想通貨は、新しい技術だということで、インターネット業界と同じでイタチごっこの側面はある。

しかし金融業界である以上、特に信頼面は重要で、間違っても利用者の資産が消失したりするような事態があってはならない。そういう意味で備えが十分に出来ていなかった。

サイバー攻撃のようなケースもあるが、内部犯行の可能性も起こり得るとの想定を前提とした、モニタリングの体制が必要。内部管理体制が、行登録でも審査されている通り、かなり高いレベルで求められている。小さい問題が起きた時も、即座に対処、改善していくことが重要だ。

ハッキング事件後に新規での登録業者となれたことは、金融庁からも期待されていると受け止めている。

▶️本日の速報をチェック
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
18:24
世界のゲーム企業時価総額トップ40企業のうち、29社がWeb3分野を模索
時価総額上位40のゲーム会社の中で、29社がWeb3分野を模索している。NFTゲームの開発を進めているNexon、バンダイナムコ、コナミ、Krafton、スクウェア・エニックス、ユービーアイソフトの7社を中心に動向をまとめた。
16:53
米決済大手PayPal、NFTの購入・送信システムで特許出願
米決済大手PayPalは、NFTの購入・送信システムに関する特許を米国特許商標庁に申請している。オフチェーン取引機能などを備えるものだ。
13:56
BISと各国中央銀行、CBDC取引の実証実験成功
国際決済銀行は、フランス、シンガポールおよびスイスの中央銀行とともに行った、ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)のクロスボーダー取引および決済の実験に成功したと発表した。
13:00
米コインベース、米国外のリテールユーザーに無期限先物サービス提供へ
米大手仮想通貨取引所コインベースは、バミューダ金融庁から米国外のリテールユーザー向けに無期限先物を提供するライセンスを得たと発表した。
12:53
ビットコインやや反発、MakerDAO(MKR)前月比50.0%高の背景は
暗号資産(仮想通貨)相場では米株指数の反発の影響もありビットコインが反発。アルト市場ではMakerDAO(MKR)が前月比50.0%高となり年初来高値を更新した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX 2024」、ザ・プリンスパークタワー東京で開催へ
国内最大手の暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostは、アジア最大級のWeb3国際カンファレンス「WebX 2024」の開催を発表した。第2回は、ザ・プリンスパークタワー東京で行われる。
11:38
FTX Japanが自動資産証明を導入
FTX Japan株式会社のセス・メラメドCOO、顧客から預かった資産の保全状況を証明するため、新機能「Proof of Solvency」を導入したと発表した。取引所の残高が預かり資産を上回っていることを、改ざん不可能で検証可能な方法で証明する。
10:26
イーサリアムのテストネット「Holesky」起動
仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンについて、新たなテストネット「Holesky(ホレスキー)」が起動した。次期ハードフォークDencunに向けた重要なステップであり、開発計画の進展につながる動きだ。
09:00
米SEC、イーサリアム先物ETFを初承認
米SECは、仮想通貨運用企業Valkyrieがイーサリアムの先物に投資するETFを提供することを承認したことがわかった。ビットコイン先物ETFに組み込むとみられる。
09/28 木曜日
18:19
スイ(SUI)がOKCoinJapan上場へ、国内初
暗号資産(仮想通貨)スイ(Sui)がOKCoinJapanに上場することを発表した。国内初。Suiはメタ(旧フェイスブック)が開発を主導した仮想通貨プロジェクトであるディエム(旧リブラ)系L1ブロックチェーンの一つ
16:34
米公聴会「トークン化されたポケモンカードは証券か?」ゲンスラーSEC委員長は答え示さず
米国下院金融サービス委員会は、証券取引委員会のゲーリー・ゲンスラー委員長を招いて公聴会を開催。ゲンスラー委員長による「ルール策定に対する無謀なアプローチ」をはじめ、「デジタル資産エコシステムに対する反対運動」などに懸念を表明し、5時間にわたり、厳しく追及した。
14:58
スマホカメラ活用のNFTゲーム「SNPIT」、秋元康氏が戦略アドバイザーに就任
チューリンガムは、Web3ゲーム「SNPIT」のストラテジックアドバイザーに、著名プロデューサー秋元康氏が就任したことを発表した。SNPIT」は、スマートフォンカメラを利用して撮影した画像を通じて利益を得る、「Snap to Earn(撮影して稼ぐ)」という仕組みを導入する。
14:55
香港、投資商品トークン化のガイドラインをまもなく発表へ
香港証券先物委員会の投資商品担当ディレクターは、認可された投資商品をブロックチェーン上でトークン化することに関するガイドラインを近い時期に発表する予定だと述べた。
12:01
みずほ銀行、熊本県のDX実証事業でAstar Networkと連携
みずほ銀行は、熊本県における「NFT・メタバースを活用した球磨焼酎のブランド力向上」を目指す実証事業を発表した。NFTの発行やメタバース内でのイベント実施を予定しており、日本発のレイヤー1パブリックブロックチェーンであるAstar Networkを活用する。
11:28
コンバースジャパン x 1BLOCK、「ワンスター」50周年記念NFT販売へ
「ワンスター」50周年記念NFTを販売予定 コンバースジャパンが3DアバターNFTの販売を予定していることが28日に明らかになった。このプロジェクトは、デジタルファッションスタ…

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧